視覚障害者の視点でアートを体験する「AIくらとりさん」作成、芸術鑑賞の場で初採用

国際現代美術展「岡山芸術交流2025」のパブリックプログラムに採択された「AIとアート鑑賞」プロジェクトに、株式会社ブリッジウェル(東京都、代表:石橋真彦)が提供する対話型AIキャラクタープラットフォーム「ToyTalk」が採用されました。本プロジェクトは、美術館・芸術展でToyTalkが採用される初の事例となります。
AIキャラクタープラットフォーム「ToyTalk」とは
株式会社ブリッジウェルが提供する「ToyTalk」は、誰でも簡単に対話型音声AIキャラクターを作成できるノーコードプラットフォームです。
①キャラクターの振る舞い+固有知識を設定するだけでオリジナルAIを作成可能
②0.3秒の高速応答で人間らしい自然な会話を実現
③完全無料で提供され、SNS感覚で気軽に利用できる

プログラム概要
本プログラムでは、川内有緒著「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」にインスパイアされた視覚障害者のAIキャラクター「AIくらとりさん」をAIキャラクタープラットフォーム「ToyTalk」で生成。来場者がAIくらとりさんとの対話を通じて、従来とは異なる視点でアート作品を体験できる環境を提供します。
実施主体: 一般社団法人岡山カルチャーカルチャー
学術監修: 岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域
コンヴィヴィアルコンピューティング研究室 松田裕貴講師
技術提供: 株式会社ブリッジウェル
「伝える」ことで生まれる新しいアート体験
「AIくらとりさん」は作品の解説を行いません。代わりに、来場者が作品について説明したり感想を述べたりし、くらとりさんが質問や感想を返すという、全く新しいアート鑑賞体験を創出します。
AIくらとりさんとの対話では、来場者が作品の色、形、印象などを自分の言葉でくらとりさんに説明します。この「誰かに伝える」行為を通じて、普段は意識しない細部への気づきや、自分なりの解釈が生まれる新しいアート鑑賞体験を創出します。株式会社ブリッジウェルは、主催者が提案するこの画期的なコンセプトを、ToyTalk技術により実現しています。
体験の流れ:
1. QRコードやURLからアクセス: スマートフォンで「AIくらとりさん」に接続
2. 対話形式の鑑賞: 来場者が作品を説明、AIくらとりさんが応答
3. 感想の共有: AIくらとりさんがまとめた鑑賞体験を、希望に応じてレビューサイトに投稿
4. 他者との共鳴: 他の来場者のレビューを閲覧し、多様な視点を体験
産学連携による研究価値

岡山大学前田裕貴講師の学術監修により、本プロジェクトは今後の研究活動にも活用されます。AI技術がアートアクセシビリティに与える影響や、対話型AIによる新しい学習体験の可能性について、学術的知見の蓄積を図ります。
完全無料での提供
「AIくらとりさん」は来場者に完全無料で提供されます。ToyTalkの基本理念である「誰もが気軽にAI技術を体験できる環境作り」に基づき、経済的負担なくイノベーティブなアート体験をお楽しみいただけます。
地域貢献と今後の展開
株式会社ブリッジウェルは岡山県出身者が設立した企業として、地域社会への貢献と産学連携の推進に積極的に取り組んでいます。本プロジェクトを通じて岡山の文化芸術振興と新しい技術の社会実装を実現し、その成果を踏まえて全国の美術館・博物館でのアクセシビリティ向上に貢献できるソリューションの開発を進めてまいります。
【岡山芸術交流 2025について】 岡山芸術交流(Okayama Art Summit)は、3 年に一度岡山市で開催される現代アートの国際展です。2016 年に初めて開催され、以降、世界的に活躍するアーティストやキュレーターを迎えて、岡山市内に多様な作品を展示してきました。今回は入場無料。会期は 9 月 26 日〜11 月 24 日までの 60 日間。