本日より申込開始                        金・貨幣・国家から都市を読み解く。 ホー・ルイ・アン 新作レクチャー・パフォーマンス「The Price of Gold/金の価格」

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本日より申込開始                        金・貨幣・国家から都市を読み解く。 ホー・ルイ・アン 新作レクチャー・パフォーマンス「The Price of Gold/金の価格」のメイン画像

4月4日(土)開催!都市のヴィジョン─Obayashi Foundation Research Program第5回助成対象者                                    

公益財団法人大林財団は、《都市のヴィジョン─ Obayashi Foundation Research Program》第5 回助成対象者であるシンガポール出身のアーティスト、ホー・ルイ・アンによる新作レクチャー・スクリーニング ※1「The Price of Gold / 金の価格」について、本日より事前申込の受付を開始いたします。(締切2026 年3 月13 日(金))
上演後に実施するポストトークの登壇者が決定しましたので、あわせてお知らせします。

本作は金(ゴールド)、貨幣、国家をめぐる近代日本の変容を読み解くレクチャー・スクリーニングで、1890 ~ 1940 年代の金本位制 ※2 を含む日本の金融史、無声映画、アーカイブ資料の調査をもとに、映像や既存の映画作品によって構成されています。複数の地域を横断しながら行われるホーの実践は、歴史・金融・文化芸術が複雑に織りなすネットワークとして都市を捉え直し、その構造が私たちの現代都市とどのように深く関わっているのかを想像させる試みです。

ポストトークでは、本プロジェクトの副委員長を務める保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長))をモデレーターに迎え、ホー・ルイ・アン、片岡一郎(活動写真弁士)、足立元(美術史・社会史研究者)が登壇します。金本位制期に制作・流布された映画や視覚表現を手がかりに、歴史、映画、パフォーマンスの視点から、本作の現代的意義について語ります。

都市を形づくる経済的・文化的構造を多角的に捉え直すこの機会に、ぜひご参加ください。

※1 レクチャー・スクリーニング:レクチャーと映画(抜粋)の上映を組み合わせ、活動写真弁士による解説を伴う本公演の形式。
※2 金を通貨の価値基準とする仕組みで、1816年に英国で制度化され、19世紀から20世紀初頭にかけて世界に広まった。各国の中央銀行は発行した紙幣と同額の金を保有し、相互の交換を保証した。1929年の世界恐慌以降、相次いで廃止され、管理通貨制度へと移行した。

申込概要

大林財団ウェブサイトからの事前申込制で、申込み多数の場合は抽選となります。

本日より

大林財団ウェブサイト https://www.obayashifoundation.org/urbanvision/profile/2025_ho_rui_an.php で申込受付中です。

申込締切 2026 年3 月13 日(金) 23:59

結果 当選者には3 月23 日(月)までにメールにて結果をご連絡します。

プロジェクト概要

タイトル:ホー・ルイ・アン「The Price of Gold / 金の価格」

レクチャー・スクリーニング

日時:2026 年4月4日(土) 15:00 ─ 17:00 (開場 14:30)

※主催者挨拶およびポストトーク含む

会場:日比谷コンベンションホール(大ホール)

入場料:無料

ポストトーク

登壇者 ホー・ルイ・アン、片岡一郎(活動写真弁士)、足立元(美術史・社会史研究者)、保坂健二朗(滋賀県立美術館 ディレクター(館長))

レクチャー・スクリーニングについて ホー・ルイ・アン

本レクチャー・スクリーニングにおいて、1897年から1931年にかけての日本における金本位制の採用と、その後の停止、復帰、そして放棄に至る、短くも重大な影響を及ぼした歴史に関する継続的なリサーチの一部を提示する。日露戦争と第一次世界大戦の間に位置するこの時代は、経済的コスモポリタニズム(世界主義)と経済的ナショナリズムの国際的な対立に加え、反帝国主義運動の台頭によって特徴づけられる。これらの勢力は、日本の経済政策や、当時形成されつつあった国際金融秩序における日本の地位に、重要な影響を与えた。

出発点となるのは、日清戦争の敗北後に清から日本へ支払われた巨額の賠償金である。ロンドンを経由して英ポンドで支払われ、金への直接交換が可能であったこの資金は、日本の金本位制移行がいかに特異なものであったかを浮き彫りにする。すなわち、中国から徴収したこれらの資金が、日本が「自由主義的」な西洋型の金本位制諸国の列に加わることを大きく後押ししたのである。金本位制を支持するリベラル派と、国家主導の産業政策を主張する陣営との間の緊張は戦間期まで続いた。この時期、金本位制は単なる経済的手段としてだけでなく、一種の道徳的プロジェクトとしても推進され、過度な消費を抑制し貴重な金準備の流出を防ぐための国民運動が全国で展開された。本レクチャー・スクリーニングでは、こうした運動の中で制作・流布された映画の抜粋を上映し、ライブ・ナレーションを通してそれらを現代の視点から読み替える。

その断片を繋ぎ合わせることで、金、貨幣、そして国家を巡って変容する社会の構造、認識を露わにする。それは1930年代後半、日本を西洋から「脱却」させ、東アジアにおける覇権を巡る闘争へと駆り立てていった思想の変遷を浮き彫りにする試みでもある。

2025年12月 ホー・ルイ・アン

リサーチで訪れた佐渡金山(2025)Courtesy of the artist
日清両国之大官全公命能結平和之局(にっしんりょうこくのたいかんこうめいをまっとうしてよくへいわのきょくをむすぶ)尾形月耕 明治28年/1895年 Courtesy of the National Museum of Asian Art, Washington, DC.

ゲスト登壇者 略歴

片岡一郎│活動写真弁士。1977 年東京都に生まれる。日本大学芸術学部演劇学科卒業。2002 年に澤登翠に入門し、同年にデビュー。日本を代表する活動写真弁士として世界各国の映画祭などに出演、ツアーを行う傍ら、フィルムの発掘、研究者としても知られている。映画『カツベン!』(2019)に、実演指導・時代考証・出演で協力。著書に『活動写真弁史 映画に魂を吹き込む人びと』(2020) がある。

片岡一郎

足立元(美術史・社会史研究者)│現在、二松学舎大学准教授、望月桂調査団代表、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ共同代表。主な著作に『アナキズム美術史』(平凡社、2023 年)、『裏切られた美術』(ブリュッケ、2019 年)。編著に『新しい女は瞬間である 尾竹紅吉著作集』(皓星社、2023 年)。企画展に「望月桂 自由を扶くひと」(原爆の図丸木美術館、2025 年)。

ホー・ルイ・アン(HO Rui An)略歴

現代美術、映画、パフォーマンス、理論の交錯点で活動するアーティスト兼ライター。

レクチャーやエッセイ、映画などを通してグローバル時代のさまざまな統治システム下での労働、テクノロジー、資本の関係性を探求しています。

主な展覧会やプロジェクト

「上海ビエンナーレ」(2023)

「バンコク・アート・ビエンナーレ」(2020)

「光州ビエンナーレ」(2018)

「ジャカルタ・ビエンナーレ」(2017)

「シャルジャ・ビエンナーレ13」(2017)

「コチ・ムジリス・ビエンナーレ」(2014)

シンガポール美術館(2022)

クンストハレ・ウィーン(2021)

山口情報芸術センター[YCAM](2018)

ハオス・デア・クルトゥーレン・デア・ヴェルト(ベルリン、2017)

など多数

ホー・ルイ・アン

参考画像

《A Petropolis in a Garden with a Long View》(2024)Courtesy of A+ Works of Art, Photo: Quinn Lum
《Figures of History and the Grounds of Intelligence》(2024)Courtesy of A+ Works of Art, Photo: Quinn Lum
《24 Cinematic Points of View of a Factory Gate in China》(2023) Courtesy of the artist
《Student Bodies》(2019)Courtesy of the artist

《都市のヴィジョン— Obayashi Foundation Research Program》について

アーティストが「都市」をテーマに研究・考察する活動を支援する目的で、2年ごとに実施される大林財団による制作助成事業です。2017年度にスタートし、今回で5回目を迎えました。

この助成事業は、豊かで自由な発想を持ち、さらに都市のあり方に強い興味を持つ国内外のアーティストを対象としており、5人の推薦選考委員の推薦に基づいて決定されます。助成対象者には、従来の都市計画とは異なる独自の視点から、都市におけるさまざまな問題の研究・考察をし、住んでみたい都市や、新しい、あるいは理想の都市のあり方を提案・提言していただきます。

アーティストの提案は展覧会、トークイベント、パフォーマンスなどその回にあわせた様々な形態で成果発表をするほか、記録冊子(部数限定)を発行しています。

《都市のヴィジョン— Obayashi Foundation Research Program》および過去実績について