水曜日, 10月 22, 2025
ホームイベント【東條會館写真研究所】井上佐由紀「はじまりと終わりに見る色を、私は知らない」<2025年10月31日(金)〜12月21日(日)>

【東條會館写真研究所】井上佐由紀「はじまりと終わりに見る色を、私は知らない」<2025年10月31日(金)〜12月21日(日)>

おそれ(恐れ/畏れ/怖れ)の中に見る「赤」

東條會館写真研究所(東京都千代田区麹町1-6-12)では、10月31日(金)より、写真家・井上佐由紀の展覧会「はじまりと終わりに見る色を、私は知らない」を開催いたします。

井上佐由紀は、「おそれ(恐れ/畏れ/怖れ)」をテーマに、それを見たい・知りたいという思いから繰り返し撮影してきました。今回の新作では、生と死の世界への「おそれ」から、赤という「色」に焦点を当て、作品を展開しています。

しかし、色というものは不確かで、隣にいる人でも同じものを見ていると言えず、かつて地域性・文化性が強く反映されていた色も、現代ではSNSから大量に降り注ぐスクリーン越しの光のなかで、その意味さえも曖昧にしながら消費されています。見ることの原点である光でさえも永遠ではなく、反復を繰り返し減衰し、消滅していきます。

フィルム写真全盛期の昭和時代の様子を色濃く残す写真ラボ施設に現れる、井上佐由紀の「おそれ」の世界。作品を通してその感覚に没入しながら、「見ること」「色を感じること」に向き合えるのではないでしょうか。

※作品の販売も行っております。購入については、東條會館写真研究所(info-photo-lab@tojo.co.jp)までお問い合わせください。

アーティストステートメント

はじまりと終わりに見る色を、私は知らない

幼い頃、人気のない田畑や墓地で見かけることが多かったせいだろうか、彼岸花が咲く場所がとても寂しく、怖くて仕方がなかった。

成長するにつれて、その根には毒があること、お彼岸の頃に咲くから彼岸花と名付けられたことを知り、私の中では不吉なことを連想する花になっていった。

いつ誰から聞いたのか覚えていないが、人が生まれて初めて認識出来る色が赤で、亡くなる直前に認識出来る色も赤だと聞いた時、思い浮べたのが彼岸花だった。そして、怖いと思っているその花を撮影しようと思った。

合わせ鏡や万華鏡を前にすると、自分がどこにいるかがわからないという感覚がある。永遠に続くリピートの中にいると、自分は長い時間の中の一瞬しか生きられないという事実がまざまざと迫ってくる。

生まれた時に見たかもしれない赤い色を私は覚えていない。いつかくる最期に、私は赤い色を見るだろうか。

はじまりと終わりに見る色を、私は知らない 展示概要

展示会タイトル|はじまりと終わりに見る色を、私は知らない

 アーティスト|井上佐由紀(Sayuki INOUE)

     会期|2025年10月31日(金)〜12月21日(日)

     会場|東條會館写真研究所(東京都千代田区麹町1-6-12)

   開館日時|金・土・日・祝 13:00~19:00

    入場料|無料

     web|https://photo-lab.tojo.co.jp/

  instagram|https://www.instagram.com/tojo_kaikan_photo_lab/

アーティストイベント

会期中は展覧会に関連して、下記のイベントを開催予定です。

  • トークイベント:赤の色についてを紐解く

  • 暗室体験:色の表現を体験するワークショップ

  • 色と色の仕組みを考えて遊ぶ 子供向けワークショップ

  • 色を通じて赤い色を楽しむフードイベント

最新情報をInstagramにて随時更新していきます。ご確認ください。

https://www.instagram.com/tojo_kaikan_photo_lab/

アーティスト紹介

井上佐由紀(Sayuki INOUE)

1974年 福岡県柳川市出身。東京都在住。

九州産業大学芸術学部写真学科卒業。

主な個展

2018年「私は初めてみた光を覚えていない」(nap gallery、東京)

2013年「くりかえし」(nap gallery、東京)

主なグループ展

2023年「Serendipity」東京都写真美術館

2021年「The World Beyond the World」RONGYI ART MUSEUM(上海)

2020年「高松コンテンポラリーアート・アニュアル Vol.09」高松市美術館(香川)

2019年「至近距離の宇宙日本の新進作家vol.16」(東京都写真美術館)

コレクション

サンフランシスコ近代美術館、フランス国立図書館、東京都写真美術館、上海多倫路現代美術館

https://inouesayuki.com/ph/


セノグラフィ|松本吉史(パイナップルカンパニー)/ 笹野優子(Fiction)

会場施工| 三田草平(スタジオアクア)

グラフィック|鎧 雅也(Butter Inc.)

プリント |寺屋宣康(GRAIN HOUSE)/ 吉野典子(株式会社写真弘社)/ 井上佐由紀

額|frame-man

協力 | 高田健史(Butter Inc.)/ 望月洋輔(tecono) / 二瓶 航(株式会社写真弘社)/外山輝信

主催・運営・企画|株式会社東條會館


【東條會館について】

1912年麹町に写真スタジオを開業して以来、株式会社東條會館は、お客様の人生の祝事に立ち会って参りました。現在でも、写真スタジオTojo Photo Studio、ビューティーサロンMaison de Beauteなどを運営し、その時は100年余を数えます。

本会場「東條會館写真研究所」は、その名の通り、写真の制作に必要となる感光材料や印画紙の研究をはじめ、数多くの現像・プリント・修正作業が手作業で行われていた歴史ある建物です。デジタル写真が中心となった今日でも、受け継がれた技術と先人たちの想いを伝えるべく、この場所を基点に、東條会館は活動を続けています。

【Tojo Photo Studio】

東條會館の創業当初から続く写真スタジオ。創業者、東條卯作が常々口にしていた「お客様の幸せな瞬間の唯一の目撃者である」ということを肝に命じ撮影してきた肖像写真は、皇室や政財界でも多くの方にご愛顧いただいてまいりました。人生の様々な記念日をかけがえのない思い出として残せるよう、レンタル衣装、ヘア、メイク、写真撮影までお一人お一人に丁寧にご提案しています。マタニティ、お宮参り、七五三、お受験、成人式、ご結婚等、世代と時を超えてご利用いただけます。また、現在では貴重となった8×10inchの大型フィルムカメラでの撮影も承っております。

https://www.tojo.co.jp/photo-studio

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