地域文化と未来をつなぐアートプロジェクト作品
独自形状の暖簾「扇暖簾」を展開するブランド THE NORENMAKER（デザイナー：川畑健人） は、第59回かわさき市美術展において、アートプロジェクト作品《imaginary folklore – eye –》が最優秀賞を受賞しました。
◾扇暖簾
扇暖簾は、デザイナーの家業である川崎区の老舗居酒屋「戸田ヤ」を起点に生まれました。
来店のハードルや店先の印象といった課題に向き合う中で、「暖簾そのものの形をより優しい形に変えられないか」という思いから着想されたプロダクトです 。
従来の四角い暖簾とは異なり、半円形の曲線を持つ独自形状は、空間にやわらかな余白と動きを生み出
し、心理的な敷居を下げる役割を果たします 。
この形状は意匠登録を取得しており、現在は店舗用・空間演出用のプロダクトとして展開されています 。
◾imaginary folklore
imaginary folklore（空想の伝統） とは、かつて確かに存在していたが、失われつつある地域文化や記憶を扇暖簾に落とし込み、現代の表現として新たな物語を立ち上げる試みです 。
◾伝統技術
本作品-eye-の制作にあたっては、川崎市伝統工芸館 にて藍染めの工程を学び、染色を行いました。
同館は、川崎で営まれてきた藍染の伝統技術を保存・継承し、市民や次世代に向けた活動を行っている施設です 。
本作は、そうした取り組みの中で得た学びをもとに制作されたものです 。
◾プロダクト-アート
本作品名の -eye-は「眼」であると同時に「藍（あい）」を重ねた言葉遊びでもあります 。
藍色の奥行きある表情を通して、地域の記憶と未来を静かに見つめる“眼差し”を表現しました。
京都デザイン賞の入選に続き、かわさき市美術展での最優秀賞受賞により、扇暖簾はプロダクトデザイ
ンにとどまることなく、アート・地域文化・伝統技術を横断する表現として提示されました。
今後は、扇暖簾を起点に、各地の文化や伝統と向き合いながら、新しい「入口」のあり方を提示してい
く活動を続けていきます 。
◾THE NORENMAKER
THE NORENMAKER は、「入口をひらく」という視点から暖簾を再定義するブランドです 。
単なる装飾やサインではなく、人と場所、内と外をつなぐ存在として暖簾を捉え直し、プロダクトデザインと文化的文脈の両立を目指しています 。
本作《imaginary folklore – eye –》は、その扇暖簾をアートプロジェクトとして展開した作品です 。
デザイナー
川畑 健人
2014年 文化服装学院アパレルデザイン科メンズデザインコース卒。
卒業後アパレル販売職に従事。
現在は会社員として働く傍ら、家業の居酒屋を起点に扇暖簾を発案し展開。
活動実績
・2024年 意匠権獲得。
・2025年よりTHE NORENMAKERを展開し、飲食店やサービス店舗のみならずホテルやアパレルブ ランドのポップアップ空間、屋外イベントなど多岐に渡り製作。
・2025年度 京都デザイン賞 入選
・2025年度 第59回かわさき市美術展 最優秀賞受賞
会期
ミューザ川崎シンフォニーホール
4階 企画展示室
【入選作品展】2026年2月19日～2月25日
【入賞作品展】2026年2月27日～3月7日
時間
9時～17時(最終入場16時30分)
※最終日3月7日は12時まで(最終入場11時30分)
掲載協力施設
川崎市立日本民家園 川崎市伝統工芸館
江戸時代頃に川崎で営まれていた藍染めの伝統技術を守りつつ、
新しい表現を生み出す「カワサキ・ブルー」を発信している。
事前予約で藍染め体験ができます 。
掲載協力店舗
川崎区 戸田ヤ
1940年代に酒屋として創業。1985年に居酒屋へと展開し、現在は３代目の姉妹が営んでいる。
扇暖簾発祥の店舗。
https://www.instagram.com/toda_ya/
概要、お問い合わせ
【ブランド】 THE NORENMAKER
【代表】 川畑 健人
【所在地】 神奈川県川崎市川崎区浅田3－8－1
【内容】 扇暖簾の企画、デザイン、製作
【メール】 rzzl6817@gmail.com
【公式】 https://rzzl6817.wixsite.com/-site-2
【SNS】 https://www.instagram.com/the_norenmaker/
メール又は公式サイトフォームよりお問い合わせください。
