木曜日, 11月 13, 2025
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アートと人を結ぶ。Gallery Seekが描く、持続可能なアートへの未来予想図

Gallery Seek代表・塩野秀樹が語る現代アートの魅力と使命

Gallery Seekは新進アーティストによる作品を展示・販売するほか、百貨店や国内アートフェアにも出展し、中長期的な視点でアーティストのブランディングに取り組んでいます。

また、5年ほど前からは若手アーティストの登竜門となるコンペティション『ARTIST NEW GATE』を主催。毎年300名ほどの応募者の中から1〜2名ほど選出し、その後のアーティスト活動を支援しています。そのほか、アートの資産評価や買取、相続、空間演出といったサービスも手がけるギャラリーです。

今回は、Gallery Seek代表の塩野秀樹さんに、広報スタッフがインタビューを実施。ギャラリーに込めた想いや、現代アートの魅力について話を聞きました。

アートと人をつなぐ、“結び目”でありたい

——Gallery Seekのコンセプト「アートと共に、未知の可能性を解き放つ —Seek a knot with art—」に込めた想いをお聞かせください。

アートを探し、アートと人を結びつけること。それこそが私たちの存在意義だと考えます。素晴らしい作品が生み出されても、それを見つけ出し、広め、価値を共有する人がいなければその作品は世に残りません。私たちも単にアートを探すだけでなく、探してもらう存在であり、その相互関係が大切です。アートと人、その“結び目”でありたいという想いを込めています。

作品の背景にあるアーティストの「唯一性」注目

——一次流通の現代アート(プライマリー作品)に注目している理由と、塩野さんご自身が惹かれる作品について教えてください。

一次流通の作品は、まだ市場での価格が形成されておりません。その分、どんな手法を用いているのか、そこにはどんなメッセージが込められているのかなど、アーティスト自身の魅力に注目できるのが大きな特徴です。

この仕事をしていますが、私自身そんなに感受性が高いタイプではありません(笑)。だからこそ、アーティストの背景を知ることで、作品の解像度が上がっていく感覚があります。そして、すでに価格の付けられている二次流通の作品とは異なり、個人的な“期待”を込められることも魅力の一つです。

世の中は上手い作品で溢れていますが、さらに上手い作品が現れたらその価値は相対的に下がってしまうでしょう。だからこそ、技術よりも大切な何かに注目すべきです。

私が惹かれるのは、複数の手法や価値観などをミックスした「唯一性」の高い作品です。例えば、伝統的な手法に新しい手法を掛け合わせたり、古いモノと古いモノを融合させたり。そうした“掛け算”により、ほかには真似できないユニークさやオリジナリティが生まれるのではないでしょうか。

アートの購入は、共感が生まれる瞬間

——仕事のやりがいを感じるのはどのようなときですか?

やはりアートが売れた瞬間です。ただ、それは単純に売り上げが立ったからという話ではありません。自分が惚れ込んで価格を付けた作品に、誰かが価値を見出して購入してくださる——。その瞬間は、アートを通して共感が生まれた証だと感じます。

アートの楽しみ方は人それぞれですが、購入というアクションは、時にどんなに素晴らしい賛辞よりも価値への共感を示すものです。その積み重ねがアーティストのモチベーションになり、持続可能な創作活動にもつながります。購入者は私たちの大切な協力者でもあるのです。

——アートビジネスの課題についてはどうお考えですか?

近年は投資目的でアートを扱うケースも増えていますが、その流れには一定の懸念があります。アート作品に関しては、売れなかった事例は記録に残らず、一部の成功事例だけが強調されがちです。投資目的でアートの世界に入った人が失敗すると、アートそのものへの関心を失ってしまう恐れも……。本来、アートは観て楽しむものであり、その魅力が充分に伝わっていないことが問題ではないでしょうか。

文化的側面で語られるべきアートが、投資を第一の目的とした存在になってしまうのは憂慮すべきことです。だからこそ、アートが持つ魅力をていねいに伝え、アーティストやギャラリーを応援する“共感者”を増やしていかなければなりません。

日常に刺激を与える、唯一無二のクリエイティビティ

——塩野さんにとって、アートの魅力はどこにあると感じていますか?

アートの魅力は、空間を彩るだけでなく、作り手のアウトプットを視覚的に体験できることにあります。同じインプットを受けても、人によって全く異なる作品が生まれる。そこにアートの面白さがあります。

特に現代アートでは、作品の背景に社会課題が存在しているケースも多く、社会課題へのアプローチについては、ほかのエンターテインメントとは異なる力強さやユニークさがあるのではないでしょうか。同じ課題に向き合っても、感じ方や解釈は人それぞれ。そこから唯一無二の作品が生まれていきます。

もちろん、「好きな色で描かれている」「美しいと感じた」といった直感的な楽しみ方も大切ですが、クリエイティビティや創造性を知ることで、アートは日常に新たな刺激を与えてくれる存在です。

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目指すのは、アートの“健全なエンタメ化”

——今後の展望をお聞かせください。

今後は、アートの見方や知識を共有する場をつくっていきたいと考えています。アーティストとコレクターでは作品の見え方も異なりますし、それぞれの視点を共有できる機会があれば、とても面白いはずです。

「描いてみたいけれど、何から始めればいいのかわからない」という方に向けたワークショップや、五感を刺激するイベントにも挑戦してみたいですね。例えば、料理にワインをペアリングするように、アートに合わせた飲食を楽しむ会など、構想は広がるばかりです。掛け算のあるアートに魅力を感じるとお話ししましたが、アートと異分野の融合は、より多くの方々にアートを楽しんでもらえる機会になるでしょう。

そして、私の目標はアートの“健全なエンタメ化”です。例えば、スポーツには子ども向けの体験会や選手のトークイベントなど、参加のハードルを下げる取り組みがたくさんあります。アートの世界でも、世代やバックグラウンドを問わず、誰もが様々なカタチでアートに触れられる環境を整えていきたいです。

何よりも、こうした取り組みの根底には、アーティストの創作活動を支えたいという想いがあります。「Seek a knot with art」のコンセプトのもと、私たちはこれからもアートと人を結ぶ存在であり続けたいです。

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】

株式会社 株式会社ART KNOT

https://galleryseek.jp/

代表:塩野秀樹

メールアドレス:shiono@galleryseek.jp

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