2026年4月25日(土)NHK BS 「美の壺 スペシャル 20周年記念」において、CACLの取り組みであるRediscover projectをご紹介いただきました。番組では、2024年1月1日の能登半島地震で預かり得た、およそ5トンもの陶器片を保管する倉庫内で、様々な窯元から届いたかけらを選ぶ様子も放映され、ロバート キャンベル氏の案内のもと、作品制作の過程をより広く周知していただく機会となりました。

規格外の廃材を作品として再構成するRediscover project – 能登半島地震で生まれた陶器片を用いる
陶器片を能登の金継ぎ技術を用いてつなぎ合わせる ― Rediscover projectの中心軸です。作品制作においては、九谷焼や、珠洲焼など、同じく石川県内の工芸ではありながらも、産地も技術も違う、ときにいびつな陶器片同士を「呼び継ぎ」という技法で繋ぎ、あるいは、割れた傷のエッジを漆で和らげ、ほぼそのままの姿で提示することもあります。欠けた器や、花瓶。なんの役にも立たない断片。廃棄されるはずのものたちが、元の状態とは全く違う形として生まれ変わり、あるいは、傷ついた部分もそのままに、不完全な姿で再び立ち上がる ― 金や、色漆で継がれ、新たな輝きを取り戻した陶器片の姿は、この二年の間に、共感と反響を呼び、国内外を問わず多くの発表の場を得てきました。

金沢21世紀美術館での二度の展示を経て ― Rediscover projectの歩みとこれから
2024年、金沢21世紀美術館の元館長を務めた長谷川祐子氏とキュレーターチームが能美市の工房を訪れ、震災以降の取り組みもさることながら、かけらを漆で継ぐ、その作品としての美的価値と意義を見出し、同館の20周年を記念する大型企画展にて取り上げて頂いたことは、Rediscover projectのメルクマールとなりました。世界10以上の国と地域から約60組もの作家が集結した「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」(2024年11月―2025年3月)では、出展アーティストとして、また、人間の枠を超えた、生物、環境、自然など様々な要素が複雑に絡み合う「新しいエコロジー(生態系)」といった、示唆に富む視座のひとつとして、地平に鎮座する陶器片の作品構成を発表しました。

さらに、2025年9月には、同館にて個展が開催されたオトボン・ンカンガとのコラボレーション作品「シェイプド・バイ・メニー」に、再びRediscover projectから輪島塗の慶塚英信が参画。会期中には慶塚も参加するパフォーマンスの実施が行われるなど、金沢21世紀美術館というアートと社会を結ぶ大舞台にて、Rediscover projectを、より大きな文脈へと発展させていく契機となりました。

「規格外」とされた陶器片に新たな価値を見出すというCACLの取り組みは、能登半島地震以降、被災地の職人たちとの協働作業を皮切りに、断片に伴われた時間と記憶を繋ぐという信念をよりいっそう強めてきました。我々の見つめる廃材には、震災に限らず、事故や環境の影響により、社会の「正常」の範囲から外され、見えなくされてきた人々や、ものの姿もまた重なり合っています。

漆という“他者”との出会いによって、まさに自身も発展を遂げてきたRediscover projectは、デザイン担当の奥山薫里、輪島塗作家の慶塚英信、そして本年4月に加わった1名の漆作家と共に、伝統工芸の技術を通じた陶器片の異表現に挑戦し、美術的価値を世に問う集団としてさらなる展開を続けていきます。
NHK BS「美の壺 20周年記念スペシャル」4月25日(土)放映回
番組は、NHKオンデマンド、およびU-NEXTにてご覧いただけます。
※「美の壺」は、日本の暮らしの中に息づく美意識や手仕事の魅力に光を当ててきた長寿番組です。4月25日(土)は、放送開始20周年の節目として特別編が放映されました。番組内では、ロバート キャンベルさんが能美市のCACL工房やギャラリーを訪れ、陶器のかけらを新たな作品へと昇華していく制作の過程が紹介されました。
株式会社CACL 会社概要
社名:株式会社CACL
公式サイト:https://cacl.jp/
所在地:〒923-1245 石川県能美市辰口町リ56番地
代表者:奥山純一
設立:令和5年6月1日
Tel:0761-48-8004
CACLでは、Art (Rediscover project) /マテリアル再生(KAKERA)/ Social Work(福祉事業)の、3つの事業を柱として、あらゆる表現活動を⾏っています。
