映像とアートの国際フェスティヴァル「恵比寿映像祭2026」開催!
公式サイト:https://www.yebizo.com/
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、日本経済新聞社は、2026年2月6日(金)から2月23日(月・祝)までの16日間、東京都写真美術館をメイン会場に、映像文化とアートの現在を横断的に紹介する国際フェスティヴァル「恵比寿映像祭2026」を開催いたします。

今回のテーマは「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」。メインキュレーターを務める邱于瑄(チィウ・ユーシュェン)による台湾語からの発想を起点に、光と声が重なり合う“ポリフォニック”な共感の場を構想します。東京都写真美術館をメイン会場に、写真、映像、サウンド、パフォーマンスなど多様な表現が展開され、コミッション・プロジェクト特別賞受賞作家個展や東京都コレクションの特別公開、地域連携プログラムも実施。光と音に包まれながら、多様な文化が響き合う体験を届けます。



総合テーマ あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight
いま社会は多様性の尊重を重視しています。しかし、人、文化や言語などの間にはたとえ共通点があったとしても、誤解、誤読は生じます。そして、戦争は止まず、格差は埋まらず、さまざまな摩擦の終わりが見えません。私たちはアンバランスで複雑な社会状況に直面しています。
「恵比寿映像祭2026」の総合テーマは、メインキュレーター・邱于瑄(チィウ・ユーシュェン)による台湾語が起点です。台湾語は口承で広がった言語で、19世紀に生まれた発音記号や、20世紀の漢字表記の展開を経て、多くの文献が編まれました(その中には1931年に出版された、台湾語–日本語の辞書『台日大辞典』なども含まれます)。日本語とも共通点が多く、いくつかの表記法が混在している言語です。
「日花(*1)」(ジッホエ/Jīt-hue)と「聲音(*2)」(シアーイン/Siann-im)を組み合わせた台湾語は、ひとつとして同じものがないさまざまな声音が響く空間に、木々の間から洩れた光が差し込む様子を現します。私たちを取り巻く環境では、重奏するように異なる声が行き来し、多声的に折り重なって響いています。
私たちは、長い歴史の変遷によりさまざまな文化が積層した台湾の言葉を導線に、いまの社会に存在する多様な文化、言語などが互いに影響し合う複層的な形に柔らかく光を注ぐ思いで、恵比寿映像祭2026を構成します。
写真、映像、サウンド、パフォーマンスなどを通じて、不協であったとしても響き合い、重なり合う思考や存在が交差し、視覚的・聴覚的なポリフォニー(*3)を深く形成していきます。個々の声や形は消されることなく、複数の視点が交差して拡張されます。美術館に留まらず、恵比寿地域の複層的な空間で出会う数々の作品を通じて、あなたの柔らかな思索をお楽しみください。
*1 木洩れ陽。雲間もしくは木の間などより洩れ来る日光。『台日大辞典』より
*2 声音、音色、音、音声。
*3 複数の独立したメロディーが同時に存在し、互いに調和し合うことを意味する音楽用語。共同参加が可能な開かれた構造という概念として、現代では哲学や文化領域など、さまざまな分野においても応用されている。
東京都写真美術館をメイン会場に映像、写真、音、パフォーマンスが街へ広がる光と声が響き合い、恵比寿がアートに包まれる16日間!
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メイン展示プログラム(会場:東京都写真美術館全フロア)
写真、映像、サウンド、パフォーマンスなど多様なメディアを横断し、人類学的な視点から「声」「環境」「記憶」「誤読」をテーマに展開する展示プログラム。地下1Fでは“移動”を起点にしたサウンドスケープが広がり、2F展示室では、言語や社会のルールを再考しながら「ズレ」や「誤解」から生まれる表現の可能性を探ります。
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新しい才能と出会う「コミッション・プロジェクト」(会場:東京都写真美術館3F展示室)
東京都写真美術館の継続事業として、2023年に始動した「コミッション・プロジェクト」。日本を拠点に活動するアーティストを選出し、新たな映像作品を成果として発表します。恵比寿映像祭2026では、第2回コミッション・プロジェクト特別賞受賞作家・小森はるかによる特別展示を実施します。
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街にひらかれるアート——オフサイト展示(会場:恵比寿ガーデンプレイスセンター広場、恵比寿スカイウォーク)
デジタルとアナログの境界を横断する実験的プロジェクトを展開。インターネット・アートの先駆者エキソニモ、個人と集団のアイデンティティに着目したFAMEME が登場し、都市空間に新しい映像表現をインストールします。屋外でしか体験できない“偶発的な出会い”を生み出す作品群が、訪れる人すべてにひらかれた鑑賞体験を提示します。
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映像を“視る&聴く”——上映プログラム(会場:東京都写真美術館1Fホール)
劇映画から実験映像まで、恵比寿映像祭のために編まれた特別上映プログラムを連日開催。日本初公開作品を含む国内外の多様な映像をセレクションし上映後には監督やゲストとのトーク・セッションも実施します。海外機関との連携による貴重なアーカイブ作品の特集上映も予定しています。
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語り合い、響き合う——シンポジウム&トーク・セッション(会場:東京都写真美術館1Fホール、日仏会館など)
国内外のキュレーター、研究者、アーティストらを迎え、コミッション・プロジェクトやアーカイブ、言語と文化の交差について議論します。映像の未来をめぐる国際的な知の交流の場を創出します。また、すべての来場者にひらかれたフェスティバルを目指し、世代や経験を問わず参加できるワークショップやギャラリートークを開催。映像文化の理解を深めるとともに、来場者が自ら考え、対話するきっかけをつくります。
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東京都のコレクションを特別公開(会場:東京都写真美術館3F展示室)
東京都が所蔵するコレクションから、総合テーマ「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」に沿って作品をセレクト。東京都写真美術館をはじめ、東京都現代美術館、東京都庭園美術館、東京都江戸東京博物館が管理する収蔵品の中から、映像・写真・資料を展示します。
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社会共生の取り組み
東京都写真美術館は恵比寿映像祭2026をどなたにも楽しんでいただけるよう、手話通訳付きトークや鑑賞サポートをより充実させ、アクセシビリティの向上に取り組んでいます。アクセシビリティとは、「利用できること」。身体の機能や認知の特性にかかわらず、その人の行きたい、見たい、知りたい、使いたいなどのニーズが満たせることを目指しています。
出品予定作家
張恩滿(チャン・エンマン)、エキソニモ、FAMEME、ゴツプロ!、原直久、スーザン・ヒラー、侯怡亭(ホー・イーティン)、チョン・ソジョン、小森はるか、キュンチョメ、冥丁、アンジェリカ・メシティ、さわひらき、Tomoko Sauvage、鶴巻育子、田中未知/高松次郎、ほか
恵比寿映像祭とは
恵比寿映像祭は、平成21(2009)年の第1回開催以来、年に一度恵比寿の地で、展示、上映、ライヴ・パフォーマンス、トーク・セッションなどを複合的に行ってきた映像とアートの国際フェスティヴァルです。映像分野における創造活動の活性化と、映像表現やメディアの発展をいかに育み、継承していくかという課題について広く共有する場となることを目指してきました。近年では、地域とのつながりや国際的なネットワークを強化し、一層の充実と発展をはかっています。
開催概要
恵比寿映像祭2026 「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」
会期|2026年2月6日(金)〜2月23日(月・祝)[16日間]月曜休館
※3F展示室のみ3月22 日(日)まで
時間|10:00–20:00(2月6日〜2月22日)※最終日(2月23日)は18:00まで
※2月25日(水)から3月22 日(日)の3F展示室は10:00 から18:00 まで(木曜・金曜は20:00 まで)
会場|東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか
料金|展示無料(上映と一部イベントのみ有料)
主催|東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団東京都写真美術館/日本経済新聞社
協賛|東京都写真美術館支援会員
問い合わせ先
恵比寿映像祭2026事務局(エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社)
E-mail:yebizo@av.avex.co.jp