金曜日, 10月 10, 2025
ホームイベント中村圭佑率いるDAIKEI MILLSとの協業 一本の木から始まる、アートプロジェクト「A Tree」第二フェーズ

中村圭佑率いるDAIKEI MILLSとの協業 一本の木から始まる、アートプロジェクト「A Tree」第二フェーズ

国内外で活躍するデザイナー/アーティスト 6名のプロダクトを展開2025年10月31日(金)より順次スタート

銀座エリア最大級の商業施設「GINZA SIX」は、2025年春に始動した3年にわたるアートプロジェクト「A Tree(エイ・ツリー)」を第二フェーズへと移行し、国内外で活躍する6名のアーティストによるプロダクトを2025年秋より順次展開します。2025年10月、冬、そして2026年春(予定)の3回にわたり、2名ずつの作品が登場し、訪れる人に新たな発見を促します。

本プロジェクトでは、さまざまな空間デザインを手がけるだけでなく、都市に存在するVOID(遊休施設や社会的隙間)を時限的に占有し、一般へ解放する運動「SKWAT(スクワット)」など新たなカルチャーを生み出す活動でも注目される中村圭佑率いる設計事務所DAIKEI MILLSとともに、ものづくりの原点に本質的な価値を見出し、国内外のアーティストと協業しながら、「一本の木が家具となり建築となる」、そのプロセスを多角的に魅せていきます。

<DAIKEI MILLS中村圭佑より、A Treeプロジェクトの第二フェーズに移行するにあたってのメッセージ>

これまではプロジェクトの序章とし、DAIKEI MILLSが吉野杉を扱う林業者の営みや製材のプロセスを可視化した作品として、館内にて多くの来場者に触れられてきた。いわゆる「木がプロダクトに変容する前の生々しい状態で留めた」椅子たちである。ここからは新たに6名のデザイナー/アーティストたちとの協業が始まり、1本の吉野杉に個々の強固な表現が注ぎ込まれる時間がやってきた。協業を快諾してくれた6名は、単に素材に向き合いカタチを追求するだけではなく、その素材に関与する周辺環境(人やコト)にも目を向けアウトプットのカタチを紡ぎ出す。奈良の奥地に赴き、実際の大木に触れ、地元の協業者や協力者と会話をし、一つひとつ丁寧にこのプロジェクトの真意を探っていく。その6本の木がGINZA SIX内を包み込み、来場者とのインタラクションを大いに誘発する装置(椅子から小さな建築まで)となる。この長期的な一連の流れを誰よりも楽しみにしているのは私たち自身でもある。

■吉野杉の魅力を再解釈した作品が館内レストスペースに登場

6名のデザイナー/アーティストが吉野地方を訪れ、土地の自然や文化からインスピレーションを得て、それぞれの感性で都市空間に吉野杉の新たな魅力を表現する作品を制作。第一弾として、東京を拠点とするSiin Siin、韓国のアーティストデュオKUO DUOによる展示がスタートします。自然と都市、素材と創造が交差する空間が、GINZA SIXに広がり、訪れるお客様に安らぎや発見をもたらします。

第一弾

展示・設置期間 : 2025年10月31日(金)~

Siin Siin(シーン・シーン) / Japan

東京を拠点に活動するデザイナー。家具をはじめ少量生産のオブジェクトや、オブジェクトのコンポジションとしての空間設計、多様な分野とのコミッションワークを手がける。対象や環境への観察を起点に、素材、技術、場、他者との関係に現れるズレや痕跡に注目し、それらをかたちとして構成することで、ものや空間の成り立ちを問い直している。また、制作の過程や作る行為そのものをデザインの一部として捉え、そこに現れる不安定さや即興性を積極的に引き受ける実践を行っている。

※画像はイメージです
※画像はイメージです

作品コンセプト

この作品は、明治期に植林されたと推定される吉野杉を用い、林業史や現場での観察を踏まえ制作しました。斧で割る「間割」の痕跡と重機部品をモチーフにしたステンレス製ジョイントを組み合わせ、素材と技法の対話を表現。偶然裂けた杉の魅力に着想を得て、歴史と人の営みへの敬意を込めています。

KUO DUO(クオ・デュオ) /South Korea

ソウルを拠点とするインダストリアルデザインスタジオで、プロダクト、家具、空間デザインに加え、クリエイティブディレクションも手がける。イ・ファチャン(左)とメン・ユミン(右)は、ソウルの弘益大学でインダストリアルデザインを学んだ後にスタジオを設立し、Cecilie Manz Studio、Form Us With Love、Shigeki Fujishiro Design、SWNAといった国際的なスタジオでの経験を経て、制作に取り組む。量産可能なプロダクトから、リミテッドエディション、展示空間まで幅広く手がけ、素材や生産技術への新たなアプローチと、機能性・簡潔さとのバランスを探求している。さまざまなブランドやクライアントと協業し、立体的なデザインの可能性を広げる彼らは、2025年のメゾン・エ・オブジェで「Rising Talent Award」を受賞した。

※画像はイメージです
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作品コンセプト

森に残された切り株の「終わりでありながら存在し続ける」姿に着想を得て、GINZA SIXの空間に点在する休息の場を構想しました。「KIRI KABU」はその名の通り切り株を彫刻的に変容させた家具コレクションです。吉野杉の芯材と辺材の層をあらわにし、木々の痕跡を静かな思索のための形へと昇華しています。

第二弾

展示・設置期間 : 2025年冬~

Rio Kobayashi(リオ・コバヤシ) /United Kingdom

日本・栃木県出身、ロンドン在住のデザイナー/メイカー。幼少期から家具づくりに親しみ、18歳でオーストリアに移住。3年間にわたる厳格なキャビネットメイキングの徒弟制度を経て、独自の多文化的なデザイン言語を確立した。2017年にロンドン東部に自身のスタジオを設立し、素材、物語性、形状の探求を通じて作品の幅を広げている。家具からインテリア、彫刻的オブジェクトまで手がけ、伝統と革新、抑制と遊び心の対話を反映した作品は、ロンドン・デザイン・フェスティバルやミラノ・デザイン・ウィークで発表され、Financial Times、Wallpaper、The World of Interiors、Forbesといった国際メディアでも取り上げられている。日本の職人文化をベースに、現代的なデザインの可能性を描き出している。

Fabien Cappello(ファビアン・カッペッロ) / Mexico

メキシコ・グアダラハラを拠点に、家具やプロダクトを手がけるデザインスタジオを主宰。限定品・量産品の両方を含むプロダクトや、公共・私的空間向けのデザインにおいて、繊細で適切な素材選びを重視している。ファビアンは、デザインを通して自身のビジョンや戦略を具現化。代表作には「Sillas Callejeras」や「Objetos de Resistencia」などがあり、メキシコの素材文化に関するリサーチプロジェクトも手がけている。世界的なデザイン思考において重要な存在となっている。

第三弾

展示・設置期間 : 2026年春~

Max Lamb(マックス・ラム) / United Kingdom

1980年生まれ。英国コーンウォール生まれ。家具やプロダクトデザインにおいて、その革新性と実験的な手法で広く評価されているデザイナー。伝統的な職人技と前衛的なデザイン哲学を融合させ、自然に囲まれて育った経験が作品にも色濃く反映されている。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んだ後、独自のデザイン手法で注目を集め、素材とプロセスの可能性を探求し続けている。石や金属、発泡材、段ボールなど、あらゆる素材を用いて、素材本来の性質を引き出す作品を制作。生まれる作品は、触覚的で力強く、機能性と芸術性が融合したユニークな存在感を放つ。

Faye Toogood(フェイ・トゥーグッド) / United Kingdom

英国人デザイナー。インテリアやホームウェア、美術、ファッションを中心に、ジャンルやスタイルにとらわれない多彩な表現を行う。ブリストル大学で美術史を学び、雑誌編集者を経て2008年にロンドンでスタジオ「Toogood」を設立。田園地帯で育った背景から、風景や自然物からのインスピレーションが色濃く反映されており、干し草や頭蓋骨、空模様をモチーフにした作品も多い。代表作の「Spade」チェアや「Roly-Poly」チェアは彫刻的なフォルムで広く知られている。ジャンルを越えた協働から生まれる詩的で前衛的な作品を世に送り出している。

<第二フェーズ>展示概要

【協業】 DAIKEI MILLS

【展示場所】 3F~5F 中央吹き抜け周りレストスペース

【展示期間】 2025年10月31日(金)より順次展示(予定)

【協力】 E&Y / 豊永林業 / 大谷木材

第二フェーズでは、東京を拠点とするデザインレーベル・E&Yが参画。本プロジェクトでは、デザイナーのキュレーションに協力し、コンタクトの調整を行うとともに、各デザイナーとの窓口として製作・マネージメントを担当。デザイナーとのコミュニケーションを重ねながら、具体的な製作方法の検討・提案を行い、製作図の作成にも携わりました。最終的には、現場でのインストールに至るまで、製作全体の進行管理を担います。

第一フェーズに引き続き、吉野林業を継承する豊永林業、大谷木材の協力のもと制作。各アーティストは吉野の山に触れ、現地で感じたインスピレーションをもとに各プロダクトをデザインし、アートやカルチャーの要素を取り入れたコミュニケーションツールとして機能を拡張。GINZA SIXを訪れる人々へ新たな発見を促す空間体験を提供します。


株式会社E&Y

E&Yは東京を拠点に、家具やオブジェクトの編集・開発・製作・販売を行うデザインレーベル。世界中のデザイナーからのデザインリソースを編集・協業しながら生まれた新たなコレクションを、ミラノ、ロンドン、東京など国内外で発表し、現コレクションは50作品以上に及ぶ。また、デザイナーやアーティスト、建築家とともに、プロジェクトのためのアーティスト作品やオリジナルプロダクトの開発も手がけている。E&Yの作品の一部は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)、SFMOMA(サンフランシスコ近代美術館)、ロンドン・デザイン・ミュージアム、パリ装飾芸術美術館、スウェーデン国立美術館などに収蔵されている。

<A Treeプロジェクトとは>

2025年4月にスタートした、吉野杉を主役に据えたアートプロジェクト。 設計事務所DAIKEI MILLSの中村圭佑と協業し、素材の成り立ちや流通、製材の過程に光を当て、木が家具や建築へと価値転換するプロセスを3年にわたり表現します。第一フェーズでは、ものづくりの原点に本質的な価値を見出し、吉野杉の無垢材を活かした椅子が館内を彩り、屋上には幻想的な光の演出が施されたアートパークが登場しました。自然と都市、アートと暮らしの新たな接点を提案しています。

豊永林業株式会社

1967年設立。日本で最も早く人工造林が始まった吉野の林業地で、現在16代目にあたる山主が所有する1500ヘクタールもの山林を管理。

地拵え、植栽、下刈り、枝打ち、間伐など、日々山の整備に勤しむ。

https://houeiforestry.com/

株式会社大谷木材

大正4年創業。奈良県下市町にて製材所を営む。地元吉野の銘木をはじめ県産材を中心に、素材の魅力を活かした品質の良い木材を造り出す。歴史博物館や店舗用の建築材、メディア向けのセット用材木など納材先は多岐にわたる。多くの家庭に無垢材を取り入れてもらいたい思いで、テーブルやまな板製作にも取り組む。

https://ohtani-mokuzai.com/

■特設サイトでは、中村圭佑のインタビュー記事と動画を公開中

中村圭佑のインタビューとともに、本プロジェクトの主役である吉野杉の伐採から製材の様子を撮影。映像だからこそ伝わる、自然の雄大さと畏怖の念をお届けします。館内各所のサイネージやGINZA SIXの公式SNSなどでご覧いただけます。

また、GINZA SIXの公式WEBサイトでは、中村圭佑のインタビュー記事を公開。プロジェクトの背景や、今後国内外のアーティストと協業し、アートやカルチャーの要素を取り入れた コミュニケーションツールとして機能を拡張する、3年間に及ぶ展示の全貌を紹介します。

ムービー:https://youtu.be/3QNacA88S_A

インタビュー:https://ginza6.tokyo/atree/

https://www.youtube.com/watch?v=3QNacA88S_A“>

中村 圭佑

1983年浜松市生まれ。2011年に設計事務所 「DAIKEI MILLS(ダイケイ・ミルズ)」を設立。2020年に社会に存在するVOID(遊休施設や社会的隙間)を時限的に占有し、一般へ解放する運動「SKWAT(スクワット)」を始動。2021年より「多摩美術大学 美術学部 建築•環境デザイン学科」の非常勤講師も勤める。

DAIKEI MILLS

DAIKEI MILLS(ダイケイ・ミルズ)は東京を拠点に活動する設計事務所。CIBONE、ISSEY MIYAKE、NOT A HOTEL、LEMAIREなどの商業空間からavex、kontakt、Takramなどのクリエイティブ企業のオフィスまでさまざまなプロジェクトに取り組み、人と空間の在り方について一貫してデザインの実践を通して考え続けている。
https://daikeimills.com/

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