陶と和紙が描き出す「何者かになる」旅路 | 川井雄仁 & アレクサ・クミコ・ハタナカ二人展「ついたよ : Becoming by Making」をKOTARO NUKAGA(六本木)で開催

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陶と和紙が描き出す「何者かになる」旅路 | 川井雄仁 & アレクサ・クミコ・ハタナカ二人展「ついたよ : Becoming by Making」をKOTARO NUKAGA(六本木)で開催のメイン画像

2026年3月14日(土)– 4月10日(金)

KOTARO NUKAGA(六本木)では、2026年3月14日(土)から4月10日(金)まで、川井雄仁アレクサ・クミコ・ハタナカによる二人展「ついたよ: Becoming by Making」を開催します。

ポップでダイナミックな色と形をまといながら、粘土の可塑性と焼成の偶然性に向き合う川井。染め、刷り、縫い、重ねることで、和紙を第二の皮膚のように扱い、身体の経験を映し出すハタナカ。

「ついたよ」は、「どこかに到着した」ことと同時に、待ち合わせの相手と「これから出発する」という可能性を内包する言葉です。粘土をこね、紙を染め、つくり続けることで自らも変容をしつづけてきた二人の実践が、本展では「到着」と「出発」を往復する開かれた地点として交差します。

2026年5月にヴェネチアでの展示を予定している両名の作品が作り出す空間をぜひご高覧ください。

開催概要

会期: 2026年3月14日(土)– 4月10日(金)

開廊時間: 11:30 – 18:00(火 – 土)

※日月祝休廊

※特別休廊 3月21日(土)

オープニングレセプション: 
 2026年3月14日(土)16:00 – 18:00

 ※川井雄仁、アレクサ・クミコ・ハタナカが在廊

会場: KOTARO NUKAGA(六本木)

   〒106-0032 東京都港区六本木6丁目6−9 ピラミデビル 2F

   

展覧会の見どころ

(1)ヴェネチア展示アーティスト2名の作品が作り出す空間

川井雄仁《りんどう湖ファミリー牧場》2026
川井雄仁《Mysterious Skin》2026

粘土の可塑性と焼成がもたらす偶然性に向き合い、ポップでダイナミックな色と形を立ち上げる川井雄仁。10代や20代の頃に刷り込まれたポップカルチャーへの重くて脆い憧れと、美醜やユーモア、違和感が無秩序に現れる作風は、砂糖菓子のような可愛らしさと居心地の悪さの両方を孕んでいます。作品はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館や国立工芸館に収蔵されており、近年は国際的に注目されています。

アレクサ・クミコ・ハタナカ《Noguchi Plaza Noren》(左)、《Ohayo Radio Noren》(右)2023

日系カナダ人のアレクサ・クミコ・ハタナカは、染め、刷り、縫い、重ねるといった手仕事を通して和紙を「第二の皮膚」のように用い、身体の感覚や経験を作品へと写し取ります。大英博物館での展示やカナダ国立美術館の収蔵を経て、2025年にはカナダ大使館で二人展を開催したほか、2026年9月には前橋ビエンナーレへの参加が予定されるなど、国内での認知度も高まっています。

両者は2026年5月にヴェネチアでの展示を予定しており、川井は東京藝術大学名誉教授・金沢21世紀美術館特任館長 秋元雄史氏キュレーションのグループ展「身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ」に、ハタナカは世界的に活躍するキュレーター、コヨ・クオのチームがキュレーションを手がけた第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に参加します。

(2)「つくる」(Making)ことで「なっていく」(Becoming): アーティストの軌跡を辿る

川井雄仁《Louis Vuitton by Marc Jacobs》2026
アレクサ・クミコ・ハタナカ《Hazmat (Obachan and The Great Kantō)》2022

本展では、陶と和紙という異なる素材を起点にしながら、つくる行為そのものを通じて自身を変容させていく二人の実践を紹介します。展覧会タイトルの「ついたよ」は、「どこかに到着した」という報告であると同時に、待ち合わせの相手と「これから出発する」というニュアンスを内包する言葉です。粘土をこね、紙を染め、つくり続けてきた(Making)二人の作品を展示する本展では、作家自身が「なっていく」(Becoming)道のりをご覧いただけます。

展覧会ステートメント

アブダビ、東京を拠点に活動するインディペンデント・キュレーターで、ルーヴル・アブダビでのグループ展「Art Here 2025: Shadows」のキュレーションも手がけたソフィー・マユコ・アルニ氏が本展に寄せたテキストを下記リンクに掲載しております。

川井雄仁 プロフィール

1984年 茨城県生まれ。
2007年 チェルシー・カレッジ・オブ・アート(UAL)BA(Hons)ファインアート科 卒業、2018年 茨城県立笠間陶芸大学校研究科 卒業。現在は茨城県にて制作を行っている。ロンドンで現代アートを学んだのちに、陶芸というメディウムと出会ったことで、創造性が解放され突破口を見出す体験をした。ダイナミックな色と形が特徴の陶芸作品は、美醜やユーモア、違和感が無秩序に交錯した自己の内面を重層的に表出している。まるで溶けているかのように、崩れかけの状態で積み上げられた土の塊は、粘土が可塑性を失うまでの限られた時間の中での思索の軌跡を留めている。川井が10代や20代の頃に刷り込まれたポップカルチャーへの重くて脆い憧憬と、それらに対する実存との乖離性という二つの面を作品は纏い、砂糖菓子のような可愛らしさと居心地の悪さの両方を孕んでいる。KOTARO NUKAGAでは個展として、2022年に「粒の数だけ 抱きしめて」、2025年に「神様、もう少しだけ」を開催。作品はそのほかに、パナソニック汐留美術館(東京 / 日本)、益子陶芸美術館(栃木 / 日本)、Steve Turner Gallery(ロサンゼルス / アメリカ)、Newchild Gallery(アントワープ / ベルギー)などで展示されてきた。コレクションとして、国立工芸館(石川 / 日本)、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン / イギリス)に収蔵されている。

アレクサ・クミコ・ハタナカ プロフィール

1988年 カナダ トロント生まれ。
日系カナダ人かつクィア・アーティストであり、双極性障害とともに生きる経験が作品制作の基盤となる。主に紙を用い、版画、インクドローイング、草木染めを縫製と組み合わせ、伝統的な紙の技法と素材を現代的に再解釈する。これらはハタナカの彫刻、大規模な版画インスタレーション、着用可能な彫刻立体作品として現れ、気候変動や精神的健康、生存といった問いに応答する。風景や魚、水域のモチーフは苦しみやしなやかさ、つながり、喜びを語る。ハタナカの実践には、10年にわたる極北でのコミュニティに根ざしたプロジェクトや、紙子(和紙で衣服を縫う慣習)を取り入れて再解釈する共同パフォーマンスが挙げられる。個人および共同制作の作品は、オンタリオ美術館、大英博物館、トロント・ビエンナーレなどで展示された。その他、コレクションとしてカナダ国立美術館(カナダ)、滋賀県立美術館(日本)、マテリアル・アート・アンド・デザイン博物館(アメリカ)に収蔵。