天国のお母さんへ、手紙を書く場所。「死んだ母の日展」2026年オンライン開催

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お母さんを亡くした方の母の日の過ごし方を問う

株式会社むじょう(本社:目黒区、代表取締役:前田陽汰)は、天国のお母さんへ宛てた手紙を匿名で投稿・公開できるオンライン展示「死んだ母の日展」を、2026年4月9日(木)から5月30日(土)まで開催します。

「死んだ母の日展」は、母の日を“祝う日”として過ごしづらい人に向けて、亡き母へ言葉を綴る場をひらくオンライン展示です。2021年の開始以来、これまでに2,000通を超える手紙が寄せられてきました。来場者は手紙を投稿するだけでなく、ほかの誰かが母との死別にどう向き合っているのか、その言葉にふれることができます。

■ 企画概要

「死んだ母の日展」は、天国のお母さんへ宛てた手紙を匿名で投稿・公開できるオンライン展示プラットフォームです。参加者は、亡き母への思いを手紙として綴り、オンライン上に投稿することができます。

投稿された手紙は他の参加者も閲覧可能で、各手紙の「表紙」には、亡くなったお母さんの享年と、死別当時の自分の年齢が記されています。これにより、自分と近い境遇の手紙を探し、読むことができる設計になっています。

本展の特徴は、手紙を書く場であると同時に、他者の言葉にふれる場であることです。自分の思いを言葉にするだけでなく、他の誰かが母との死別にどのように向き合ってきたのかを知ることができます。

「自分の周りに同じ経験を持つ人がいない」「どうやって死別と向き合えばいいかわからない」——そんな人が、誰かの手紙を通じて「こんなふうに向き合っている人もいるんだ」と気づき、少し前を向けるような体験を目指しています。

■ 企画背景

母の日は、多くの人にとって感謝を伝える日として定着しています。しかしその一方で、母を亡くした人にとっては、「ありがとう」を伝えたい相手がもういないことを突きつけられる日でもあります。

「死んだ母の日展」は、そうした見えにくい感情に光をあてるため、2021年に始まりました。亡き母へ手紙を書くという行為を通じて、喪失を抱えた人が母の日を過ごすための新しい選択肢をつくること。そして、その手紙を社会にひらくことで、祝福の陰にある痛みや不在にも想像力が及ぶ一日へと、母の日の風景そのものを少しずつ変えていくことを目指しています。

本企画は、母を亡くした経験を持つ東京藝術大学学生の中澤希公自身の実感から生まれました。母の日が「感謝を伝える日」として広く共有される一方で、その日をつらく感じる人がいることは、社会のなかで十分に見えているとはいえません。だからこそ本展は、死別を経験した人のための居場所であると同時に、その存在を社会にひらく試みでもあります。

寄せられる手紙には、言えなかった感謝、後悔、怒り、近況報告、時間が経ってもなお消えない寂しさなど、ひとつではない感情が刻まれています。そこにあるのは、きれいに整理された物語ではなく、喪失とともに生きる人それぞれの現在です。本展は、それらの言葉を「作品」として見せるだけでなく、読む人自身の記憶や関係をそっと呼び起こすメディアでもあります。

また本展は、死別経験者だけのための企画ではありません。毎年めぐってくる母の日の風景のなかで、「ありがとう」を伝えられる人がいる一方で、その相手がもういない人もいる。その事実に社会が少しだけ想像力を向けることで、母の日という一日は、よりやさしく、ひらかれたものになる。そんな願いも、この展示には込められています。

■ アーティストコメント

死んだ母の日展は、今年で6回目を迎えました。

この展示が私を”回復”させたのかはわかりません。けれど、ここを通って確かに私は変わりました。

展覧会を開くたびに、「ありがとう」と届く言葉や、生前の母を知る人から連絡が来ることがあります。

少し輝きを放つ場所に聞こえるかもしれませんが、この場所は、あたたかくやさしい場所ではありません。
見なくてもよかった、知る必要のなかった感情を、引きずり出します。火傷のようにひりついて、水脹れのように、あとからふくらむ。やがて、かさぶたになる。

見てもいいし、見なくてもいい。

ただ、私も知らない誰かが、私の知らない場所で抱えている感情を、ここに、そっと置いていってください。

■ 「死んだ母の日展」が届けたい2つのこと

① 母を亡くした人への、母の日の過ごし方の提案

母の日は、世間が「お母さんありがとう」で溢れる日です。そのなかで、母を亡くした人は居場所のなさを感じることがあります。本展は、そんな方々に「天国のお母さんへ手紙を書く」という、静かで、しかし確かな過ごし方を提案します。

② 今、お母さんが生きている人への気づき

本展は、死別を経験していない人にとっても意味を持ちます。他者の手紙を読むことで、「お母さんはいつかいなくなる」という、普段は目を向けにくい現実と穏やかに向き合う機会になります。今日という一日、お母さんが生きていることの尊さに気づいてほしい——そんな願いも、この展示には込められています。

■ 受賞歴 / これまでの歩み

死んだ母の日展は、2022年に初開催されました。初年度はオンライン展示に加え、渋谷で白いカーネーション1,059(てんごく)本を配布し、サイト上には多数のメッセージが寄せられました。また、この年にはGOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2022にて優秀賞を受賞し、企画の社会的意義と表現性が高く評価されました。

2023年には、TikTok、X(旧Twitter)、Instagramなどで展示作品のシェアが広がり、SNS上での認知が拡大しました。あわせてABEMA NEWSでも取り上げられ、「死んだ母の日展」という企画がより多くの人に届く契機となりました。

2024年には、アーティストの中澤希公が日本の母の日に合わせてロンドンで個展を開催しました。映像作品と彫刻作品を展示し、本企画の背景にある問いや表現を国外にも発信する機会となりました。

さらに2025年には、東京都内でリアル展示を本格的に実施しました。中澤の作品とともに、これまでに寄せられた手紙そのものも展示し、オンライン上に寄せられた言葉を、実空間のなかで作品として体験できる場へと展開しました。

2022年:1059(てんごく)本のカーネーション配布

2023年:GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 優秀賞 受賞

2024年:『Wait for me, see you again』英国・ロンドン, Glove Galleryにて展示

2025年:「死んだ母の日展-すって、はいて、たしかに、そこに」代官山,アフロードクリニックにて展示

■ 開催概要

展示名:死んだ母の日展 2026

手紙受付期間:2026年4月9日(木)〜2026年5月30日(土)

開催形式:オンライン展示(誰でも無料で参加・閲覧可能)

参加方法:公式サイトより匿名で手紙を投稿(閲覧のみも可能)

主催:株式会社むじょう

※オフラインでのパブリックアート作品についても、追って発表予定です。

■ キービジュアルについて

本展のキービジュアルは、傷の上に現れる“かさぶた”のような存在に、回復と痕跡が重なり合う状態を見出しています。

光を通す薄い紙に水を含ませ、熱を加えると、水分は蒸発し、目には見えない存在へと変わっていきます。その過程で、紙の表面にはふくらみや歪みが残り、ただ元に戻るのではなく、そこに痕跡が立ち上がります。

制作の初期には紙が燃え尽きてしまうこともありましたが、試行を重ねる中で、傷が少しずつふさがるような、やわらかなかたちが生まれるようになりました。その痕跡は一つとして同じにならず、どこか生きているもののように立ち現れます。

さらにその上から、透明な糸で一針ずつ縫い重ねています。糸はほとんど見えませんが、針の跡だけがかすかに残ります。見えにくくても確かに手をかけた痕跡があり、その繊細な接続は、失ったあとも続いていく関係のあり方を示しています。

強く引っ張れば壊れてしまうかもしれない、ぎりぎりの繊細さでつながっていること。

キービジュアルには、母を亡くしたあとも消えずに残り続ける記憶や関係性を込めています。

■ 今後の展開

2026年もオンライン展示を中心に展開しながら、オフラインでのパブリックアート企画も予定しています。母の日という一日を、祝う人にも、祝えない人にも、そしてまだ喪失を自分事として捉えていない人にもひらかれた風景へと更新していくことを目指します。

■ 取材・お問い合わせ先

会社名:株式会社むじょう

担当:中澤

電話番号:050-3138-3737

メールアドレス:info@mujo.page

備考:取材のお申し込みはメールまたはお電話にてご連絡ください。