2025年度のCCBTアーティスト・フェロー5名による発表が本格化

■2025年度CCBTアーティスト・フェロー上田麻希、岸裕真、土井樹、藤嶋咲子、山内祥太がCCBTと協働。活動テーマ「これからのコモンズ」を起点に5つのプロジェクトを展開中。
■アーティスト・フェローによる発表は、CCBTに加え、夢の島熱帯植物館、海の森公園、千駄木エリア、目黒エリアなど、都内の公共空間を舞台に3月まで順次開催。
■関連するシンポジウム、トーク、ワークショップ、ポッドキャストなど、制作プロセスをひらくイベントや取組も多数実施。3月22日には、全アーティスト・フェローと、併走したメンターが集合し、活動の全貌を発信。
これまでの活動の集大成を披露
各アーティスト・フェローによる作品展示やシンポジウムなどを順次開催
アートとデジタルテクノロジーを通じて人々の創造性を社会に発揮するための活動拠点「シビック・ク リエイティブ・ベース東京[CCBT]」(以下、CCBT)は、2025年12月、渋谷から原宿に移転しまし た。原宿でのリニューアルオープンにあたっては、「都市は、想像力を要求する。」をキーワードに、 全ての人が持ち合わせている「想像力」を喚起する多彩なプログラムを展開しています。
その中核を担い、CCBTを象徴するプログラムである「アート・インキュベーション」では、2025年度 もアーティスト・フェロー5名(上田麻希、岸裕真、土井樹、藤嶋咲子、山内祥太)と協働し、作品展示や関連するトーク、制作プロセスをひらくイベント等を、2026年1月から3月の期間に、CCBTおよび都内各所で順次開催します。
本年度の活動テーマ「これからのコモンズ」を思考する意欲的な5つのプロジェクトから、多様な対象との共生・共栄のあり方を考え、ともに新たな世界像を想像する場にぜひ参加してみてください。
※開催情報は順次発表予定。
パンフレット
https://ccbt.rekibun.or.jp/wp-content/uploads/2026/01/CCBT_aip_panf.pdf
2025年度活動テーマ「これからのコモンズ」
テクノロジーの発展が拓いた新たな活動空間「デジタル・コモンズ」、地球環境や生態系の自然資源「グローバル・コモンズ」等の考え方を前提に、これからの社会や個人の在り方を考えるための「これからのコモンズ」を思考するアイデアや姿勢、ナラティブを、市民を巻き込んで実験・触発(インスパイア)する、あらゆるクリエイティブな企画・表現活動。
CCBTアーティスト・フェロー/アート・インキュベーション・プログラムとは
クリエイターに新たな創作活動の機会を提供し、そのプロセスを市民(シビック)に開放することで、都市をより良く変える表現・探求・アクションの創造を目指すプログラム。公募・選考によって選ばれる5組のクリエイターは、「CCBTアーティスト・フェロー」として、企画の具体化と発表、創作過程の公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、CCBTのパートナーとして活動します。
夜の夢の島熱帯植物館での嗅覚体験や、千駄木の街角に現れるインスタレーションを、1月末より順次開催
上田麻希「Olfacto-Politics: The Air as a Medium(嗅覚の力学 〜メディウムとしての空気〜)」
嗅覚アーティスト・上田麻希が、夜の夢の島熱帯植物館で3日間限定の展覧会を開催。 2月には、CCBTでプロジェクトの全貌を公開する展示も。
20年以上にわたり、世界の嗅覚アートシーンを牽引してきた上田麻希が、CCBTでは「教育」「リサーチ」「表現」の3つのフェーズから、匂いを手がかりに、わたしたちが共有する空気とその循環を可視化し、体験化するプロジェクトを展開。2025年11月には、公募で集まった16名の参加者とともに、嗅覚にまつわるレクチャーや、ワークショップ等を3日間にわたり行う集中ゼミ「SMELL LAB」やシンポジウムを開催し、嗅覚の知性とレジリエンスを養う場を創出。プロジェクト最後のフェーズとなる「表現」では、夢の島熱帯植物館とCCBTで展示を開催します。

展覧会「Aerosculpture ver.2『匂う森』」
会期:2026年1月30日(金)~2月1日(日)
18:00~20:00 ※最終入館19:30
会場:夢の島熱帯植物館(東京都江東区夢の島2-1-2)
※新木場駅より無料シャトルバスを運行予定
観覧料:無料(※入館料別途)
共催:夢の島熱帯植物館

外界から隔てられた夜のバイオームを舞台に「共生」をテーマとした体験型インスタレーションを発表。会場となる夢の島熱帯植物館の自然環境そのものに、上田が人工的につくり出す仕掛けを重ね合わせることで、闇夜の森で、匂い・風・音・動きが交差し、「彫刻としての空気」が立ち上がります。匂いが信号やデータであり世界とつながるための情報源である動植物のように、嗅覚を駆使して探検してみてください。夜の森が新たな嗅覚経験を創出します。 さらに、開催期間中は、参加者自身が展示空間の「空気」へ関与できるツールとしての香りを作るワークショップも開催。
関連ワークショップ
「メッセージとしての香り ̶ 交信フレグランス」
受付時間:17:00- / 17:30- / 18:00- / 18:30- / 19:00-
(各回30分程度、予約不要、先着順)
会場:夢の島熱帯植物館

展覧会「嗅覚の力学 〜メディウムとしての空気〜」
2025年度を通じて継続的な活動を続けてきた取組「OlfactoPolitics: The Air as a Medium(嗅覚の力学 ~メディウムとしての空気~)」の全貌を一挙に公開。プロジェクトの軌跡を公開するとともに、リコー社が開発したデジタル嗅覚(FAIMS)を用いて渋谷を計測したデータから、嗅覚的なAR体験を展開します。匂いを情報として読み解く知性を育みながら、Olfacto–Politics(嗅覚の力学)を共に思索してください。

会期:2026年2月13日(金)~2026年3月1日(日) 13:00~19:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
観覧料:無料
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)
上田麻希(嗅覚アーティスト)

2005年以来、嗅覚とアートの融合を試み、匂いをマテリアルとした作品を発表。欧米の嗅覚アート界の先駆者的アーティストのひとりとなる。2009年よりオランダ王立美術大学など世界各地にて教鞭を取り、多くの嗅覚アーティストを輩出。世界的な嗅覚アートの殿堂、アート・アンド・オルファクション・アワード・エキスペリメンタル・カテゴリーに5回連続ノミネート。2022年には最優秀賞を受賞。令和6年度文化庁長官表彰。現在は石垣島に嗅覚アート研究所を構え、嗅覚教育や嗅覚ツーリズムに取り組む傍ら、世界各地で展示やワークショップを展開する。
土井樹「Weather」
「微気象(micro climate)」に焦点を当てた、市民参加型プロジェクトを進行中。 個人に引き寄せられた「天気」のリアルタイムデータを用いて、インスタレーション展示を開催。
音楽家であり科学者でもある土井樹が、従来の気象庁などによる広域データでは捉えられない、風の流れ、気温、照度といった微細な環境変化──「微気象(micro climate)」を、市民自らが観測し、データと観測行為そのものをコモンズとして共有するプロジェクトを進行中。2025年12月には、プロジェクトへの参加者を募るワークショップを開催しました。参加者はオリジナルの気象センサーデバイスを自宅や職場で実際に稼働させることで、温度・湿度・風などのデータを観測し、ウェブアプリケーションを通じて、自身の「天気」を共有しています。展覧会「新しい天気」では、集められたリアルタイムの微気象データを用いたインスタレーション展示を千駄木の会場にて発表します。

展覧会「あたらしい天気」
会期:2026年2月20日(金)~3月1日(日)
13:00~19:00 ※最終入館18:30
休館日:2026年2月24日(火)
会場:東京都文京区千駄木3-35-12
観覧料:無料
協力:株式会社ルミネ

予報やデータとして公に共有される一方で、体調や気分によって人それぞれに感じられる、生活に密接しながらも私たちの意思では左右できない他律的な現象である「天気」。本展は、現在とは別のしかたで呼ばれ、測られていたかもしれない――ありえたかもしれない天気を考えるための展覧会です。来場者は展示空間を歩きながら、数値でも言葉でもないかたちで立ち現れる天気や、その計測や想像の痕跡に触れ、それぞれの経験として持ち帰ることになるでしょう。会期中、会場では関連トークも開催予定です。
関連トーク
「屋上から」
日時:2026年2月22日(日)、3月1日(日)14:00~
スピーカー:下西風澄(哲学者)、土井樹ほか
観覧料:無料 ※事前申込不要
※最新情報はCCBTウェブサイトをご確認ください。
土井樹 (音楽家、複雑系研究者、Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー)

社会性生物の群れの同期現象などをテーマに研究を行うとともに、 人工システムを含む「他者」が持つ固有の経験や感じ方を、その存在自身の立場から理解するための手段をテーマとして作品制作を行っている。主な展覧会に「ALTERNATIVE MACHINE」(2021年、WHITEHOUSE) 、「海の見方を忘れた」(2022年、Jinnan House)、「MONAURALS」(2023 年、WHITEHOUSE)、「Harsh Listening」(2025年、LEESAYA)。主な音楽作品に『Peeling Blue』(CD、2017年)。
3月には、3組のフェローによるプロジェクトを一挙公開! 都内の公共空間を巻き込む、多彩な展覧会を開催
岸裕真「平行植物園」
植物的視点から現代の人工知能(AI)を捉え直した「植物知性(BI・Botanical Intelligence)」による、音と光のインスタレーションを夜の海の森公園で開催。関連シンポジウムも。
展覧会「平行森林」
会期:2026年3月13日(金)~15日(日)
17:30~20:30 ※最終入場 20:00
会場:海の森公園
※新木場駅より無料シャトルバスを運行予定
観覧料:無料
(事前予約制・先着順、各日定員100名)

夜の森を舞台に、脳を持たず何百万年も環境と呼応してきた 「植物の知性」に着目する展覧会を開催。木々や草花の微細な反応、風や光の変化をセンシングし、音と光のインスタ レーションへと変換します。初公開のプラットフォーム「BI(Botanical Intelligence)」は、植物からデータを受け取り、アルゴリズムを動的に変化させながら、人と植物の双方へ響きを生成。闇に点在する光を辿っていくと、BIの響きと森の気配が重なり、“もうひとつの森”が立ち上がります。
関連シンポジウム
「 Botanical / Artificial Intelligence 植物とAIから考える知性のかたち」
日時:2026年1月25日(日)14:00~16:30(開場:13:30)
会場:LIFORK HARAJUKU(渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 3F)
登壇:長谷川祐子(キュレーター、美術批評)、徳井直生(アーティスト、研究者)、 豊田正嗣(埼玉大学大学院理工学研究科 教授)、岸裕真
モデレーター:水野幸司(美術家)
観覧料:無料 ※定員に達したため観覧の受付は終了しました。
ポッドキャスト
「Parallel Plants Prompts」
岸裕真が、リサーチの一環として東京中の「植物のプロフェッショナル」を訪ね歩くドキュメンタリー・ ポッドキャスト。お相手は、花屋、植物園の職員、そして植物を愛するすべての人たち。リサーチの旅の案内と記録を、ナビゲーター・中山祐之介(Firstthing)が務めます。 1月より毎月1回、Spotify・YouTubeにて公開!
https://linktr.ee/ParallelPlantsPrompts
岸裕真(アーティスト)

AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。2023年よりほ ぼすべての制作において、AIモデル「MaryGPT」がキュレーションを担当。主な活動として、個展「Oracle Womb」(2025年、√K Contemporary)、参加展覧会「DXP2」(2024年、金沢21世紀美術館)など。受賞歴に「CAF賞2023」入選など。主な著書に『未知との創造:人類とAIのエイリアン的出会いについて』(誠文堂新光社)がある。
藤嶋咲子「コエノクエスト —都市に残されたセーブデータ」
アート×ゲーム×社会問題を軸に制作を行う藤嶋が、 新作ゲームインスタレーション作品を発表。
展覧会「Re: Play」
日時:2026年3月7日(土)~21日(土)
13:00~19:00
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京 [CCBT]
観覧料:無料

社会的な「正しさ」に埋もれ、誰にも拾われなかった個人の声を、遊び(Play)を通して掬いあげるゲームインスタレーション作品を CCBTにて発表。来場者は仮想都市を巡るプレイヤー(Player)となり、多様なキャラクターの本音を集めていきます。そこには、割り振られた性別や肩書き、家族における立ち位置、経済的・身体的な 境遇など、背負わされたロール(属性)のもとで揺れる思いが息づいています。それらはデータとして編み直され、仮想都市のなかで他者の言葉として再演されていきます。フィクションの世界に響く小さな声は、やがて重みと切実さを帯び、あなたの現実を少しずつ更新(Re:Play)するでしょう。
藤嶋咲子(アーティスト)

アート×ゲーム×社会問題を軸に、絵画やインタラクティブな手法を用いて、現代社会との関係性を探る多面的な表現を試みている。代表作「WRONG HERO」では、RPG的構造を通じてジェンダーや社会的役割に潜 むステレオタイプを問い直し、鑑賞者を“プレイヤー”として巻き込む批評的体験を構築。仮想空間で声を集め、現実の「出来事」として立ち上げた 「バーチャルデモ」では、鑑賞者の主体性とともに、現実と仮想の境界そのものを揺さぶっている。
山内祥太「未知との遭遇」
都内の公園を舞台に、光と音と身体が重なり合うインスタレーション&パフォーマンスを発表。 サテライト会場ではプロジェクトのプロセスの公開も。
展覧会「In Between…Us?」
会期:2026年3月13日(金)~15日(日)
メイン会場:後日発表
サテライト会場:青山目黒(東京都目黒区上目黒2-30-6 保井ビル1階)
観覧料:無料
※詳細は後日CCBTウェブサイト等でお知らせします。

光と音と身体が重なり合うインスタレーション&パフォーマンスを発表。この場に立ち上がるのは、自然 環境そのものではなく、人の知覚と感覚のあいだに漂う気配です。その気配は、まるで何かが呼応しているかのように、絶え間なく形を変えながら環境に満ち、呼吸するように脈動します。「未知なる存在」は、常に私たちの身体をすり抜けながら、触れられそうで触れられない関係性の場となるでしょう。
関連イベント
公開ミーティング「リゾーム的制作の実施と公開」
日時:2026年2月7日(土)13:00~18:00頃
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT] B1
観覧料:無料 ※事前申込不要
メンバー:荒井優作(音楽家)、金秋雨(キュレーター、研究者)、神道朝子(アートマネージャー、リサーチャー)、曽根光揮(クリエイティブディレクター、デザインエンジニア)、高見澤峻介(アーティスト、エンジニア)、田上碧(ヴォーカリスト)、三好彼流(アーティスト)、山内祥太ほか
山内祥太(アーティスト)

1992年生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。自己と世界との関係性や、現実と空想の裂け目を探る表現を試みている。 映像、彫刻、パフォーマンスに加え、近年では「匂い」を用いたインスタレーションなど、多様なメディアを横断しながら制作を行う。
2025年度アーティスト・フェロー活動報告会
「『これからのコモンズ』への応答」
3月22日(日)には、フェローと、企画の具体化に伴走したメンターが集合し、本年度の活動を振り返る報告会を開催します。 モデレーターには、2024年度 CCBTアーティスト・フェローである布施琳太郎氏を迎え、活動の全貌を発信。さらに、本報告会では、CCBTアーティスト・フェローの次期募集テーマについても発表する予定です。
日時:2026年3月22日(日) 15:00~17:00
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京 [CCBT] ※公開収録
観覧料:無料 ※事前申込不要
登壇:上田麻希(嗅覚アーティスト)、岸裕真(アーティスト)、土井樹(音楽家、複雑系研究者、Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー)、藤嶋咲子(アーティスト)、山内祥太(アーティス ト)、四方幸子(キュレーター、批評家)、清水知子(文化理論、東京藝術大学教授)、津川恵理(建 築家、ALTEMY代表)、関治之(一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事)、水野祐(法律家 /シティライツ法律事務所)
モデレーター:布施琳太郎(アーティスト)
■シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]は、アートとデジタルテクノロジーを通じて人々の創造性を社会に発揮するための活動拠点です。
【住所】東京都渋谷区神宮前1-14-4 1/1(ONE) HARAJUKU “K” B1、3F
【開館時間】13:00~19:00
【休館日】月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)
【電話】03-5458-2700
【主催】東京都、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)
【公式サイト】 https://ccbt.rekibun.or.jp/



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