会期:2026年7月11日(土)~9月6日(日)/会場:大阪市立美術館

歌川国芳の出世作「通俗水滸」伝シリーズ全74図を一挙公開!
水滸伝の舞台を彩る中国美術、幽玄の世界も味わえる。
2026年7月11日(土)~9月6日(日)の期間、大阪市立美術館にて、大阪市立美術館開館90周年記念特別展「水滸伝」を開催いたします。
中国四大奇書の一つ『水滸伝』は、英雄たちの反逆を描く、北宋時代の史実をもとに成立した小説です。12世紀、徽宗皇帝の治世を舞台に、腐敗した政権に不満を抱いた宋江率いる108人の豪傑が、梁山泊に集う物語です。
『水滸伝』は江戸時代の日本でも一大ブームとなり、曲亭馬琴や葛飾北斎、歌川国芳らの手によって、新たな物語や美術表現が展開していきました。現代でも、小説や漫画、映画、ドラマ、ゲームなど、多彩なメディアで広く親しまれています。
本展は『水滸伝』にまつわる中国および日本の美術と資料を紹介するものです。あわせて、英雄たちの生き様や価値観がどのように描かれ、受け取られてきたのかをたどり、『水滸伝』が今なお人々を惹きつける理由を探ります。
▶展覧会公式サイトはこちら
https://www.yomiuri-osaka.com/lp/suikoden/
展示構成(予定)
第一章 梁山泊へようこそ
第二章 豪傑たちの生きた時代
第三章 武侠小説・水滸伝の誕生と流行
第四章 拡張する英雄像
第五章 終わりなき水滸伝ブーム
[更新]展示作品
|国芳の出世作、刺青が彩る英雄像|
歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壱人)》江戸時代・19世紀 個人蔵
国芳の出世作としても、また日本における水滸伝ブームのきっかけの一つとしても重要な作品。当時日本に流入した中国の水滸伝図像を摂取しつつ、国芳ならではの創意にあふれた傑作である。108人の全図は確認されていないが、74図が現存する。



|嵐の山水を緻密な筆致で描き出した北宋絵画の名品|
燕文貴《江山楼観図》北宋・10-11世紀 大阪市立美術館
太宗朝の宮廷画家。相国寺壁画制作に参加した。相国寺は北宋の都開封の最大の寺院で魯智深が菜園番をつとめた場所。

|北宋の都・開封の春の賑わい|
重要文化財 趙浙《清明上河図》(部分) 明時代・万暦5年(1577) 林原美術館
春の到来を喜ぶ清明節の街の様子が描かれる。原本は北宋時代の作品で、明時代に数多くの模本が作られた。なかでも本作は、質の高さと作者名および制作年が記される点で、非常に貴重な作。


|伸びやかで力強い黄庭堅晩年の代表作|
重要文化財 黄庭堅《伏波神祠詩巻》(部分) 北宋時代・建中靖国元年(1101) 永青文庫
水滸伝でも名前の登場する北宋の四大書家のひとり、黄庭堅の作。唐の詩人・劉禹錫の詩「経伏波神祠詩」を書いたもので、黄庭堅晩年の書風が表れた代表作。

|宮廷に愛された汝窯、静寂の美|
《青磁 水仙盆》汝窯 北宋時代・11世紀末–12世紀初 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘
北宋末に宮廷用青磁を焼いた汝窯のやきもので、現存例は世界でもわずか。本作は天青色(澄んだ空の色)の美しい名品である。

|北斎の本領発揮!構図が生むドラマ|
葛飾北斎《新編水滸画伝》巻之一 江戸時代・文化2年(1805) 浦上蒼穹堂
曲亭馬琴の水滸伝(初編)の挿絵。モノトーンと限られた色数で迫力ある場面を生み出し、江戸の水滸伝ファンを増やした。

|劇画の巨匠(『ゴルゴ13』)さいとう・たかをが描く、迫力の人間ドラマ|
さいとう・たかを《『水滸伝』第2巻 原画》 さいとう・プロダクション
和歌山出身、大阪育ちのさいとう・たかを。キャラクターの生きざまが表れた瞳や表情にも注目してほしい。

担当学芸員による本展の魅力!
本展は、水滸伝をテーマにしたこれまでにない展覧会です。見どころは、中国絵画と浮世絵の名品の競演にあります。北宋時代の作品を通じて徽宗皇帝や梁山泊の好漢たちの生きた世界に浸り、さらに江戸時代の浮世絵から、水滸伝に熱中した当時の人々のまなざしを追体験できます。まさに名品に囲まれた「水滸伝テーマパーク」とも言える空間です。
水滸伝を読んだことがない方にも、ぜひご来館いただきたいと思います。詳しい知識がなくても問題ありません。少しでも面白そうと思われたら、ぜひ会場で水滸伝の世界に触れてみてください。
個人的なおすすめは中国の書跡です。物語では宋江を救うため豪傑たちが筆跡をまねて書の名人であった蔡京になりすまします。梁山泊の豪傑たちは、荒くれもののイメージがありますが、当時の名筆の書風をまねるほどの知識人もいたんです。展示する北宋の名品から、どのような書風で書いたのかなど、物語の細部まで想像が膨らむはず。もちろん、物語を知らなくても、純粋に書の美を楽しんでいただけますよ。

大阪市立美術館 学芸課 八田 真理子
開催概要
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展覧会名:大阪市立美術館開館90周年記念特別展「水滸伝」
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会期:2026年7月11日(土)~9月6日(日)
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休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)※ただし8月10日は開館
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開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
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会場:大阪市立美術館 [〒543-0063 大阪市天王寺区茶臼山町1-82]
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料金:[当日]一般 2,000円、高大生 1,400円、小中生 500円
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主催:大阪市立美術館、読売新聞社、WOWOW
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協賛:岩谷産業、須賀工業、大和ハウス工業、非破壊検査
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協力:ギャラリー紅屋、東京大学アジア研究図書館
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美術館公式HP:https://www.osaka-art-museum.jp/
大阪市立美術館公式X:@ocmfa_since1936
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お問合せ:大阪市総合コールセンター なにわコール 06-4301-7285(午前8時~午後9時、年中無休)
※会期中、一部の作品の展示替えを行います。
※展示作品、会期などについては諸事情により変更する場合があります。展示期間、観覧料等最新情報は展覧会公式サイトでご確認ください。
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巡回:2026年9月19日(土)~11月8日(日) 東京ステーションギャラリー
