Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 特集上映『明かりが消えたら目をひらいて』開催決定&ラインナップ解禁!

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大規模写真展『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』開催記念 片山真理、川内倫子、小松浩子、野口里佳、細倉真弓、やなぎみわ、山城知佳子、ホン・ダイェ、シャンタル・アケルマンの作品を限定上映

特集上映『明かりが消えたら目をひらいて』は、渋谷・ヒカリエホールで開催中の大規模写真展『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』展の開催を記念したもので、同展に出展中の作家の映像作品を中心に全6プログラムからなる上映企画です。

プログラムA、Bは、Bunkamuraザ・ミュージアムによる『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』展に出展中の片山真理、川内倫子、小松浩子、野口里佳、やなぎみわ、そして同時期に開催したBunkamura Gallery 8/『STILL/LIFE 静寂の余韻に』(7/20終了)に出展の細倉真弓の作品を上映予定。「これまで展覧会等で積極的に映像作品を発表してきた写真家たちの映像作品を映画館の暗闇で見つめる」ことを目的としたもので、日本を代表するアーティストたちによる映像作品の数々が映画館で初上映となる貴重な機会となります。

プログラムCは写真、ビデオ、パフォーマンスを駆使しながら、2000年代から精力的に活動を続ける映像作家、アーティストの山城知佳子の作品集を上映。類まれな傑作群の中から、「震えている」のタイトルのもと、今回の上映のためにセレクトされた6作品を特別上映予定です。

プログラムD、Eでは、写真展に関連して「そこにカメラがある」というテーマで、韓国のホン・ダイェ監督が高校3年から大学卒業までの8年間、自分と友人たちにカメラを向け続けたセルフドキュメンタリーの『私はトンボ』、そしてアケルマン監督の盟友であり、伝説的撮影監督/写真家のバベット・マンゴルトが撮るニューヨークの風景を背に母からの手紙を読み上げる自らの孤独を刻んだシャンタル・アケルマン監督『家からの手紙』を上映。それぞれのシネアストが、それぞれの切実さとともにカメラを手に取り、自らと世界にまなざしを向ける映画2作品が参考上映されます。

プログラムFは「私もあなたを見よう──見返すまなざし」のタイトルで、伝説的女優デルフィーヌ・セリッグと、ビデオ・アーティストのキャロル・ルッソプロスの出逢いと70年代のフェミニズム運動の核心に迫るドキュメンタリー『デルフィーヌとキャロル』を上映。ふだん「見られる」側であったデルフィーヌ・セリッグが自らカメラを握り、23人の女優たちにインタビューをする『美しく、黙りなさい』(1976)の日本劇場公開を記念した、限定特別上映となります。

映画の歴史において、作り手や作品だけでなく、観客の存在も巻き込みながら論じられてきた「まなざし」という言葉について考える全6プログラム・計20作品の特集上映。ふだんは展覧会の会場で展示されることの多かった映像作品を、映画館という大きな暗室の中で見つめたとき、私たちはなにを思うでしょうか。あるいはその暗闇のなか、映画の中/向こうのまなざしと視線を交わしたとき、作品の見え方が変わる、あるいは自分を見つける──そんな瞬間の訪れを楽しむ貴重な3週間の特集上映です。

開催概要

『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』展開催記念特集上映

『明かりが消えたら目をひらいて』

会期:8/7(金)〜8/27(木)限定開催 

一般・シニア ¥1,500/学生、障がい者手帳をお持ちの方 ¥1,000(税込)

★『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』展半券ご提示で各料金が¥200引き

※特別興行につきサービスデー、その他各種割引は適用外

会場:Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 

 HP: https://www.bunkamura.co.jp/cinema_miyashita/

プログラムA、B:ムーヴィング・イメージズ──片山真理、川内倫子、小松浩子、野口里佳、細倉真弓、やなぎみわ

Bunkamuraザ・ミュージアムによる『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』に出展中の片山真理、川内倫子、小松浩子、野口里佳、やなぎみわ、そしてBunkamura Gallery 8/『STILL/LIFE 静寂の余韻に』に出展の細倉真弓──これまで展覧会等で積極的に映像作品を発表してきた写真家たちの映像作品を、映画館の暗闇で見つめる上映プログラム。 それぞれの光、像が、それぞれのリズムで運動し、こちらに向かってくる。

プログラムC:震えている──山城知佳子作品集

写真、ビデオ、パフォーマンスを駆使しながら、2000年代から精力的に活動を続ける山城知佳子。類まれな魅力を放つその傑作群の中から、今回の上映のためにセレクトされた6作品を特別上映。身体、声、風景……画面に映る無数の「ふるえ」を媒介に、記憶と物語が現れてはなにかを残していく。それを見つめる私たちも震え、共振する。

プログラムD、E:そこにカメラがある──ホン・ダイェ、シャンタル・アケルマン

受験を控えた高校3年から大学卒業までの8年間、自分と友人たちにカメラを向け続けたホン・ダイェ。友人マンゴルトが撮ったNYの風景にあわせて、母からの手紙を読み上げる自らの孤独を刻んだシャンタル・アケルマン──それぞれのシネアストがそれぞれの切実さとともにカメラを手に取り、自らと世界を見つめようとした2作品を特別上映。

プログラムF:私もあなたを見よう──見返すまなざし

ふだん「見られる」側であった伝説的女優デルフィーヌ・セリッグが自らカメラを握り、23人の女優たちにインタビューをする『美しく、黙りなさい』(1976)の公開を記念して、デルフィーヌ・セリッグと、ビデオ・アーティストのキャロル・ルッソプロスの出逢いと70年代のフェミニズム運動の核心に迫るドキュメンタリー『デルフィーヌとキャロル』を特別上映。

上映作品詳細

プログラムA(約61分):

片山真理

『my way』(2024/3:44(仮))

© Mari Katayama Courtesy of Galerie Suzanne Tarasieve, Paris, Yutaka Kikutake Gallery, and Mari Katayama Studio.

片山真理が2011年に始めたアートプロジェクト《High Heel Project》のために制作された映像作品。本プロジェクトでは、義足のためのハイヒールを制作し、自ら歩き、歌い、作品を発表する実践を通して、「誰もが憧れや理想を持ち、それを自由に選択できる社会とは何か」を問い続ける。ハイヒールは特別なものではなく、一人ひとりが当たり前に選べる選択肢の象徴として位置付けられている。

野口里佳

『夜の星へ』(2015/27:34)

©Noguchi Rika

当時拠点としていたベルリンで、野口が日常的に利用していたバスの車窓から見える夜の街灯りを撮影した2014年の同名の写真シリーズから生まれた映像作品。翌年、その写真を撮影したのと同じルートを動画で記録したもので、野口にとって初の本格的な映像作品となった。ビルの明かり、車のライト、街灯──まるで宇宙の星々のように輝くベルリンの街の風景が、光のかたまりとなって映し出される。

『道』(2020年撮影/2025年編集/6:06)

©Noguchi Rika

冬の札幌を訪れた野口が、ホテルの窓から見える札幌駅前の広場を撮影した映像作品。野口はこの作品について次のように語っている。「雪が夜から降りはじめ、ホテルの窓から駅前の広場を眺めていた。朝になると道具を持った男性が真っ白い雪の上に道を作りはじめた。雪の上で直線と曲線が交わり、その上を人々が歩いていく。今夜また雪が降れば、この道は消えてしまうのだろう。そしてまた朝が来て新しい道ができるのだろう。そうやって毎日は続いていくのだと思った。」

細倉真弓

『NEWSKIN#25ttt』(2019/7:10)

©︎Mayumi Hosokura

「サイボーグ・フェミニズム」などで知られるダナ・ハラウェイの文章に深い影響を受け制作されたという「NEW SKIN」シリーズの名が冠された映像作品。デジタルスキャナーを主たるカメラとして扱い、ゲイ雑誌の切り抜き、ファウンド・セルフィー、男性のポートレート写真に、細倉が友人や撮影するモデルと交わした会話などを織り込みながらコラージュを形成し、そこから刻まれた記憶を立ち昇らせる。

『digitalis』(2021/2026/16:48)

©︎Mayumi Hosokura

日々、細倉が撮りためてきた写真をコラージュした一枚の巨大なイメージの中を、カメラがゆっくりとスクロールしていく映像作品。イメージ自体には細倉の視点が反映されている一方で、映像のゆっくりとした、というよりも遅すぎる横移動は、焦れた鑑賞者の目線のさまよいを促す。単なる映像とも写真とも言い難い本作は、静止している写真をスクロールさせることによって、わたしたちの目がその遅さに耐えられないということを気づかせる。今回の特集上映のために制作されたエディション。

プログラムB(約85分):

川内倫子

『as it is』(2020/21:59)

©︎ Rinko Kawauchi

川内自身の出産から約3年間、子育ての中で出会った子どもの姿や身近な風景を撮りためて構成した写真集『as it is』とあわせて制作された映像作品。写真集『as it is』は、これまで初写真集『うたたね』(2001年)から20年という歳月の中で、日常の出来事から外の世界へとまなざしを向けながら、近作『Halo』(2017年)では遠い宇宙を感じさせるイメージまでをも切り開いてきた川内が、もう一度、自身の子どもや家族とともに目の前の日常風景を見つめ直し、原点に立ち返るものであり、その「見つめ直す」まなざしが映像にも深く刻まれている。

小松浩子

『人格的自律処理』(2017/10:05/8mmフィルムをビデオ化、モノクロ、サイレント)

©Hiroko Komatsu, courtesy MEM

武蔵野美術大学が運営するgallery αMにて、光田ゆり氏がゲストキュレーターで企画した、連続展「鏡と穴-彫刻と写真の界面」での小松の個展会場で撮影。8×10インチのプリント3,200点以上、270メートルに及ぶ印画紙のロール、フィルム作品、オブジェなどを展示する大規模なインスタレーション内を映した。この個展で、小松は2018年に木村伊兵衛写真賞を受賞した。

『内包浸透現象』(2019/7:30/8mmフィルムをビデオ化、モノクロ、サイレント)

©Hiroko Komatsu, courtesy MEM

埼玉県立近代美術館で開催されたグループ展『DECODE/出来事と記録-ポスト工業化社会の美術』で展示したインスタレーションを撮影。小松がインスタレーションを8mmフィルムで撮影するのは『「懐古主義(趣味)」からではなく、写真と8mm映画の共通項であるフィルムで撮影された映像の粒子の物質性から』(*)であると言い、その物質性はインスタレーションでも一貫して重要な要素となっている。*小松浩子「8mm」

『Silent Sound』(2020/15:19/8mmフィルムをビデオ化、モノクロ、サイレント)

©Hiroko Komatsu, courtesy MEM

3つのライブ演奏を、小松が現場で8mmフィルムで撮影。ライブ演奏の記録にもかかわらず、無声映画であるため、通常のドキュメンタリーではなく、工業地帯を主題にした他の小松作品同様、名前を剥ぎ取られた抽象的な光景を扱った実験映画である。ライブコンサートの要である音ばかりか、演奏者、場所、時代等、イベントを特定するさまざまな要素が取り払われている。本作を収録したDVDを含むオブジェ的な写真集『Silent Sound』を2021年に刊行している。

『Double Exposure』(2023/7:18/8mmフィルムをビデオ化、モノクロ、サイレント)

©Hiroko Komatsu, courtesy MEM

一度撮影した8mmフィルムを巻き戻し、同じ現場を再度撮影してから現像した映像作品。同じ場所を撮影していても身体的な動きのズレによって、現在と過去や、現実と夢のように、二つの光景が重なり合う。主に自身のインスタレーション内部を撮影してきた小松にとって新たな試みの実験的な作品。

やなぎみわ

『黄泉平坂 〜排斥と遊戯〜』(2026/23:19)

©MIWA YANAGI

やなぎみわ作・演出による創作能の映像版。「男神イザナギ 黄泉平坂にいたりしとき 女神イザナミ 追いきたり」『古事記』によれば、火神を産んで亡くなった女神を追い、あの世に向かった男神は、変わり果てた妻の姿に怖れ逃げ出し、桃の実を投げつけたという。火や鉱物、土や水を産み出した女神は、死の国へ追いやられることになる。排斥された女神が、本来の姿を現して男神に対する姿を見どころとして、下掛宝生流ワキの名手である安田登が、男神イザナギを、稀有な身体表現者である渡邉尚が、女神イザナミを演じる。

プログラムC(約80分):

山城知佳子

『BORDER』(2003/8:37)

内と外が隔たれたフェンスの前を歩き、生と死が交差する墓庭で踊る自身の姿を映す。故郷・沖縄の歴史や風景と、そこにいる自分。過去から現在までの長い線を見つめながら飛び越えるように、短い時間のなかでそれらの意味を映し切る、山城の原点ともいえる作品。

 

『日本への旅』(2004/約6分)

©︎Chikako Yamashiro, Courtesy of Chikako Yamashiro Production

ある年の12月23日、山城が東京の国会議事堂の前で亀甲墓のパネルを掲げながら通行人に語りかける自身の姿を映した作品。音、映像、声、言いたかったはずの言葉が「ずれて」いくが、そのずれが醸し出す複雑さそのものが映されることで、こちらになにかを深く語りかけてくるように感じられる。

 

『あなたの声は私の喉を通った』(2009/7:00)

©︎Chikako Yamashiro, Courtesy of Chikako Yamashiro Production

男性がサイパン島での痛切な戦争経験を語る声にあわせ、画面にはそれを読み上げる女性の姿が映される。本来固有であるはずの他者の記憶と言葉。それらを誰かが継承することの困難を見つめながら、他者の記憶と言葉が身体を通ったときのなにが起きるか、その可能性も同時にたしかに映される。

『創造の発端』(2015/18:00)

©︎Chikako Yamashiro, Courtesy of Chikako Yamashiro Production

アーティスト集団ダムタイプの元メンバーであるパフォーマー、川口隆夫による『大野一雄について』の創作プロセスを記録した映画。川口は舞踏家の故・大野一雄の伝説的な舞台の記録映像から大野の動きを読み取り、自身の肉体で再現する。そして山城の視線は、立ち現れた、得体の知れない剥き出しの身体に密着する。

チンビン・ウエスタン『家族の表象』(2019/32:00)

©︎Chikako Yamashiro, Courtesy of Chikako Yamashiro Production

掘削され土が剥き出しになった山、土砂を運ぶトラックの列などの風景を背景に、老人と孫、両親と幼い子供の二組の家族の生活が描かれる。両親がそれぞれオペラと琉歌の旋律で掛け合いながら歌い上げるように、二項対立では説明し得ない現状が、ユーモアを交えた物語で説き起こされる、近年の代表作。

 

『ベラウの花』(2023/8:30)

©︎Chikako Yamashiro, Courtesy of Chikako Yamashiro Production

1人の老人は目の前の風景をどのように見ているのか。想像する糸口を得るため、山城は老人が幼少期を過ごしたパラオで撮影を行う。カメラを携え老人の記憶を辿ってパラオの島々を撮影し、自身の新たな眼差しを重ね合わせた映像は、老人の記憶でもない山城が創りだした新しい記憶のフィクションが立ち上がる。

 

プログラムD:ホン・ダイェ『私はトンボ』(2022/韓国/80分)

高校3年生の監督は、大学修学能力試験(CSAT)に直面する友人と自らの姿を撮り始める。受験の失敗、孤独だった浪人時代、何かが変わると信じて入学した大学生活……。時間の経過や状況の変化は何も変えてはくれず、不安と隣り合わせの毎日に疲弊した監督はいつしか自分を追い詰めるようになる。小さなことがきっかけで崩れ落ちる儚い感情は、誰かを傷つけたりもする。それでも、彼女たちがともに過ごした8年間を粘り強く撮り続け、映画を完成させた。友人、そして自分を救うための切実な想いがカメラを通して描かれる。

作品提供:認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭

プログラムE:シャンタル・アケルマン『家からの手紙』(1976/ベルギー、フランス/85分)

Collections CINEMATEK – ©Fondation Chantal Akerman

路地、大通りを走る車、駅のホームで電車を待つ人々、地下道……『ジャンヌ・ディエルマン』を共に作りあげた、アケルマンの盟友で撮影監督/写真家のバベット・マンゴルトが驚異的なまなざしで捉えた1970年代ニューヨークの荒涼とした街並みに、母が綴った手紙を読むアケルマン自身の声がかぶさる。固定ショットやトラベリングで映し出される公共のロケーションと、時折車の音に掻き消されながらも朗読される、愛情溢れる言葉の融合。都会の寂しさと、遠く離れた家族の距離がエレガントな情感を持って横たわる、映画という<手紙>。

配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム

プログラムF:カリスト・マクナルティー『デルフィーヌとキャロル』(2019/フランス 、スイス/68分)

©Les Films de la Butte-Alva Film-Le Centre audiovisual Simone de Beauvoir-INA-2018

『ジャンヌ・ディエルマン』等で知られる伝説的女優であり、『美しく、黙りなさい』で自らカメラを手にとってジェンダー差別に声をあげたデルフィーヌ・セリッグ。フランスで2台目(1台目を手に入れたのはジャン=リュック・ゴダール)のビデオカメラを手に入れ、やがてフランスにおけるビデオ・アートのパイオニア的存在となったキャロル・ルッソプロス。ふたりが70年代当時の新しいメディア=ビデオを使って、いかに女性解放の声をあげ、映像を記録していたかを伝えるドキュメンタリー。70年代当時のビデオ・アクティヴィストと女性史の関係について語る貴重な作品であるとともに、伝説的女優であったデルフィーヌがどのようにフェミニズム活動を深めていったのかを、数々の映画代表作のクリップや『美しく、黙りなさい』の舞台裏映像なども使い、興味深く見せてくれる。

提供:ムヴィオラ


<展覧会概要>

30名の女性写真家の表現を紹介する大規模写真展

『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』

2026年7月4日(土)~8月26日(水)

会場:ヒカリエホール (渋谷ヒカリエ9F)

https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/26_kiseki/