Art Climate Collective Japan、アート界のサスティナビリティをめぐる国際シンポジウム「ミュージアムと気候変動」を共催

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Art Climate Collective Japan、アート界のサスティナビリティをめぐる国際シンポジウム「ミュージアムと気候変動」を共催のメイン画像

トークやシンポジウム、美術家・森村泰昌氏へのインタビュー、Podcastなどを通じ、日本から国際的議論に参画

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT / エイト]が運営する Art Climate Collective Japan(ACCJ) は、2026年も引き続きアートと気候危機をめぐる調査・対話・発信の取り組みをさらに深化させています。
その一環として、2月28日には、国立アートリサーチセンターとの共催によるシンポジウムに登壇します。加えてACCJインタビューシリーズ第5弾となる、美術家・森村泰昌さんへのインタビュー記事およびPodcastの新エピソードを公開しました。今後も多様なかたちでの活動を継続していきます。

トーク・シンポジウムへの参画

ACCJは2026年もこれまでに重ねてきた対話の蓄積を土台として、多様な実践に着目しながらインタビューや勉強会を通じて得られる知見を共有していきます。対話と記録を重ねることで、アートセクター全体における思考と行動の基盤を育てていくことを目指すものです。

また、トークイベントやシンポジウムへの参画を、これまで培ってきた知識やネットワークを社会に還元する場と位置づけています。インタビューや調査、国内外の関係者との対話を通じて得られた実践例や論点を共有し、参加者それぞれの現場につながる議論をひらいていきます。

こうした姿勢のもと、2月28日(土)には、国立アートリサーチセンター(NCAR)主催のシンポジウム「ミュージアムと気候変動 ―サステナブルな未来に向けて」に、AITも共催として参画します。当日は、基調講演に元テート・モダン館長フランシス・モリスさんが登壇するほか、AITの塩見有子およびロジャー・マクドナルドが、ACCJの活動を通じて見えてきた国内外の動向や現場の声を共有します。アートセクター内外の知見を横断的につなぎながら、今後の実践や議論につながる視座を提示することを目指します。
また、ほかにも登壇者として、ACCJアドバイザーでもある社会学者の茅野恒秀さんも参加します。

登壇者

フランシス・モリス、CBE(大英帝国勲章) |キュレーター/美術史家/Gallery Climate Coalition (ギャラリー気候連合)理事長

茅野恒秀 |法政大学社会学部教授 信州大学特任教授

半田昌之 |公益財団法人日本博物館協会専務理事 ICOM日本委員会事務局長

秋山純子 |独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 保存科学研究センター保存環境研究室室長

相澤邦彦 |ヤマト運輸株式会社 グローバルロジスティクス部 美術品ロジスティクス課 スペシャルアドヴァイザー コンサヴァター

塩見有子 |NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT / エイト]ディレクター

ロジャー・マクドナルド | NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT / エイト]共同設立者・グリーンチームリーダー/フェンバーガーハウス館長/多津衛民藝館館長

片岡真実 |国立アートリサーチセンター長

詳細を見る

※シンポジウムの詳細・お申込については、NCARのウェブサイトをご覧ください。

また、1月30日(金)には、アーツカウンシル東京主催のフォーラム「芸術文化とクライメートアクション~実践から見える未来~」に、AITの堀内奈穂子がモデレーターとして参加しました。登壇者にはACCJアドバイザーのお一人であり、気候科学者の江守正多さんも参加しました。後日アーカイヴ映像が公開されますので、SNS等でお知らせします。

今後もACCJでは、これまで集積してきた知見や事例を背景に、登壇者同士の視点をつなぎ、来場者が自らの立場から考えを深められる議論の場づくりに貢献します。

ACCJインタビューシリーズ vol.5 を公開

危機には使命感よりおもしろさを――美術家・森村泰昌による「アート・シマツ」

Photo by Kazuo Fukunaga

ACCJが展開するインタビューシリーズは、「気候危機という現実に、アートはどう応答できるのか?」という問いのもと、アートセクターの最前線にいる人々に、ACCJが活動内容や思いを聞き取るものです。これまでに複数の組織や実践者の声を取り上げてきましたが、いずれも具体的な現場での課題と可能性に光を当てています。

第5弾では、美術家・森村泰昌さんを迎え、出発点としての「おもしろさ」を手がかりに、アートを通じて現在の世界で起きている状況とどのように向き合うことができるのかを伺いました。インタビューの中で森村さんは、環境への配慮や資源の再活用について、「もったいないから節約するケチと違って、それをやること自体が面白いのが始末の極意」と語っています。この言葉は、環境配慮を我慢や義務としてではなく、発想を転換し、新たな表現や関係性を生み出す創造的な行為として引き受ける森村さんの姿勢を、鮮やかに浮かび上がらせています。

インタビュー記事では、森村さんが自身の個展で使用した大量のカーテンをユニークなアイディアで再活用する取り組み「アート・シマツ」プロジェクトを紹介しています。プロジェクトが生まれた背景や「ほぼ日」との協働、そして一見、役に立たないものとみなされることや、滅び行くもの、見捨てられてきたものに目を向ける森村さんの姿勢を通じて、気候危機という課題を別の角度から捉え直すための多くの示唆が語られています。

Podcast 新エピソードの公開|ゲスト:音楽家・安永哲郎

ACCJ/AITのPodcastシリーズに新エピソード「気候危機と環境音楽」を追加しました。
電子音楽を用いた即興演奏などで知られる安永哲郎さんとの対話を通じ、気候危機やAIの時代における「伝えること」と「聴くこと」の関係性について掘り下げています。私たち一人ひとりが環境にまつわる情報を感覚として捉え直す可能性について、静かに考えるひとときをお届けします。ACCJが主催した気候危機とアートのシンポジウムで安永さんに選曲いただいたプレイリストはACCJが発行する年刊誌『ARON’S JOURNEY vol.1』でも紹介しています。
聞き手:ロジャー・マクドナルド

今後の展開について

ACCJはギャラリーやアーティスト、他団体と連携した協働の可能性を視野に入れながら、対話と実践を往復させる活動を継続していきます。本年度は新たに公益財団法人小笠原敏晶記念財団からも助成を受け、東京以外の地域で活動する団体とのイベントや勉強会も実施していく予定です。具体化に向けた準備段階の取り組みについても、順次発信していく予定です。2026年のACCJの活動に、どうぞご期待ください。

アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン(ACCJ)について 

アートセクターの気候危機への意識向上と理解促進、また、その対策における有用なツールやリソースの発信、協働と支援の場を提供することで、アートセクター全体が地球環境に配慮した活動を構築することを目的としている。

運営:特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]

Special Supporter(特別助成):公益財団法人石橋財団

Supporter(寄付):株式会社ハースト婦人画報社 / (個人寄付):渡 伸一郎

AITについて

特定非営利活動法人 Arts Initiative Tokyo(AIT)は、2001年に6名のキュレーターとアート・マネジャーによって設立(2002年法人化)。
現代アートを「学び、対話し、思考する」ための場を提供することを目的とし、約20年にわたり教育プログラムや国際交流、企業連携によるアート・プログラムの企画・運営を行う。2021年よりGCCに加盟、2023年から3年連続で「アクティヴ・メンバー」に認定。2024年7月、気候危機とアートのアクションを通して、サステイナブルなアートセクターの構築を目指すプロジェクト「アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン(ACCJ)」を立ち上げ、環境意識の醸成と具体的行動の推進に取り組んでいる。

ギャラリー気候連合(Gallery Climate Coalition)について:2030年までにアートセクターの温室効果ガス排出量を50%削減し、ゼロウェイストの推進を目標に掲げる非営利的な活動を行う国際団体。アクティヴ・メンバーシップ制度は、過去1年間の持続的な環境配慮の実践が認められた個人・団体に毎年与えられる。

AITの気候危機へのアクション実績と今後の予定(一部)

  • 2026年7月(予定)ACCJ年刊誌『ARON’S JOURNEY vol.2 』発行

  • 2026年2月(予定)国立アートリサーチセンター(NCAR)主催のシンポジウム「ミュージアムと気候変動 ―サステナブルな未来に向けて」に共催として参画

  • 2026年1月 アーツカウンシル東京主催のフォーラム「芸術文化とクライメートアクション~実践から見える未来~」に参加

  • 2025年7月 ACCJ年刊誌『ARON’S JOURNEY vol.1 』創刊

  • 2025年7月 気候危機に対するアートセクターにおける応答についてのインタビューシリーズを開始

  • 2025年6月・7月「気候危機とアートの勉強会」第7・8回開催(ブリティッシュ・カウンシル 神楽坂および、苗穂基地 札幌)

  • 2025年4月 マガジンハウス『BRUTUS』特別編集「​​地球を思い、次世代に繋ぐ仕事集」にてロジャー・マクドナルドと片岡真実氏のインタビューを掲載

  • 2025年4月「気候危機とアートの勉強会」第6回開催(TODAビルディング「APK ROOM」)

  • 2024年7月27日 アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン(ACCJ)開始、特設ウェブサイトを公開

  • 2024年7月27日気候危機とアートのシンポジウム「アートセクターはどのようにアクションを起こせるか」開催(ヒルサイドプラザ、代官山)

  • 2024年5月・7月 「気候危機とアートの勉強会」第4・5回開催(CADAN有楽町およびAITルーム)

  • 2024年2月 「気候危機とアートの勉強会」第3回開催(森美術館、六本木)

  • 2024年 GCCより2年連続で「アクティヴ・メンバー」に認定

  • 2023年 GCCによる「非営利団体・公共団体のための、脱炭素アクションプラン」日本語版Ver.1リリース

  • 2023年〜 GCCより日本初の「アクティヴ・メンバー」に認定 ※3年連続

  • 2021年〜 『ウェブ版美術手帖』「AITブログ」にて気候危機とアートに関するコラムとインタビュー連載・発信継続中

  • 2021年〜 Gallery Climate Coalition に加盟