総合芸術家アリカワコウヘイの年に一度の大展覧会「アリカワコウヘイ展 – KO-HEY! ARIKAWA EXPO™️」が、今年も沖縄で開催されている。開催21年の「集大成」とも言える今展を取材した。

総合芸術家アリカワコウヘイ(MBG arts所属)の年に一度の大展覧会「アリカワコウヘイ展 – KO-HEY! ARIKAWA EXPO HAPPY GO ROUND™ 2025」(主催:studio-a株式会社)が、今年も沖縄で開催されている。「EXPO」としては21回目を迎えた今展では、昨年、節目の20年を迎えたことで改めて原点に立ち返り、新しいEXPOの形を模索したという。21年かけてアリカワの目にようやく見えてきたという、EXPOの真のテーマとは。
■「居場所」という名の作品
アリカワが、幼少期から求め続け、作り続けてきたのは「自分の居場所」。
複雑な生い立ちから自身が幼少期に感じた孤独や不安を超えて、自らの手で「居場所」を作り続けてきた軌跡が総合芸術家アリカワコウヘイの原点だ。

小学校のお道具箱の中、歩道橋の下に作った小さな小屋——幼い頃から彼が作り続けてきた「自分の居場所」が、近年、「作品」として明確な思考を持って制作されるようになり、EXPOを訪れる一人一人の「心の居場所」となっている。
今展のサブタイトル「My place is your place,too.(僕の場所はキミの場所)」はまさにそのテーマが集約された言葉だ。
■日常と夢のあいだで、世界を優しく塗り替える

EXPOの最大の特徴とも言えるのが、海沿いの音楽ホール一棟を年に一度貸切り、ホール内を作品のテーマごとに区切り、作品展示のみでなく、音、香り、さらにグッズ制作や販売、来場者の対応に至るまで演出をすべて本人が手がける総合芸術空間だ。それが全て本人の手による作品だということに驚きを隠せない。
毎年通い続けるファンからは「EXPOはいつも幸せな空気で満たされている」「ここに来ることが年に一度の自分へのご褒美」「EXPOに来ると心が安らぐ」などの声があがる。
今展ではその「居場所」というテーマに合わせ、「place」シリーズの最新作を発表。


会場で本人の手により即興で建てられた小屋型の作品の中は誰もが「居場所があることの幸せ」や「自分が守られているという感覚」を深く体感できると老若男女問わず人を集めている。
■「それでもキミは戦うのか」から続く物語

2008年、活動6年目に発表された異色のシリーズ「それでもキミは戦うのか」。
笑顔を描けなくなった時期に生まれたこの作品群は、アリカワの中にある“痛み”を正面から見つめ直し作品に昇華させた転機となった作品だ。
それから17年——いま彼が描く「戦う」は、痛みから逃げずに乗り越えてきた彼だからこそ描ける再生と希望の優しさを内包している。
悲しみも迷いも受け入れた上で、それでも光を探し続ける「生きる力」そのものを描き切った眼差しは年齢や性別を超えた多くの鑑賞者の心に語りかける。
その他、ザ・リッツカールトン沖縄のメインエントランスでの常設作品が評判を呼んでいる
「Lamination」シリーズや「Monolith-naked-」など最新作が並び鑑賞者の心を掴んで離さない。


■「HAPPY GO ROUND™」——幸福が人から人へ世界を駆け巡る世界へ
2005年に沖縄で始まった「EXPO」は、これまでに20万人以上を動員。
「見て、体感できる体験型展覧会」として、全国でも類を見ない存在となり、会場には海外、県外からの来場者も。近年では「私の国でも展示して欲しい」などの声も寄せられるようになった。
海沿いのホールをまるごと使った幻想的な空間は、赤ちゃんからお年寄りまで、訪れるすべての人が笑顔になる「アートの発明」。
年に一度、この時期だけ扉が開くEXPOの世界を、あなたも体感してみては。


■開催概要
アリカワコウヘイ!EXPO 2025 in 沖縄
会場:ムーンテラス東崎音楽堂(沖縄県中頭郡西原町東崎22-3)
会期:2025年11月25日(火)まで
時間:11:00〜17:30(最終入場17:00)
入場料:大人700円(高校生以下・65歳以上無料)
全国のファミリーマートでは会場よりもお得な特別入場券を販売中
※アリカワコウヘイの出身地・沖縄の未来を担う子どもたち(小学生以下の来場者)のために19年間続く毎年恒例の「新作オリジナル絵本」か「じゆうちょう」のプレゼントを今年も実施中(先着)。

■主催
studio-a株式会社