地球の力に変容する海洋プラスチック写真が捉える、物質の宇宙的時間を体験する展示

東條會館写真研究所では、写真家 柴田早理 による「COSMO PLASTICS」を開催します。
人間と自然の関係、環境の変容、そしてグローバル資本主義がもたらす影響を主題に作品制作を行う柴田は、2024年の KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 のサテライト、KG+SELECTで発表した「Anthropocene Plastics」により注目を集め、2025年に KYOTOGRAPHIE のポートフォリオレビューでRuinart Japan Award を受賞しました。本展は、本年のKYOTOGRAPHIE 2026の公式プログラム「Dotok Days」の会期にあわせ、「Anthropocene Plastics」からさらに撮影を重ね発展させた新作インスタレーションとして構成されます。
太古の動植物が数億年の時間をかけて地中で変化し生まれる石油。そしてその石油を原料として人間が生み出すプラスチックは、現代社会の生活から溢れ出し、海へと流れ出します。海洋を漂ったそれらは、風や波、太陽といった自然の作用によって少しずつ形を変え、やがて新しい有機物のような存在感を帯びた物質へと変容していきます。柴田はそうした断片を利尻島で採取し、島の多様な溶岩石の中に配置して写真として記録します。
そこには、人間と自然を対立的に捉える視点ではなく、人間の営みもまた地球の長い時間の流れの中にあるという感覚があります。光によって存在を写し取り、一瞬の時間と空間を切り取る写真というメディアは、人間の感覚を超えた時間のスケールの断片を私たちに示します。




アーティストステートメント
自然は美しい。しかし、自然の方は私のことを決して気に留めない。その距離感が好きなのだ。
浜辺を歩くと、波に揉まれたプラスチックが打ち上がっている。ある日、その中に自然物のように変形したものを見つけた。石のような形をしているのに水に浮き、おもちゃのような匂いを放っている。打ち上がるものの多くは、現代社会を構成する大量生産品だ。それらは海を漂い、地球の力に晒されるなかで、別の姿へと変容する。
プラスチックの原料である石油は、太古の生物に由来する。かつて生き物だったものがプラスチックとなり、再び地球に削り出され、ときに石や生き物のように変形している。それが汚染の現実であることは知っている。それでも私は、商品だったものが辿る壮大な旅を想像してしまう。拾い集めたそれらを溶岩の上に置き、ファインダーを覗く。
自然は美しい。だから私は、これらのプラスチックを美しいと思ってしまうのだろう。
展示概要
展覧会タイトル|KYOTOGRAPHIE 2026アソシエイテッドプログラム「COSMO PLASTICS」
作家名|柴田 早理 (Sari Shibata)
会期|2026年4月4日 (土)-6月7日 (日)
時間|13:00-18:30(木・金のみ-19:30)
Open|木・金・土・日・祝
Closed|月・火・水(祝日の場合Open)
入場料|無料
会場|東條會舘写真研究所(〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-12)
Instagram|@tojo_kaikan_photo_lab
アーティストプロフィール_柴田 早理|Sari Shibata
富山県南砺市の山あいに育ち、祖父のカメラで風景を撮影した経験から写真を始める。立教大学現代心理学部卒業後、大手IT企業の金融部門で勤務し、グローバル資本主義の構造に関心を持つ。2022年に夫婦で会社を設立。2025年、東京と南砺市の二拠点生活を開始し、古民家アートスペース「OSHITOPIA」を設立。能登半島地震を契機に、都市から見落とされる地方の視点を問い直す拠点として運営している。(https://sarishiba.studio.site)
ワークショップイベント_写真家とフィールドワーク
撮影地 北海道 利尻島での「森の生活」回想録イベント
2026年5月23日(金)15:00~
詳細・お申し込み Peatixにて(2026年4月6日(土)開始予定)
https://sarishibata0523.peatix.com
同時開催|KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭
展覧会タイトル|Dotok Days Ruinart Japan Award 2025 Winner Presented by Ruinart
作家名|柴田 早理 (Sari Shibata)
会期|2026年4月18日 (土)-5 月17日 (日)
時間|11 :00ー19 :00 (最終入場18 :30)
休館日|4月21日(火)/ 4月28日(火)/ 5月12日(火)
会場|ASPHODEL(京都府京都市東山区八坂新地末吉町99-10)
web|https://www.kyotographie.jp/programs/2026/sari-shibata/
セノグラフィ|小高未帆
会場施工|三田草平(有限会社スタジオアクア)
グラフィック|鎧雅也(Butter Inc.)
プリント|株式会社フラットラボ
協賛|KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 / Ruinart
主催・運営・企画|株式会社東條會館
お問い合わせ
E-mail info-photo-lab@tojo.co.jp
Instagram @tojo_kaikan_photo_lab
Web https://photo-lab.tojo.co.jp/

東條會館について
1912年麹町に写真スタジオを開業して以来、株式会社東條會館は、お客様の人生の祝事に立ち会って参りました。現在でも、写真スタジオTojo Photo Studio、ビューティーサロンMaison de Beauteなどを運営し、その時は100年余を数えます。
本会場「東條會館写真研究所」は、その名の通り、写真の制作に必要となる感光材料や印画紙の研究をはじめ、数多くの現像・プリント・修正作業が手作業で行われていた歴史ある建物です。デジタル写真が中心となった今日でも、受け継がれた技術と先人たちの想いを伝えるべく、この場所を基点に、東條会館は活動を続けています。

Tojo Photo Studio
東條會館の創業当初から続く写真スタジオ。創業者、東條卯作が常々口にしていた「お客様の幸せな瞬間の唯一の目撃者である」ということを肝に命じ撮影してきた肖像写真は、皇室や政財界でも多くの方にご愛顧いただいてまいりました。人生の様々な記念日をかけがえのない思い出として残せるよう、レンタル衣装、ヘア、メイク、写真撮影までお一人お一人に丁寧にご提案しています。マタニティ、お宮参り、七五三、お受験、成人式、ご結婚等、世代と時を超えてご利用いただけます。また、現在では貴重となった8×10inchの大型フィルムカメラでの撮影も承っております。
