層雲峡温泉街初のアーティスト・イン・レジデンス企画の集大成「氷点下での湯ごもり、それぞれの眼差し」をテーマに、ホテル雲井にて作品展示を開催

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株式会社水星(代表:龍崎翔子)が運営する湯治宿「ホテル雲井」にて、初となるアーティスト・イン・レジデンス企画「Artist in “Ice” Residence 2026 -湯治宿のふゆごもり-」の制作成果をまとめた作品展示を開催いたします。展示期間は3月8日まで。企画に共感いただいた4名のアーティストに氷点下が続く1月末よりホテル雲井に滞在いただき、湯治宿での湯ごもりと厳しくも美しい自然のなかで、約2週間の制作を行っていただきました。制作いただいた作品は、館内の複数箇所にて展示・販売いたします。

撮影:川村喜一

展示背景

本企画は、単にホテルに滞在し作品を制作するものではなく、氷点下という過酷な環境と湯ごもりの対称性を感じとり、身体感覚や思考の変化を伴いながら創作に挑む試みとして位置づけています。結果、この地の自然や歴史に思いを馳せることではじめて見えた視点、またアーティスト同士のコミュニケーションから生まれた気づきなどが生かされた作品が数多く生まれました。そうした背景を踏まえ、「氷点下での湯ごもり、それぞれの眼差し」をテーマに、アーティストの皆様と相談しながら、それぞれの作品を館内のいたるところに展示しました。

※滞在の様子や制作の裏側をまとめた座談会(note)はこちら

主な展示作品について

「Aria in Cloud」

この場にふさわしい写真のたたずまいを考えていた時、ホテル雲井に眠っていた昔のお盆や、私たちをあたためてくれる温泉の桶に出会いました。うつわに張った水が景色をうつし、やがて氷となるように、層雲峡の時の断片を綴じました。

 

川村喜一 / 写真家

写真家・狩猟者。東京芸術大学大学院修了。1990年東京都出身、北海道斜里町在住。自然と表現、生命と生活を学び直している。主な作品集に『UPASKUMA』玄光社、展覧会に東京都美術館『大地に耳をすます』などがある。

  

「黒岳5合目より」

北海道の十勝に移住してきて、なぜ昔の人はこのような場所を拓こうとしたのだろうと思うことがよくある。初めて層雲峡に降り立ったときもそうだった。あれから何年か経ち、冬の黒岳からみた層雲峡は、大雪の山々にまるで護られているようだった。もしかしたらみんな何か護りたいものがあって北の大地を拓いてきたのかも知れないと思った。

おおばさくら / 画家

埼玉県川越市出身、大樹町在住。「記憶の輪郭に触れるような情景」をキャッチコピーに掲げ、日々のなかで見かけた「誰かに言いたい、けど独り占めしていたい」そんな美しい瞬間と存在を描いている。

  

「(リ)カヴァーする」

層雲峡で書いた散文詩を、薄いアイヌ語集で逐語置換し、訳せない語を空白として残したZINE。空白は失われた言語層を可視化し、薄紙の日本語が下層の断片を覆いながら透かす。覆う/残す矛盾を造本で固定する。 

今宿未悠 / 詩人・パフォーマンスアーティスト

2000年生まれ、東京都拠点。詩、パフォーマンス、メディアアートの領域において、広義の皮膚感覚(熱や圧迫、振動、よろめき等)を起点とした自己の統合、および他者/環境との関係性の再構築をテーマに活動する。ひとの身体の輪郭を揺さぶるような装置や状況を構築し、 自身や他者を巻き込む実践を通して、 新たなコミュニケーションへの回路をひらくことを試みている。

  

「層雲峡の川で遊ぶ」

流星の滝の近くを流れる川では、石に積もった雪が気温とともに溶け、まんまるのフォルムへと変わっていた。 その姿はとても愛らしく、眺めているだけで心が癒される。真っ白な雪は光を反射し、にこにこと微笑んでいるかのように川の上に佇んでいた。 そんな場所に、無邪気に遊ぶ妖精の姿が自然とイメージの中に現れた。

Shibi / 画家

神奈川県在住。20代にワーキングホリデーやバックパッカーとして海外を巡り、多様な文化や人々との出会いから大きな刺激を受ける。30代で登山と出会い、さまざまな山の遊びに挑戦しながら、現在もアクティブに活動中。旅先での出会いや風景は物語として私の内に残り、やがて作品へとつながっていきます。

  

主催者コメント

層雲峡温泉街、そしてホテル雲井にとっても、はじめてのアーティスト・イン・レジデンスでした。外部の視点が地域に滞在し、時間をかけて関わることで生まれる表現は、この土地の新たな解釈へとつながると信じています。厳しくも美しい氷点下の環境を前向きに受け止めてくださったアーティストの皆様の滞在は、それぞれの作品の中に静かに、そして確かに映し出されています。土地の歴史に思いを馳せる視点、雲井の歩みと層雲峡の歴史を重ね合わせる試み。大雪山へと繰り返し足を運び、人とのつながりを育む姿や、氷点下の美しさと湯ごもりの温かさを往復する表現も生まれました。本展示は、多くの方々の支えとアーティストの滞在の重なりによってかたちになった、今季限りの表現です。季節が移ろう前にぜひ足をお運びいただき、それぞれの滞在の軌跡を辿っていただけますと幸いです。

 

展示概要

「Artist in “Ice” Residence 2026 -湯治宿のふゆごもり-」企画展示

・展示場所:ホテル雲井(フロント、ビリヤードラウンジ、小広間、客室など、館内の複数箇所)

・展示期間:2月23日(月・祝)〜3月8日(日)

・参加アーティスト:川村喜一 / おおばさくら / 今宿未悠 / Shibi

  

ホテル雲井について

ホテル雲井(公式サイト:https://www.hotelkumoi.com/)は、大雪山の麓、層雲峡温泉に佇む温泉宿。古くからこの地で営まれてきた温泉宿・ホテル雲井を、「煙に巻かれた湯治宿」をコンセプトに2025年9月にリニューアルオープンしました。市街の喧騒から遠く離れた山間地には、日々表情を変える雲模様と山々の逞しい岩肌、そして新緑や紅葉、雪景色など豊かな自然があり、100%源泉かけ流しの硫黄泉が楽しめます。

各種問い合わせ先

ホテル雲井 Artist in “Ice” Residence 2026 プロジェクト担当:佐藤(sounkyo.kumoi@gmail.com)