年間“創造人口 1000人”輩出へ。宮崎県新富町で劇場を起点に「つくる人」を生み出す新プロジェクト始動

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年間“創造人口 1000人”輩出へ。宮崎県新富町で劇場を起点に「つくる人」を生み出す新プロジェクト始動のメイン画像

年間30プロジェクト・100作品・創造人口1000人の創出を目標に、「ルピナスみらい劇場」から新富町に多様な人々と多彩な想像が溢れるまちが育まれていくことを目指します。

一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(所在地:宮崎県児湯郡新富町、代表理事:岡本啓二、以下「こゆ財団」)は、新富町文化会館「ルピナスみらい劇場」の2026年4月リニューアルにあわせ、劇場を起点に新富町内外に「つくる人」を生み出す町づくりプロジェクト『MIRISE(ミライズ)』を始動します。

MIRISEでは、新富町および新富町の人々と関わり、事業や作品、プロジェクトといった新たな価値を生み出す存在を「創造人口」と定義します。
本プロジェクトでは、年間30プロジェクト・100作品・創造人口1000人の創出を目標に置き、「ルピナスみらい劇場」から新富町に多様な人々と多彩な想像が溢れるまちが育まれていくことを目指します。

MIRISEロゴ:新富町文化会館が長年大切にしてきた「融合」の思想を継承し、新富町の中で、色や形の異なる「つくり手」たる存在が、つながり、溶け合いながらひとつの形になっていくことを目指すプロジェクトの姿勢が表現されています。(デザイン:Yutaro Masuda)

MIRISE 〜つくる つながる まちづくり〜

MIRISEは、新富町文化会館「ルピナスみらい劇場」を起点に、アーティストや起業家に限らず、農業、事業、商品、企画、場づくりなど、自ら描いた想像を形にしようとする多様な人々がつながり、実践者としての「つくる人」を町全体で育んでいくプロジェクトです。

2022年をピークに日本国内においても、10代、20代のインターネット利用時間が減少する※1 など、オンライン中心のコミュニケーションに変化が生まれる一方で、日本国内で実施されたクリエイティブ度に関する調査では、文化芸術活動(鑑賞・参加・企画・制作を含む)に関わることで、「新しいアイデアや発想などの気づきを得られる」と回答した人が約45%、「創造性やチャレンジ精神が育まれる」と回答した人が約38%にのぼっています※2。
これらの結果から、単なる情報接触ではなく、自ら主体的に創り出す深い臨場感を伴う体験を通じて、ビジネスにもつながるような自分自身の内面的な変化や創造性を得たいという志向が高まりつつあることがうかがえます。

また、都市社会経済学者リチャード・フロリダは著書※3『クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める』の中で、都市の経済成長と芸術・表現に関わる人口比率(ボヘミアン指数)との強い相関関係を指摘しています。表現する人が多く、挑戦を受け入れる土壌を持つ地域ほど、経済的な活力を生み出す可能性が高いことが示されています。

こうした背景を踏まえ、MIRISEでは、オンライン上ではなく深くリアルな体験としての「つくる」こと、また同じ時間と空間を共有する中で育まれる「つながる」関係性を重視した取り組みを通じて、AI活用やスキルに捉われず、自分自身および他者と向き合い新たな問いを立て、既存の想像の範疇を超えた創造を生み出す存在を増やし町全体の経済発展につなげていく。新富町の未来を「創造」と共につくっていくプロジェクトを目指します。

「つくる」

自分の想像を形にすることで、新たなインスピレーションを生み出し、自分自身やまちとの関係性を更新していく循環を追求します
MIRISEでは、「世界一チャレンジしやすいまち」を掲げて育まれてきた、挑戦を肯定し応援する空気を土台に、発表の起点となる場としての「ルピナスみらい劇場」を活用することで、関わるすべての人が「つくり手」となり、試し、表現し、次の一歩へと進んでいくまちを目指します。

「つながる」

単に人と人が出会うことではなく、分野や地域を越えて、想いや視点を重ね合いながら、ともに何かを生み出していく関係性を目指します。
 MIRISEでは、新富町内外から集まる多様な人々が対話し、ときに混ざり合いながらアイデアを形にしていく過程の中で、つながりが次の創造へと向かう原動力や新富町への深い愛へと連なっていく循環を生み出すこと目指します。

※1. 参照:総務省情報通信政策研究所(2025)
※2. 参照:『クリエイティブエコノミーが切り拓く都市の未来』山﨑新太[編著]、前田直之/大庭あかり/辻本綾香/本田紗愛/森本佐理/株式会社日本総合研究所[著](一般社団法人金融財政事情研究会、2025)
※3. 参照:『クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める』リチャード・フロリダ[著]、井口 典夫[訳](ダイヤモンド社、2009)


こゆ財団が取り組む背景

2024年(令和6年)の住民基本台帳人口移動報告によると、東京都を中心とした東京圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)では、他地域からの転入者が転出者を上回る「転入超過」が約13万5,800人に達し、コロナ禍前の水準に迫る勢いで一極集中が再び加速しています。

地方の労働力・消費基盤の縮小につながっているなか、単なる移住や交流人口の増加に留まらない新しい関わり方として「関係人口」の創出を目指した、地域資源の発信・課題解決・人的ネットワークの拡大につながるとして取り組みが進められています。※4

このような社会背景を踏まえ、新富町ではこれまでに地域が持つ魅力や課題と、外部の人材・知見をつなぐ中間支援機能の構築に着手してきました。こゆ財団としても、宮崎県新富町の関係人口創出に取り組むポジションとして「最高関係人口責任者」を置くなど、地域おこし協力隊や移住者との連携に力を入れてきた背景があります。

こうした取り組みの結果、国産ライチのブランド化、地場産品の販路拡大新たな価値創造、廃校利活用、空き家活用など、世代や地域、分野を越えた越境的なつながりの拡張により、地域内の経済・社会活動全体への寄与が確認されています。
MIRISEでは、こうした新富町およびこゆ財団が推し進めてきた取り組みをさらに深化させ、劇場を起点に「つくる」ことをベースにした深い体験を新富町に根付かせていくことで、地域経済が活性化し、都市と地域の横断が起こる未来を目指します。

※4. 総務省「住民基本台帳人口移動報告」(2025)


MIRISEプロジェクトが目指す未来

MIRISEは、文化芸術を起点に、以下の三つの変化を生み出すことを目指します。

① 新富町経済への貢献

演劇や映像作品などの文化施策を他分野と掛け合わせることで、新富町で生産されている商品が国内外へと広がっていく流通の活性化や、伝統産業の事業承継、起業、分野横断的な共創事例が継続的に生まれる環境を育てていきます。

新富町は約630の事業所と約6,800人の就業者を有し※5、卸売・小売業や製造業をはじめとする地域経済の基盤が形成されていますが、第三次産業の比率が高く、経済活動のさらなる広がりが求められる状況にあります。
また、2026年にJ2に昇格したテゲバジャーロ宮崎や、なでしこリーグ1部所属のヴィアマテラス宮崎のの盛り上がりとともに新富町への観光客は年々増加していますが、MIRISEでは従来の「訪れて消費する」観光に留まらず、新富町とともに作品やプロジェクトを生み出す“つくり手”として関わる人を増やすことで、継続的な来訪や滞在、再訪へとつながる新たな交流人口の拡大を目指します。
こうした背景のもと、MIRISEでは文化を一過性の「消費」で終わらせるのではなく、創造的な活動を地域の経済循環へと確実に接続していくことを重視します。

新富町の風景

② つながりが深くなる場作り

劇場を起点に、新富町民とともに作品づくりや多様なプロジェクトを進めていくことで、町の新たな魅力に出会う機会を生み出します
日本国内で実施された環境充実度に関する調査では、文化芸術活動(鑑賞・参加・企画・制作を含む)に関わることで、環境に対する幸福度が上がると約46%が回答する※6 など、地域における文化芸術の重要度が伺えます。
また、新富町の現住人口は約15,650人で、国勢調査による年齢構成では、0〜14歳の年少人口が13.4%、生産年齢人口(15〜64歳)が54.9%、65歳以上の老年人口が31.7% ※7を占めています。
MIRISEでは、表現や実践を通じた関係性を育むことで、新富町が「もっと関わりたい」。「もっと好きになれる」場所となることを目指し、世代を横断した交流や対話が自然に生まれる場や、若年層が地域で新たな挑戦を始め、継続できる環境づくりにもつなげていきます。

③つくり手とともに育つ町へ

新富町を訪れる人を増やすことにとどまらず、町とともにアイデアを形にしていく「つくる人」として関わり続ける存在を増やすことを目指します。
MIRISEでは、年間1,000人の創造人口を創出し、新富町と深く関わる人の層を継続的に広げていくことで、3年後には新富町の人口の約5分の1が「つくる人」として関与する状態を生み出すことができ、イノベーションや共創が起こりやすい環境の形成と、それに伴う経済的な波及効果が期待されます。
町との出会いをきっかけに新たな挑戦が始まり、個人の人生や価値観が変化していく。その一人ひとりの変化が重なり合うことで、町にはアイデアやプロジェクト、人材が循環する土壌が育まれていきます。

MIRISEは、人と人、町と人の関係性を丁寧に育てながら、単発的な交流にとどまらない、継続的に価値を生み出す「創造人口」を中長期的に創出しいきます。

※5. 参照:街グラフ(2025)
※6. 参照:参照:『クリエイティブエコノミーが切り拓く都市の未来』山﨑新太[編著]、前田直之/大庭あかり/辻本綾香/本田紗愛/森本佐理/株式会社日本総合研究所[著](一般社団法人金融財政事情研究会、2025)
※7. 参照:新富町公式サイト(2025)


プロジェクト体制

©️Yuta Nakayama

ルピナスみらい劇場 館長:岡本 啓二

新富町役場入庁後、税務・福祉・防災・農業振興・企画政策など幅広い行政分野を経験。2016年にこゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)の設立を企画し、ふるさと納税を2,000万円から4億3,000万円規模へと成長させた。2017年より同財団執行理事。2018年には国の「まち・ひと・しごと創生会議」優良事例に選定され、総理大臣官邸で事例発表。2022年より新富町長秘書室長を務め、2025年6月1日、こゆ財団代表理事に就任。地元無形文化財・三納代神楽の伶人長も務める。

©️Yuta Nakayama

総合演出:濱田 明良

演劇ユニット チックタックパーク主宰。脚本・演出・出演のすべてを担当し、「演劇をもっと身近に」をテーマに、コメディ作品やコント公演を数多く手がける。
2024年より宮崎県演劇協会 会長に就任。宮崎の演劇文化の発展に取り組む。
また、ユニット「あんてな」にも所属。演劇活動と並行して、宮崎サンシャインFM、宮崎ケーブルテレビなどでパーソナリティとしても活動。近年は、兄弟で行うコミュニケーションをテーマにしたトークショーの開催や、CMなどの脚本提供にも取り組んでいる。
【主な出演番組】
・「濱田兄弟のグンナイベイビー」
・「Sunfm Sunset Radioshow イドバタ!」
・「土曜ゴゴイチ!」
・「情報ワイド番組 まるっと!」

©️Yuta Nakayama

プロデューサー / Co-Creator:藤澤 さしみ

新卒でクリエイターエージェンシー最大手のクリーク・アンド・リバー社に入社。新規事業の責任者として、劇団・役者・大道芸など、舞台クリエイターとビジネスを繋げる”舞台芸術事業部”を立ち上げ、企業の周年事業への演劇導入や、IPと組み合わせた興行 / 舞台研修など事業推進。1000名以上のクリエイターのチーム組成やプロデュースに携わる。独立後、かけるアートを創業し、札幌市最大のクリエイティブコンベンション「NoMaps」東京拠点のディレクションや、業界最大級のビジネスカンファレンスの企画運営を複数行う。ビジネス×アート表現をテーマに、事業推進。関西大学 落語研究部出身。関西大学ビジネスデータサイエンス学部 非常勤講師。

©️Yuta Nakayama

クリエイティブマネージャー:エンドウレイ

1997年生まれ。鳥取県出身。早稲田大学卒。一般社団法人ORIGIN代表。合同会社かけるアートCXO。イベントやアーティストのプロデュース、舞台演出、リコーダー演奏家などマルチに活動。
エンタメ会社や大手経済メディアでのPRやイベント制作を経て、22年渡米をきっかけに一般社団法人ORIGINを設立。10ジャンルのパフォーマンスでつくる「浦島太郎」や日光市と組み日本庭園を使った大衆演劇×ノンバーバルショー等の演出・制作、また、竹中直人や片桐仁ら現代アーティストと共に鳥取の魅力を探求するイベントの主催など全国各地で文化芸術を推進する活動を行なっている。

©️Yuta Nakayama

コミュニケーションマネージャー:有賀 沙樹

教育、エンターテインメント、介護、クラウドファンディングなど多様な分野を経験後、独立。研修講師として主に行政・自治体職員向け研修の企画・運営を行う。2021年に東京から宮崎県新富町へ移住し、一般社団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)にて人財育成プログラムの企画・運営や、町の公式キャラクター「おとみちゃん」の運営を担当。同年よりVC公式Podcast番組「起業家のキモチ」を立ち上げ、コミュニティマネージャー兼パーソナリティとして活動。オンラインスクール事業のコミュニティマネージャーも兼任し、「ひと・企業・地域をつなぐ」ことを軸に活動している。

©️Yuta Nakayama

特別戦略アドバイザー:高瀬 直史

四万十町役場在職中に担当した地域おこし協力隊業務では、58 名の隊員を採用 (応募者 158 名)。協力隊制度を活用した先進自治体として注目される。また、移住希望者が利用できる住宅整備に力を入れ、5年間で445 組 625 人の移住者を受け入れてきた。手がけた移住パンフレットは、地域プロモーションアワードふるさとパンフレット大賞を受賞。
令和3年3月に18年勤めた町役場を退職し、令和3年4月よりSTS Inc.代表取締役に就任。総務省地域力創造アドバイザー、国土交通省国土審議会委員、地域活性化センターフェロー、高知県UIターンサポートセンターアドバイザーも務める。
現在は、地方自治体の課題解決に寄り添う傍ら、移住施策や地域おこし協力隊制度の活用についての講演を行うなど、移住者を確保するための効果的な手法について広く伝えるとともに、関係人口創出のため首都圏において、自治体プロモーションを展開している。

主催・運営:一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
連携パートナー企業:合同会社かけるアート


新富町について

宮崎県中央部に位置する新富町は、古来より「日向(ひむか)」と呼ばれた地域文化圏の一角を成し、日本神話の舞台として語り継がれてきた土地です。
 日向神話では、天孫降臨神話に代表されるように、神々がこの地に降り立ち、国づくりを始めたとされ、人と自然、神と人とが近しい関係の中で共に生きてきた世界観が描かれています。

新富町周辺には、そうした神話的世界観を背景に持つ神社や祭礼、土地の呼び名や風習が今なお息づいており、目に見えない物語や祈りが、日常の暮らしの中に静かに重なっています。
 神話は単なる物語としてではなく、土地の成り立ちや人々の価値観、共同体のあり方を形づくる精神文化として、世代を超えて受け継がれてきました。

また、新富町は農業や商業を基盤としながら、人と人とのつながりを大切に育んできた町でもあります。
 神話が示す「共に生き、共に創る」という思想は、現代においても町の文化や営みの根底に流れており、新たな挑戦や表現を受け入れる土壌となっています。

新富町の風景②

ルピナスみらい劇場について

新富町文化会館「ルピナスみらい劇場」は、町民の文化活動の拠点として長年親しまれてきた、新富町を代表する公共文化施設です。
コンセプトの一つに、「融合」を掲げ、演劇や音楽、講演会をはじめとする多様な催しを通じて、舞台芸術と地域、鑑賞と参加、プロと町民といった異なる要素が出会い、交わりながら、新たな価値や関係性を生み出していくことを大切にしてきました。
また、「ルピナス」という名称には、花言葉である「想像力」「寛容」「多様性」といった意味が込められており、誰もが自分らしく関われる“ひらかれた劇場”であることを象徴しています。

所在地: 〒889-1403 宮崎県児湯郡新富町上富田6367−1


こゆ財団について

2017年4月に、持続可能な地域の実現を目指して宮崎県新富町が設立した地域商社。「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンのもと、1粒1,000円のライチに代表される地域資源のブランディングで外貨を稼ぎ得られた利益を町や人財育成に投資している。ふるさと納税運営業務では、8年間で累計100億円以上の寄附額を達成。新富町と多様な企業との連携事業や生活利便性の向上に役立てられています。

▶︎WEBサイト


合同会社かけるアートについて

人と人、人と地域、人とコンテンツなど、人がアクセスするあらゆるものとのつながりを、文化芸術を起点とした取り組みを通して価値へと変換していくカンパニー。

ビジョンやサービスをアート作品を通して、新たなつながりを生み出すアートカンファレンスや、テクノロジー、社会、クリエイティブを横断する都市型複合フェスティバルの企画・運営など、北海道や静岡など全国各地の芸術祭やイベントのプロデュースを行なっています。
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WEBサイト