金曜日, 9月 22, 2023
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シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】

美術館「えき」KYOTO開館25周年記念

2022年9月10日(土)~11月6日(日)「最後の印象派」と呼ばれた2人の巨匠の画業を振り返る展覧会を開催します。

19世紀末から20世紀前半にかけてフランスで活躍したアンリ・ル・シダネル(1862-1939)とアンリ・マルタン(1860-1943)。共に印象派、新印象派の流れを汲みつつ、象徴主義など同時代の表現技法を吸収しながら幻想的な主題を扱ったほか、生活の情景や身近な人々を親密な情感を込めて描くアンティミスト(親密派)としても知られています。2人は1891年の最初の出会い以降、生涯にわたり親交を深めましたが、シダネルは北フランスで薄明かりに包まれた穏やかな光を、マルタンは南フランスで陽に照らされた明るい光を描き出し、それぞれ独自の画風を築きました。本展では、これまで日本で紹介される機会の少なかった2人の画家の画業を9つの章に分けてご紹介します。光と色彩に彩られた作品をぜひお楽しみください。
 

 

 

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像1

アンリ・ル・シダネル(1862-1939)

インド洋モーリシャス島に生まれ、ダンケルクで育つ。国立美術学校(エコール・デ・ボザール)でアレクサンドル・カバネルに学び、エタプルやジェルブロワなどフランス北部を中心に活動し、身近なものを情感豊かに描きました。シダネルが見出し愛したジェルブロワは現在では「薔薇の村」として知られ、「フランスの最も美しい村」のひとつにも選ばれています。

 

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像2

 

 

アンリ・マルタン(1860-1943)
トゥールーズに生まれ、国立美術学校でジャン=ポール・ローランスに学び、フランス南部の明るい陽光のもと、風景や人物像を象徴主義的な雰囲気の中に描きました。大画面の装飾壁画にも優れ、フランス国務院をはじめとする多くの公共空間に作品を残しました。
 

  • エタプルのアンリ・ル・シダネル

1882年に国立美術学校に入学したシダネルでしたが、パリの喧騒から離れるために訪れたフランス北部の小さな港町エタプルでの滞在をきっかけに自身の画風を確立し、画壇で評価を得るようになっていきました。ここではその初期の代表作をご紹介します。

 

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像3

  • 象徴主義

19世紀末、ヨーロッパ全土で象徴主義が流行しました。世紀末世界における不安やメランコリーなど、観念的な世界を表現するこの傾向に対し、二人の作品にもその影響が表れています。

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像4

  • 習作の旅

印象派をはじめとした19世紀の風景画家たちは、各地を旅してその地の風景を描きました。彼ら印象派の末裔でもあるシダネルたちも各地で情景の数々を描き、パリに戻って完成作に仕上げていきました。ここではそうした習作の数々をご紹介します。

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像5

  • アンリ・マルタンの大装飾画のための習作

マルタンは大画面の装飾壁画をしばしば依頼されるほど当時の人気作家でした。いずれも構想や習作を繰り返し、大画面の作品を完成させていきました。ここではマルタンの壁画作品の代表作のひとつである、フランス国務院の装飾画の習作などをご紹介します。

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像6

  • ジェルブロワのアンリ・ル・シダネル

シダネルは1901年に小さな田舎の村ジェルブロワを見出すと、1904年に家を購入し、本格的に制作の拠点を構えました。ジェルブロワの穏やかな雰囲気やバラの咲き誇る庭はシダネルにとって格好の題材となり、シダネルの真骨頂ともいえる作風が確立されました。

 

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像7

  • ラバスティド・デュ・ヴェールのアンリ・マルタン

シダネルにとってのジェルブロワと同様、南仏のラバスティド・デュ・ヴェールはマルタンの画風が確立する上での重要な場所となりました。特に主要な着想源であった別荘のマルケロルの庭は、絵画の題材にすることを念頭にマルタン自身が造った空間でした。

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像8

  • ヴェルサイユのアンリ・ル・シダネル

1909年から晩年にかけて、シダネルは息子たちの教育のためにヴェルサイユにも居を構え、季節の良い時期はジェルブロワに滞在し、そのほかの時期はヴェルサイユで過ごしました。かつての宮殿や庭はシダネルにとって格好の題材となり、散歩道でもあった公園を素朴で身近な情景として表しました。

 

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像9

  • コリウールとサン・シル・ラポピーのアンリ・マルタン

一方マルタンは、1911年にラバスティド・デュ・ヴェールに近いサン・シル・ラポピーに、1923年にコリウールに家を購入して新たな拠点として同地の情景を描き、南仏の陽光の元でもっともマルタンらしいといえる作品の数々を残しました。

シダネルとマルタン展 最後の印象派【美術館「えき」KYOTO】のサブ画像10

  • 家族と友人の肖像

シダネルとマルタンは、身近な人物を愛情豊かな眼差しで描き出したことから、「アンティミスト(親密派)」とも呼ばれました。シダネルは1900年代から画中に人物を描かなくなりましたが、家族や友人など身近な人々は好んで描き続けました。一方、マルタンは壁画の中に家族や友人の肖像を描き込み、自身の創作に親愛と友情が必要であることを示しました。
 

  • 美術館開館25周年記念イベント

1997年9月に開館した美術館「えき」KYOTOは、今年で開館25周年を迎えます。これを記念して下記のプレゼントイベント、サービスを行います。

①展覧会オリジナルポストカードプレゼント

9月10日(土)から美術館公式LINEにて配信のクーポンをご提示の方、先着500名さまにポストカードを1枚プレゼントいたします。
美術館公式LINE名:美術館「えき」KYOTO(@822yvdgt)

期間:展覧会期間中(なくなり次第終了)

※500名に達した時点でLINEにてお知らせいたします。

お渡し場所:美術館物販コーナー

※クーポン取得には美術館公式LINEにお友だち登録が必要です。
※お一人さま1回限り。
※お渡し場所にてクーポン画面をご提示ください。
※9月10日以前にご登録いただいている方も対象です。
※ポストカードの種類はお選びいただけません。

②1997年生まれ割引

「シダネルとマルタン展」開催期間中、当館が開館した年と同じ1997年生まれの方は当日料金から200円割引でご入館いただだけます!
※チケットご購入の際、窓口にて生年のわかる物をご提示ください。(運転免許証、マイナンバーカードなど)
※割引はご本人さまのみ。
※他の割引との併用はできません。
 

  • 開催概要

●会期:2022年9月10日(土)~11月6日(日)※会期中無休
●開館時間:10:00~19:30(入館締切閉館30分前)
※新型コロナウイルス感染症の状況により、変更する場合がございます。
●入館料(税込):一般/1,100円(900円)高・大学生/900円(700円)小・中学生/500円(300円)
※( )内は前売料金。「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまは当日料金より各200円割引。
2022年7月30日(土)から9月9日(金)まで前売券販売。販売場所:当館チケット窓口(休館日を除く)、京都駅ビルインフォメーション、チケットぴあ、ローソンチケット。
●お問合せ:TEL075-352-1111(ジェイアール京都伊勢丹大代表)
●アクセス:JR、近鉄、京都市営地下鉄烏丸線「京都駅」下車すぐ
●公式HP:https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/
●公式Twitter:@ekimuseum

主催:美術館「えき」KYOTO、京都新聞
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協力:日本航空
企画協力:ブレーントラスト

 

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