第12回 IHJ Cultural Lobby 異種間クロストーク「シリアの世界遺産パルミラ:戦争・略奪・再生―考古学・現代アート・国際政治から考える文化のレジリエンス」

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第12回 IHJ Cultural Lobby 異種間クロストーク「シリアの世界遺産パルミラ:戦争・略奪・再生―考古学・現代アート・国際政治から考える文化のレジリエンス」のメイン画像

【世界遺産パルミラ】戦争で失われた文化は再生できるのか

公益財団法人国際文化会館(東京都港区、理事長:近藤正晃ジェームス、以下、国際文化会館)では、アート・デザイン部門ディレクターの長谷川祐子がモデレーターを務め、異なる分野で活躍するゲストが集い語り合う、『IHJ Cultural Lobby 異種間クロストーク』を開催しています。

2026年9月14日(月)に、「シリアの世界遺産パルミラ:戦争・略奪・再生―考古学・現代アート・国際政治から考える文化のレジリエンス」と題した第12回『IHJ Cultural Lobby 異種間クロストーク』を開催いたします。

シリアの砂漠にそびえ立つ、美しき古都パルミラは、2011年以降の紛争によって甚大な被害を受けました。紛争は建造物を破壊しただけではありません。遺跡から持ち去られた文化財は国際的なブラックマーケットへ流出し、本来の歴史的文脈を失ったまま世界各地へ散逸しています。

今回の異種間クロストークは、長年パルミラ遺跡の調査・保存に携わってきた考古学者の西藤清秀氏、現在開催中の第61回ヴェネチア・ビエンナーレのシリア・パビリオンで「パルミラの塔墓」をテーマに新作を発表したアーティストのサラ・シャマ氏、そして国際政治学者で国際文化会館代表理事の神保謙の3人をスピーカーにお迎えします。

西藤氏は、破壊前の遺跡を精密な3次元データとして記録し、学術的・物理的な「復元」の礎を築いてきました。一方でシャマ氏は、その失われた空間を没入型インスタレーションへと昇華させ、「記憶の再生」を試みています。神保氏には、国際秩序の視点から、破壊された文化遺産をめぐる課題を読み解いていただきます。考古学、現代アート、国際政治という異なる視点から、文化遺産の破壊とレジリエンス(復興)をめぐる課題に迫ります。

・イベント概要

日時

2026年9月14日(月)7:00~8:20 pm (6:30 pm開場)

会場

国際文化会館 講堂

スピーカー

西藤 清秀(考古学者)

サラ・シャマ(アーティスト)※Zoom参加

神保 謙(国際政治学者、国際文化会館代表理事)

モデレーター

長谷川 祐子(国際文化会館アートデザイン部門ディレクター)

参加費

一般:3,000円、学生:1,000円

用語

日本語・英語(通訳あり)

・登壇者プロフィール

西藤清秀(奈良県立橿原考古学研究所・技術アドバイザー)

1953年生まれ。アリゾナ大学大学院修士課程・関西大学大学院博士課程前期修了。奈良県立橿原考古学研究所副所長・附博物館館長を経て2013年より現職。1990 年から2011 年まで、シリア・パルミラで発掘調査と修復復元事業を展開。2016 年よりバーレーンでパルミラ隊商の痕跡を求めて古墳の発掘調査を主導。2017年よりUNDP(国連開発計画)より委託を受け、シリア文化財関係者人材育成事業に従事。編著に『世界遺産パルミラ 破壊の現場から–シリア紛争と文化遺産』(雄山閣 2017)、『Tomb F-Southeast Necropolis, Palmyra, Syria』(Research Center for Silk Roadology 2001)ほか。2016年日本イコモス賞、2021年文化庁長官賞受賞。

サラ・シャマ(アーティスト)

ダマスカスとロンドンを拠点に活動する国際的な現代画家。アイデンティティ、死、生のはかなさ、ディアスポラ(離散)、そして人間の内面に宿る心理的緊張をテーマに、人間存在を力強く描く具象絵画で高く評価されている。1998年にダマスカス大学美術学部絵画科を首席で卒業。以来20年以上にわたりヨーロッパや中東を中心に活動し、近年では「Modern Slavery」シリーズが英国各地の主要文化施設で高い評価を受けた。2026年には、第61回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展のシリア館代表作家として参加)。作品はロイヤル・アカデミー・サマー・エキシビション、フィレンツェ・ビエンナーレ、NordArtなどでも発表され、ダマスカス国立博物館やブリティッシュ・カウンシルをはじめとする公的コレクションに収蔵されている。国連世界食糧計画(WFP)のセレブリティ・パートナーやキングス・カレッジ・ロンドンのアーティスト・イン・レジデンスを務めるなど、人道支援や研究活動とも深く関わりながら制作を続けている。中東を代表する現代画家の一人として、世界各地の美術館、キュレーター、コレクターから高い評価を受けている。

神保謙(国際政治学者、国際文化会館代表理事)

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了(政策・メディア博士)。専門は国際政治学、安全保障論、アジア太平洋の安全保障、日本の外交・防衛政策。タマサート大学(タイ)で客員教授、国立政治大学、国立台湾大学(台湾)で客員准教授、南洋工科大学(シンガポール)客員研究員を歴任。政府関係の役職として、防衛省参与、国家安全保障局顧問、外務省政策評価アドバイザリーグループ委員などを歴任。

・モデレーター プロフィール

長谷川祐子(国際文化会館アートデザイン部門ディレクター)

京都大学経営管理大学院客員教授 / 東京藝術大学名誉教授 / 総合地球環境学研究所客員教授。キュレーター / 美術批評。

京都大学法学部卒業。東京藝術大学美術研究科修士課程修了。水戸芸術館学芸員、ホイットニー美術館客員キュレーター、世田谷美術館学芸員、金沢21世紀美術館学芸課長、芸術監督及び館長、東京都現代美術館学芸課長及び参事を歴任。ヴェネツィア大学客員教授(2023年)。犬島「家プロジェクト」アーティスティック・ディレクター。文化庁長官表彰(2020年)、フランス芸術文化勲章シュバリエ(2015年)、ブラジル文化勲章(2017年)、フランス芸術文化勲章オフィシエ(2024年)を受賞。著書に『新しいエコロジーとアート:「まごつき期」としての人新世』(2022年、以文社)、『ジャパノラマ:1970年以降の日本の現代アート』(2021年、水声社)、『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』(2013年、集英社)。

IHJ Cultural Lobby 異種間クロストークとは

公益財団法人国際文化会館 アート・デザイン部門ディレクターの長谷川祐子がモデレーターを務め、異なる分野で活躍するゲストが集い語り合う、一期一会の知的セッションです。

国際秩序の変化、AIの進展、気候変動、DE&I(多様性・公平性・包摂性)の推進など、複雑化する現代社会において、共感やコミュニケーションを生み出す「アート」の智慧が、文化、政治経済、科学などの諸分野をどのようにつなぎ得るのか。分断が深まる社会のなかで、文化・芸術が果たすべき役割を、異色のゲストたちと共に多角的かつ斬新な視点から紐解き、共有することを目的としています。

■公益財団法人 国際文化会館とは https://ihj.global/

日本と世界の人々の間の文化交流と知的協力を通じて国際相互理解の増進をはかることを目的に、1952年にロックフェラー財団をはじめとする内外の諸団体や個人からの支援により設立された非営利の民間団体です。創立70周年を機に「多様な世界との知的対話、政策研究、文化交流を促進し、自由で、開かれた、持続可能未来をつくることに貢献する」という新たな使命のもと、アジア・太平洋地域を代表する知の交流の拠点となり、グローバルでよい高いインパクトを発することを目指してまいります。事業活動は主として、①国際関係・地域研究・地政学、②社会システム・ガバナンス・イノベーション、③文明論・哲学、④アート・デザインの4つの領域からなるプログラム部門と、その事業を支える国際交流の場としての施設の維持運営にあたる業務部門とからなっています。