「AI社会の中で、無自覚に進むマイノリティの排斥」を示唆する本作は、3つの国際映画祭・国際アートアワードで受賞させていただきました

窪田望が監督したドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』がHollywood Stage Script Film Competition2025にて、BEST SHORT DOCUMENTARYを受賞しました。本作は、「AI社会の背後にある分類の暴力性」を、生まれつき5本指ではなく暮らす裂手症の当事者やご家族、医療従事者の方々への取材映像をもとに浮かび上がらせる作品です。本作品が評価されたことにより、この問いがより広範な国際的対話へと拡張していくことを期待しています。
■Hollywood Stage Script Film Competitionについて
「Hollywood Stage Script Film Competition(ハリウッド・ステージ・スクリプト・フィルム・コンペティション)」は、世界90以上の国と地域から脚本および作品応募を受け付ける、オンラインで展開される国際映画祭です。脚本・短編・長編・ドキュメンタリー・アニメーション・AI フィルム・テレビ脚本など多彩なカテゴリーを設け、ジャンルの枠を超えてクリエイターの才能を発掘・表彰しています。
応募作には業界プロフェッショナルが審査にあたり、優秀作にはメンターシップや制作機会といった次のステップへつながる支援が用意されており、単なる受賞にとどまらないチャンスを提供しています。グローバル舞台で自身のストーリーを発信したい脚本家・映像作家にとって、“世界への登竜門”といえるプラットフォームです。

▼Hollywood Stage Script Film Competition2025 受賞作品一覧はこちら
https://bestfilmawards.com/winners/hollywood-stage-script-film-competition
■ドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』について

生成AIの現場ではよく5本指にならないトピックスが話題になります。エンジニアは、5本指にならない指を5本指にするために大量のGPUや電気代を使ったりしますが、果たしてその行為はただのエラー修正、と記述して良いものなのか?「そこには排斥されているマイノリティの暮らしがあるのではないか。」窪田はそう考え、生まれつき5本指ではなく暮らす裂手症の当事者やご家族、医療従事者の方々に話を伺い、ドキュメンタリー形式の映像作品を制作しました。
出演(敬称略)
浅原ゆき(NPO法人Hand&Foot)
大塚悠(NPO法人Hand&Foot)
川端秀彦(南大阪小児リハビリテーション病院 院長)
すらいむ(インフルエンサー、起業家)
映像制作
黒川雄斗、黒川みなみ
■3つの国際映画祭・国際アートアワードで受賞させていただきました
今回のBEST SHORT DOCUMENTARYの受賞で、『AIが消し去る声』は国際映画祭・国際アートアワードで3つめの受賞となります。
・アメリカ ハリウッド Hollywood Stage Script Film Competition2025にて
「BEST SHORT DOCUMENTARY」受賞
・アメリカ ニューヨーク ICP Entertainment Film Festival2025にて
「BEST HUMANITY FILM」受賞
・タイ・日本 CENRETA ART AWARD 2025にて
「最優秀賞」を受賞
■現代美術家 窪田望の活動について
コンセプト『外れ値の咆哮』
AIの社会実装事業を推進する企業の経営者としての顔を持ち、国内外に20のAI特許を持つ窪田は、これまでデータ解析やAI 技術を20年来研究してきました。AI開発の現場では入力するデータに異質なデータが混じると良い出力精度が出なくなることがあり、これを外れ値と呼び、通常はこれを排除します。窪田は「社会的マイノリティーなどの生活は無視されて良いはずはないのに、進化の過程で見落とされている」とこれらの実態に疑問を感じました。作品制作を通じて、社会の中で不要とされてきた外れ値の価値を再評価し、本質的価値を浮き上がらせるような表現を追求していこうとしています。
