木曜日, 7月 24, 2025
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【美術館「えき」KYOTO】石をやく 土をやく 樂雅臣 樂直入  

Firing stone/Firing clay Masaomi Raku/Jikinyu Raku 2024年1月2日(火)~1月29日(月)

京都の地で、初代長次郎(1589年没)を祖とする樂家。茶碗という究極の造形の存在に対して、石から、土からそれぞれのアプローチを行っている2人の芸術家の展覧会!

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この石と土との間で、人類はやくという行為によって器を制作してきた。すなわち「やきもの」である。京都の地において、初代長次郎(1589年没)を祖とする樂家に、茶碗という究極の造形の存在に対して、石から、土からそれぞれのアプローチを行っている2人の芸術家がいる。

初代長次郎は千利休の侘び茶の心を汲み、装飾的要素を排除した、画期的な赤と黒の樂茶碗を創出した。それから約450年。樂直入(1949-)はこの石と土との関係性のなかで、様々な挑戦を行ってきている。2019年に15代樂吉左衞門から樂直入へと改名した後は、侘び茶の思考や伝統から離れて、京都市の最北端、山間の小村に住まいし、純粋造形としての茶碗の制作に没頭している。そして2022年には「White rock」と仮称される茶碗の展覧会をロンドンとドーハで発表した。始め仮称であった「白い巖石みたいな茶碗」即ち「White rock」の名称は、今では海外でも広く認知されている。「White rock」があれば当然「Black rock」もある。本展ではその両方が出品される。

樂直入の次男である樂雅臣(1983-)は石の彫刻家として知られているが、2023年には長年構想してきた「石器」シリーズを発表した。溶結凝灰岩から茶碗の造形を彫り、さらに焼成することにより、溶融と非溶融の状態となり、不動であるはずの存在が重力によってわずかに動く彫刻作品。そこには、石と土との関係性において、雅臣がかつて発表した「輪廻」、「Stone box」シリーズと同様に、輪廻というテーマがある。直入は雅臣の作品を「まるで地底から湧き起こった様に太古からそこに存在したかのような佇まいをしている」と評している。

本展では樂雅臣の新作「石器」シリーズの彫刻作品と樂直入の「Black rock」、「White rock」の茶碗などを中心に展観する。

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樂 雅臣 | Masaomi Raku

1983年、樂家15代直入の次男として生まれる。2008年東京造形大学院美術研究領域造形研究科修了。石を彫刻することで人工物として支配する事なく、自然をいかし、造形と共存した作品を表現する。これを「石の中に表現を、表現と共に自然を」という自身の言葉に込め制作する。主な個展に美術館「えき」KYOTO、石川県立美術館での「彫刻家 樂雅臣展」(2017)、京都の賀茂別雷神社「樂雅臣個展」(2015)・「石器 石から器を」(2023)など。ヴェネチア・ビエンナーレにあわせ開催されるPalazzo Fortunyでの特別展「PROPORTIO」(2015)・「INTUITION」(2017)にノミネートされ出品。海外でも広く活躍する。2018年京都市芸術新人賞受賞。

 

樂 直入|Jikinyu Raku

1949年、樂家14代覚入の長男として生まれる。1973年東京藝術大学彫刻科卒業後、イタリア留学の後、作陶に入る。覚入没後、1981年15代吉左衞門を襲名。樂家は桃山時代、樂茶碗を創造した初代長次郎以来、450年の歴史と伝統を継ぐ陶家。直入は、伝統に立脚しながら安住することなく、常に斬新な感覚を示す造形世界を表現し続けている。1990年個展「天問」に於いて、「焼貫」の技法を駆使し、大胆な箆削りによる彫刻的ともいえる前衛的な作風を発表、その衝撃的な出来事は今では伝説となっている。その後も作風は停滞することなく変化し続け、近年は、「White rock」,「Black rock」と称する茶碗に取り組んでいる。これらは佐川美術館「吉左衞門X展」、ロンドンのアネリー・ジュダ・ファイン・アートをはじめ、海外で発表されている以外、国内では佐川美術館につづき、本展での公開となる。

*2019年7月8日に代を譲り、「吉左衞門」から「直入」に改名、戸籍を改めた。

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記事内の画像 Photo by Jörgen Axelvall

【イベント情報】

ナイト・ミュージアム 

会場=美術館「えき」KYOTO

樂雅臣さんと京都国立近代美術館 研究員 宮川智美さんをお迎えし、展示作品や制作についてお話しいただきます。

●開催日時=2024年1月13日(土)20:00~20:50

※受付時間=19:45~20:00(美術館入口付近にてお集まりください)

●定員=25名(参加は18歳以上の方に限ります。お子さまの同伴不可)

●参加料金(入館料含む/税込)=お一人さま1,500円

●参加方法=2023年12月2日(土)10時よりローソンチケットにて販売 ※定員になり次第販売終了

 

ゲスト:京都国立近代美術館 研究員 宮川智美氏 プロフィール

お茶の水女子大学博士後期課程単位取得後、大阪市立東洋陶磁美術館学芸員を経て、現在京都国立近代美術館研究員。京都女子大学非常勤講師。近現代の工芸を主な対象として、創作と社会の関係を研究する。編著として『リュイユーフィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション』展図録(京都国立近代美術館、2023年)、執筆論文に「黒田泰蔵の白磁の探求」(『黒田泰蔵』展図録、大阪市立東洋陶磁美術館、2020年)など。                                   

【開催概要】

■会期:2024年1月2日(火)~29日(月)会期中無休(28日間)

■会場:美術館「えき」KYOTO(京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)

■開館時間:10:00~19:30

■入館締切:閉館30分前

■入館料(税込):一般1,000円(800円)/高・大学生800円(600円)/小・中学生600円(400円)

※高・大学生の方は学生証をご提示ください。

※( )内は前売料金。

2023年11月3日(金・祝)~2023年12月31日(日)まで前売券販売。

販売場所:当館チケット窓口(12月25日(月)まで)、京都駅ビルインフォメーション、チケットぴあ、ローソンチケット。

「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまは、当日料金より各200円割引。

主催:美術館「えき」KYOTO、京都新聞 

特別協力:公益財団法人樂美術館 

企画協力:出川哲朗(大阪市立東洋陶磁美術館名誉館長)

クリエイティブディレクター:おおうちおさむ

総合プロデュース:井村優三

企画制作:イムラアートギャラリー

■美術館公式HP:https://wjr-isetan.co.jp/museum/

・公式X(Twitter) @ekimuseum

※展示作品やイベント内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。最新情報は当館HPをご覧ください。

■お問合せ:ジェイアール京都伊勢丹 TEL 075(352)1111(大代表)

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