消えゆく音、変容する記憶――日本画の平面から立体、そして空間へ。画家・村岡貴美男の新作個展を銀座で開催

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消えゆく音、変容する記憶――日本画の平面から立体、そして空間へ。画家・村岡貴美男の新作個展を銀座で開催のメイン画像

ナカジマアート開廊30周年の締めくくりとして、日本画家・村岡貴美男の個展「記憶音」を開催します。「音」と「記憶」をテーマに制作した新作を、作家自身が構成する空間で展示いたします。

《流れ星》2026年 本展「記憶音」出品作品

ナカジマアート   

日本画を中心に展開する銀座のナカジマアート開廊30周年の締めくくりとして、日本画家・村岡貴美男の個展を開催いたします。完全新作としては7年ぶり、ナカジマアートでは9回目となる個展です。

本展のタイトルは「記憶音(キオクオン)」。
村岡は、ナカジマアートでの発表を常に新たな挑戦の場と位置づけ、日本画を基盤としながらも、多様な素材や技法を取り入れ平面表現にとどまらない作品世界を展開してきました。
本展で村岡が選んだテーマは「音」と「記憶」。時間の経過とともに消えゆく音の存在、変容し続ける記憶の在り方を、日本画ならではの緻密な筆致によって、静けさの奥に潜む緊張と不安をにじませながら、画面に描きとどめます。
日本画の枠組みを超え、卓越した技術と構想力によって生み出された作品群と、その中に施された静かに奏でられる繊細な音の仕掛け、また、作品展示にとどまらず作家自身が手がける展示空間の構成も本展の大きな見どころです。ぜひご注目ください。

《流れ星》2026年※イメージ写真
《蝶とカノン》2026年 本展出品作品(扉の開閉ができる)
  《天体観測》(部分)2026年 本展出品作品 

「記憶音」

時間と共に消えてゆく音。音は記憶や無意識に作用します。

ここにあるのは永遠性ではなく、変化し上書きされ続ける現在の記憶です。

描かれたイメージや構成は、物語的でありながら断片的であり不確かさを含んでいます。

そのことにより受け手によって常に異なる解釈を誘発する構造を持っています。

素材の選択も、それ自体が時間性を内包しており、 表現の手段であると同時に「時間を含んだもの」として存在しています。

これらの作品は私自身の内面を掘り下げる行為であると同時に、鑑賞者の中に眠る個人的な記憶や感情と接続するための触媒として機能するものです。

                                    村岡貴美男


海外でも注目される日本画家・村岡貴美男(むらおか・きみお)

村岡貴美男は1966年、京都府生まれ。東京藝術大学にて日本画を学び、日本美術院を拠点に活動。1997年の初入選以降、数々の賞を受賞し、2014年には日本美術院同人に推挙されるなど、現代日本画壇で注目を集める作家の一人です。

村岡の作品は、現実をそのまま描くのではなく、独自の色彩と構成によって再構築されます。空虚さを帯びた人物像や、古びたアンティーク、毒や棘をもつモチーフが組み合わされ、どこか不穏でありながらも美しい画面が立ち上がります。

それらは、観る者の記憶や感情を静かに揺さぶり、過去と現在が交錯するような感覚を生み出します。
一枚の絵でありながら、複数の時間や物語を想起させる点も特徴です。

2022年には初の作品集『村岡貴美男作品集 秘儀荘』(赤々舎)を日本語版・中国語版で刊行。さらに今年、スペインのアートブック出版社 The Guide Artists より画集『Kimio Muraoka』も刊行。また、ブルネイ王室からの依頼により、肖像画を手がけるなど、国外でも活動の場を広げています。

画家・村岡貴美男と「記憶音」展示作品

開催概要

展覧会名

村岡貴美男展 記憶音

会期

2026年4月10日(金)~23日(木) 11:00~18:30(会期中無休)

会場

ナカジマアート

〒104-0061 東京都中央区銀座5-5-9 アベビル3階・5階

TEL

03-3574-6008

HP

https://www.nakajima-art.com

入場料

無料


展覧会会場では過去作品の展示、図録やオリジナルグッズの販売も。

展示会場では、本展にあわせて制作された図録のほか、作家監修によるオリジナルグッズを数量限定で販売、期間限定のオンラインショップ(4月10日金曜日よりオープン予定)でも購入可能です。詳しくは、オンラインショップをご確認ください。ナカジマアートオンラインショップ

また、3階のメイン会場とは別に5階では過去作品をアーカイブブースとして展示します。
日本画の枠を超えた作品群も必見です。

《まじないの麒麟》2019年 個展「まじないの動物」展示作品
《曼荼羅華》2013年 個展「時間牢」展示作品

ナカジマアートでは、2006年の「更生保護表紙展」を皮切りに、2022年までに村岡貴美男の個展を計8回 開催してきました。これらの個展は、多様な素材を用い、平面や立体、さらには展示空間の構成に至るまで作家独自の世界観を展開、制作の可能性を広げながら作品は変化を続けています。


銀座の開廊30周年を迎えたナカジマアートについて

株式会社ナカジマアート は、銀座五丁目・西五番街にある画廊を拠点とし、絵画、特に日本画を中心に取り扱っております。

1995年の開廊以来、日本画の魅力を広く伝える場 として、巨匠から若手まで幅広い作家の作品を紹介してまいりました。開廊当初より、新作展を開催していた日本画家 堀文子をはじめ、片岡球子、平山郁夫 など、日本画の歴史を築いてきた作家の作品を扱ってきました。とくに、堀文子は生前毎年個展を開催、逝去後も画業80年の活動を発信するべく展覧会を開催しています。

近年では、若手作家の新たな挑戦の場として、企画展を開催し、次世代の美術業界を支える取り組みも行っております。昨年は、自身の個展は13年ぶりとなる、日本画家 松井冬子の新作展を開催し、大きな話題を呼びました。

2025年で開廊30周年を迎えたナカジマアート。これからも日本画の魅力を発信し、伝統と革新を共存させる画廊として歩んでまいります。

ナカジマアート