水曜日, 11月 26, 2025
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【アナログVSデジタル|イラスト制作でよく使うツールランキング】500人アンケート調査

イラスト制作でよく使うツールに関する意識調査

オンラインイラスト教室を運営する株式会社アタム(本社:東京都港区、代表取締役:宮澤惇、以下 アタムアカデミー)は、趣味や仕事でイラストを描いている500人を対象に「イラスト制作でよく使うツールに関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化しました。

イラストを始めたい人にとって、「イラストを描くのに使うツール」を決めることは、大きな分岐点となります。

大きくは「アナログ」と「デジタル」という違いがあり、アナログの中やデジタルの中でも、さまざまなツールがあります。

今回、オンラインイラスト教室を運営するアタムアカデミー( https://atam-academy.com/ )は、趣味や仕事でイラストを描いている500人にアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめました。

調査結果に対して、イラストレーターの田上千晶( https://chiakitagami.com/ )氏よりご考察いただいております。

【データの引用・転載についてお願い】

本リリースの調査結果・画像をご利用いただく際は、必ず「アタムアカデミー」のURL( https://atam-academy.com/ )へのリンク設置をお願い致します。

【調査概要】

調査対象:趣味や仕事でイラストを描いている人

調査期間:2025年10月27日~11月5日

調査機関:自社調査

調査方法:インターネットによる任意回答

有効回答数:500人(女性367人/男性133人)

回答者の年代:10代 2.2%/20代 26.4%/30代 35.6%/40代 21.6%/50代以上 14.2%

【調査結果サマリー】

・イラスト制作に使うツールはアナログ・デジタルが拮抗

・イラスト制作でもっともよく使うツールは「色鉛筆」

・今後使ってみたいツールは「生成AIを利用したツール」

イラスト制作に使うツールはアナログ・デジタルが拮抗

趣味や仕事でイラストを描いている500人に「よく使うツールはアナログかデジタルか」を聞いたところ、「断然アナログ(28.2%)」「どちらかといえばアナログ(18.2%)」と、アナログ派が全体の46.4%を占めました。

一方、デジタル派は「どちらかといえば(22.2%)」「断然(21.6%)」が合わせて43.8%で、僅差ながらアナログ派が上回る結果となりました。

近年はタブレットやペイントソフトの普及により、デジタル制作が身近なものとなっていますが、アナログを選ぶ人も多く見られます。

アナログとデジタルの利用割合が拮抗していることから、現在のイラストシーンは「完全なデジタル移行期」ではなく、両者が共存する時代にあるといえるでしょう。

<アナログツールをよく使う理由>

・デジタルだと機能が多すぎて使い方を覚えられず、すぐには慣れないから(10代 女性)

・画のタッチや描く感覚が、アナログのほうが好きだから(20代 女性)

・小さい頃からずっとアナログでのイラスト描きに慣れているので、自然とアナログを選んでしまいます。自分の筆圧が再現されやすいことや、アナログならではの仕上がりも好きで、アナログを続けています(40代 女性)

アナログツールを選ぶ人の多くが、慣れのほかに「描く感覚の心地よさ」や「表現の繊細さ」を大切にしていることがわかりました。

小さい頃からアナログで描いてきた人にとって、ペンタブなどでは書き心地に違和感を覚えることもあります。また、筆圧やインクの滲みなどでの表現がしやすいのも、アナログならではです。

デジタルツールに挑戦した人もいましたが、機能の多さや感覚の違いなどに慣れず、アナログに戻ってきたというコメントも。「タブレット・パソコン」「有料のイラスト系ソフト」など高機能なデジタルツールを揃える場合には費用もかかるため、費用面がネックになるという意見もあります。

<デジタルツールをよく使う理由>

・「描いた線をパッと消せない」「拡大縮小や投げ縄機能がない」など、アナログは難しい(10代 女性)

・手軽に修正でき、暗い場所でも色彩がはっきりわかるので、デジタルで描くことが多いです。デジタルデータとして保存でき、SNSへの投稿が綺麗にできるのも理由(20代 男性)

・初めからデジタルで描き始めたという理由がひとつ。あとは「レイヤーの概念が便利」「画材を買い足さなくてもいい」「作業スペースを確保しやすい」などの理由で、デジタルを選択しています(30代 男性)

・一番の理由は、アナログで描ける実力がないこと。デジタルはトレースしやすく、紙が無駄にならず、修正もしやすい。削除可能で場所を取らず、描くことの無駄感や罪悪感も薄い。綺麗な線を描け、必要な色も作成できる。アイデアを重ねたり、比べたりすることも簡単(40代 女性)

デジタルツールの便利さや効率の良さを魅力に感じている人が多くなりました。

デジタルツールだと、描いた線をすぐに修正できたり、レイヤーを使って重ね描きできたりします。描く人の技術を補ってくれるような機能も多く、「アナログでは無理でも、デジタルなら描ける」という意見も。最近では筆圧を反映したり、アナログっぽさを売りにしたりしているデジタルツールもあります。

さらに画材の準備や片付けの手間が少ないことから、スキマ時間や少ないスペースで作業しやすいのも魅力となっています。「子どもが小さいので、いたずら防止でデジタル」という声もありました。

イラスト制作でもっともよく使うツールは「色鉛筆」

「イラスト制作でもっともよく使うツール」の1位は「色鉛筆(29.8%)」でした。2位「ibisPaint(20.2%)」、3位「CLIP STUDIO PAINT(13.6%)」、4位「Adobe Photoshop(11.2%)」と、2位から4位まではデジタルツールが続きます。

アナログでは「色鉛筆」「鉛筆」「シャープペンシル」「コピック」「ボールペン」などがランクイン。アルコールマーカーであるコピック以外は、日常生活でよく使う手に入りやすい画材です。

デジタルでは「ibisPaint」「CLIP STUDIO PAINT」「Photoshop」「ProCreate」「Illustrator」がランクイン。いずれも人気で使用人口の多いツールです。

<1位 色鉛筆>

・メーカーによって塗り心地が違って楽しい。繊細な色表現ができる(20代 女性)

・高い道具なんて揃えなくてOK。十分ですし、コスパ最強なので気軽に練習できます。気軽に始められる点がとても大事です(30代 男性)

・色鉛筆は扱いやすく、色の重ね方で温かみのある表現ができるからです(50代以上 男性)

色鉛筆は、誰にでも馴染みやすく、手軽に始められる画材であるというメリットがあります。

表現の面では「温かみのある表現ができる」「繊細な色表現ができる」という強みがあります。メーカーによって塗り心地や発色が異なるため、お気に入りを探すのも色鉛筆ならではの楽しみです。

<2位 ibisPaint>

・無料で多くの機能を使えるから。ペン種類も豊富で、画質も調節可能なため描きやすい(20代 女性)

・前は苦手でしたが今はもうアイビスペイント以外使えなくなってしまいました。まだまだわからない機能はありますが、スマホで使えるので待ち時間などでも作業できるのがいいです(30代 女性)

・スマホやタブレットで手軽に描け、レイヤー機能やブラシの種類が豊富で、表現の幅が広がるからです(50代以上 男性)

「ibisPaint(アイビスペイント)」は、スマートフォンやタブレットで利用できる日本発のお絵描きアプリです。有料版と無料版があり、無料版でも使える機能が豊富であることから人気があります。

「デスクでじっくり」でも「外出先やスキマ時間でささっと」でも作業できる点が支持されています。

<3位 CLIP STUDIO PAINT>

・イラストよりも漫画を描くほうが多く、漫画制作ソフトとして使い慣れているためイラストでも使用しています。ペンや素材が多く、選ぶのが楽しいのもあります(30代 女性)

・持ってるアプリの中では一番多機能。また使用人口が多いのでHow to情報もネットで探しやすい(40代 男性)

「CLIP STUDIO PAINT」は日本発のペイントソフトで、PCでもタブレットでもスマホでも利用できます。

漫画、イラスト、アニメ制作に対応できる多機能さが特徴で、プロからアマチュアまで幅広く支持されており、使用人口が多いソフトのひとつ。使用人口が多いと参考になる情報も多くなるため、初めて使う人でもわかりやすく、利用のハードルが下がります。

<4位 Adobe Photoshop>

・昔からあるツールのため、改善改良がされており、とても使いやすいから(30代 女性)

・Photoshopやillustratorは昔から使ってますし、業界標準で副業をやるには必要になるからです。ゆっくりムービーメーカーで立ち絵を作るときには、Photoshopを使用しています(40代 男性)

クリエイティブ関連ソフトを手掛けるAdobe社の人気ソフトが「Photoshop」。画像編集ソフトとして知られていますが、イラスト制作の分野でも人気です。

とくに、昔からあることを理由として挙げた人が多く、「老舗ソフトとしての信頼性」「改良を重ねて使いやすくなっていること」「慣れ」などが支持の理由となっています。

<5位 鉛筆>

・濃淡で影と光の感じが綺麗に出るから好きです。儚い系から漫画みたいな力強い感じも再現しやすくて楽しいです(20代 女性)

・シンプルなぶん、純粋な表現力で勝負できるからです(30代 男性)

鉛筆は表現の幅が広い道具です。例えば筆圧によって線の濃淡を変えられますし、陰影や質感も再現できます。

また「家にあるもので気軽に始められる」「シンプルだからこそ表現力が試される」という点も評価されていました。

<6位 シャープペンシル>

・シャーペンは間違ったらすぐ消しゴムで消せる(40代 女性)

・昔から慣れ親しんでおり 線を細く描けるところも気に入っています(50代以上 男性)

シャープペンシルは鉛筆と違い、芯を削る手間がなく、細い線を安定して描けます。機能性よりも、描きやすさや身近さを重視する人にとって、シャープペンシルは親しみやすい創作ツールです。

お気に入りのシャープペンシルのブランドがある人もいました。

<7位 コピック>

・色の重ね方でグラデーションが自然に作れ、発色も美しいところが気に入っています。紙に吸い込むように色が広がる感覚は心地よく、アナログならではの表現ができる点も魅力です。ペン先のやわらかさも扱いやすく、繊細な影や光の表現がしやすいです(30代 女性)

・さまざまな細さの商品が展開されていて、重宝する(40代 女性)

「コピック」は、日本の会社が開発したアルコールマーカーの総称。商品としては「コピックチャオ」「コピックスケッチ」「コピッククラシック」などがあります。

発色の良さや色数の多さ、描き心地の良さを支持する声が多く、アナログで絵を描く人に高く評価されていました。

<8位 ボールペン>

・スキマ時間で描くのにちょうどいい。修正できないので緊張感が出る(20代 女性)

・大体どこでも手元にあるからわざわざ探す手間がない。連絡帳などのサインにも、イラストを描くことが多いから(30代 女性)

ボールペンは、鉛筆やシャープペンシルと違って修正が難しいぶん、一発勝負の緊張感がもてます。

「水性ボールペンでわざと滲ませる」「滲まない速乾の油性ボールペンを使っている」というコメントも。ボールペンの中でも、特徴によってさまざまな表現が可能だとわかります。

<9位 Procreate>

・Apple pencilとの相性がよく、デジタルながらアナログっぽいよさもあるところ(20代 男性)

・Procreateはブラシの質感がよく種類豊富で、なおかつ使いやすいため。文字入れしない&買い切りアプリなら一択(30代 女性)

・iPadで描いているのでProcreateを使っています。ブラシの種類が豊富で、細かな調整も可能なところが気に入っています。またアップデートが入るたびに使いやすさが増していて、ユーザー目線のサポートも大変気に入っています(40代 女性)

Procreate(プロクリエイト)は、iPad専用のデジタルイラストレーションアプリです。Apple pencilとの相性がよく、鉛筆や水彩など「アナログっぽい質感のイラスト」を描ける点に魅力を感じている人が多くなっています。

<10位 Adobe Illustrator>

・描きやすい。機能が豊富で効率的に描ける(30代 女性)

・本業でも使っていて使い勝手がよい。もっとも使い慣れたツールだから(40代 男性)

・パソコンを使いだした当時から長年使っているので、手放せないものとなっています。自由自在に修正ができ、手書きではできないことも納得いくまで作業できます(50代以上 男性)

「Adobe Illustrator」はPhotoshopと同じくAdobe社が提供しています。その名の通り、イラスト制作用のソフトです。

クリエイティブ業界で長く使われていることから、長年使い慣れた安心感を挙げた人も多くなりました。

今後使ってみたいツールは「生成AIを利用したツール」

「今後使ってみたいツール」として圧倒的に多かった回答は「生成AIを利用したツール(28.0%)」でした。AIがアイデア出しや構図提案をしてくれることへの期待が高く、学びやスキルアップのサポートとして活用したいという意識も伺えます。

以下、2位「CLIP STUDIO PAINT(8.6%)」、3位「Adobe Photoshop(5.2%)」が続きます。

・生成AIには少し期待している。イメージを簡単に描けば、それをリアルにしてくれるなど(20代 男性)

・AI作成ツールや、ChatGPTを使用したイラスト作成に興味をもっています。自作イラストの修正箇所や書き方などをAIに聞きながら行うことで、さらにスキルアップにもつながるのではないかと思うからです(20代 女性)

・CLIP STUDIO PAINTの3D機能を活用してみたいです。ポーズ素材を自由に動かせるので構図の勉強にもなりそうです。また、アルコールマーカーも気になっており、デジタルにはない滲みや発色の表現を試してみたいと思っています(30代 女性)

・アナログは今のままで充分。デジタルだとPhotoshopの使用者をよく拝見するので、一度使ってみたいです(30代 女性)

・液晶タブレットです。筆圧感知や描き心地の違いを体感し、デジタル作業の幅を広げたいと思います(50代以上 女性)

全体的には生成AIも含めたデジタルツールに興味をもっている人が多くなっています。

また「CLIP STUDIO PAINT」「Adobe Photoshop」「コピック」など、すでに使っている人も多い人気ソフト・道具への関心も高くなりました。「人気だけれど、まだ使ったことがない」という人にとっては、魅力的なツールであるとわかります。

それぞれのツールに興味をもつ理由としては「表現の幅を広げたい」「スキルを高めたい」「制作ペースを上げたい」などが多く挙げられました。

まとめ

今回の調査では、色鉛筆や鉛筆といったアナログツールが根強い人気を保っていることがわかりました。「身近にあるので使いやすい」「思いついたときにパッと使える」というメリットがあるからです。表現の面でも、紙とペンで描く方法の心地よさや繊細さが評価されていました。

一方でデジタルツールを使っている人は、「ibisPaint」「CLIP STUDIO PAINT」など、高機能なイラスト制作用ソフトを愛用しています。

イラスト制作用ソフトには補正機能などが搭載されており、使いこなすことでイラスト制作の効率がアップします。アナログに近い表現が可能になるツールなどもあり、実際に使ってみて驚き、デジタルに移行したという人もいました。

デジタルとアナログはそれぞれに良さがあります。また、練習はアナログで本番はデジタルなど、シーンによって使いわけることもできます。

自分が目指す表現や、描きやすくなる環境を可能にするツールを選ぶことが大切です。

アタムアカデミーでは、デジタルイラスト制作の業界標準アプリケーション「アイビスペイント」および「スケッチブック」を活用し、実践的なスキル習得を実現。受講生は、ブラシツール、ペン、塗りつぶしツールといった基本的な描画機能の習得から、ぼかしツールやフィルター機能を駆使した独創的な表現技法まで、段階的に技術を身につけることができます。

アタムアカデミーで学べること(小学生クラス)

https://atam-academy.com/primaryschool/

アタムアカデミーで学べること(中高生向けクラス)

https://atam-academy.com/juniorschool/

なお、上記推奨アプリケーション以外での受講も可能ですが、アプリケーション固有の機能に関するサポートには一部制限がある場合がございます。詳細については、お問い合わせください。

▽田上千晶氏の考察

手に取りやすい身近な画材が上位にランクインしていますね。やはり気軽で親しみやすく、利便性の高いものが選ばれやすいのでしょう。

画材選びは目的ではなく「描きたいものを描く」ための手段ですので、「アナログかデジタルか」という枠にとらわれず、気になった画材は気楽に試してみるとよいのではないでしょうか。そのことで表現の幅も広がり、創作の楽しさが増すと思います。

生成AIを利用したツールへの関心の高さも見逃せません。進化し続けるこれらのツールと向き合ううえでも、画材を選ぶ際にも、「何を描きたいのか」を自分と対話し、価値観や美意識を育てていくことが大切なのではないでしょうか。

■監修者紹介

田上千晶(たがみ ちあき)

イラストレーター。成城大学国文学科卒業後、セツ・モードセミナー卒業。

海外文学などの書籍装丁を手がけるほか、雑誌、広告、Webなどで活動中。

2025年は通算10回目となる個展「Ordinary Time」をサンブンノイチギャラリーにて開催。

作品集に『News from Nowhere』(絵・田上千晶/詩・佐藤由美子、トランジスタ・プレス刊)がある。

公式ウェブサイト https://chiakitagami.com/ 

【データの引用・転載についてお願い】

本リリースの調査結果・画像をご利用いただく際は、必ず「アタムアカデミー」のURL( https://atam-academy.com/ )へのリンク設置をお願い致します。

■アタムアカデミーについて

アタムアカデミーは、子供の創造性を育てるオンラインイラスト教室です。2020年5月よりオンラインのイラスト教室としてサービス提供開始し、2023年7月現在、小中学生を中心に日本全国から生徒が通う日本最大級のイラスト教室にまで成長しています。

サービスサイト:https://atam-academy.com/online/

■株式会社アタムについて

株式会社アタムは、「イラスト教育により子供の可能性を最大化する」をビジョンにオンラインイラスト教室を運営するスタートアップです。

所在地:東京都港区

代表者:代表取締役 宮澤惇

コーポレートサイト:https://atam-academy.com/

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