金曜日, 10月 24, 2025
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【MEET YOUR ART FESTIVAL 2025 開催レポート】東京を起点にした先進的アートフェスティバルとしての歩み

アートとカルチャーが交差する「再発見(Rediscovery)」の4日間。来場者数5万人超、150名以上のアーティスト・クリエイターが参加。

MEET YOUR ART FESTIVAL実行委員会(構成団体:エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社、一般社団法人 エリアマネジメントTENNOZ 、一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会)と東京都は、

2025年10月10日(金)から13日(月・祝)までの4日間にわたり、東京・天王洲運河一帯(寺田倉庫を中心とした7会場)で国内最大級のアートフェスティバル「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」(以下、MYAF 2025)を開催し、総来場者数は5万人を超えました。

「MEET YOUR ART FESTIVAL」はアートを軸に、音楽・食・ファッション・ライフスタイルなどの隣接したカルチャーを一堂に会することで、領域を超えてそれぞれのカルチャーの魅力に気付きを生み出すとともに、アートに対する新しい出会いや発見を設計することを目指す、領域横断型のアートフェスティバルです。

本年度は「Rediscovery(再発見)」をテーマに掲げ、日本に息づく感性や記憶、継承されてきた価値観を現代的視点で捉え直し、日本の多様な文化や美意識を多面的に提示することを中核に据えながら、アートを中心に音楽、ファッション、クラフト、フードなど隣接するカルチャーが有機的に交わり、来場者に新たな“感性との出会い”をもたらしました。

各コンテンツの強度を高めながら、多領域を木組みのように接合し、それぞれの独立性と調和を両立させて一つの場を構築する。そのディレクションはMYAFならではのものであり、東京を起点にした先進的アートフェスティバルとしての姿を確立しつつあります。

フェスティバル全体の到達点

本年度のMYAFは、アートエキシビション、2つのアートフェア、マーケットに150名以上のアーティストが参加し、4日間で19組のミュージシャンによるライブパフォーマンス、全14セッション・35名以上のゲストを迎えたトークプログラムを実施、32社のスポンサーと協働するなど、過去最大規模での開催となりました。

ライブパフォーマンスでは、アーティストとのコラボレーションや映像・空間演出を融合させた“ここでしか体験できない表現”が複数生まれ、トークプログラムでは、アートをコアテーマに、文化や社会を横断して語り合う多彩な登壇者が集結。アートの価値や可能性を多角的に伝える、MYAFならではのキュレーションが実現しました。

また、7つの会場を巡る体験設計により、来場者の滞在時間と体験の深度が大幅に向上。「アートを五感で感じられる」「思考が刺激された」といった声が多く寄せられました。

さらに、企業・メディア・地方自治体など多様な共創パートナー32社との協働を通じて、アートを社会に実装する新しいモデルを提示。東京から、アートとカルチャーを起点に社会と未来をつなぐ、新たなプラットフォームの可能性を示しました。

数値で考える来場者属性

アートチケット事前購入者のうち、66%が「初めてMYAFに来場した」と回答。新しい来場者層の開拓が進み、イベントの認知拡大とアート分野への関心層の拡張が明確に見られました。

「一番好きなイベントジャンル」としてアートを選んだ人が48%と最も多く、続いてファッション・デザインが22%、音楽・映画が20%、食・旅行が6%、ゲーム・アニメ・ビジネス・クラフトなどその他が10%という結果に。アートを中心にしながらも、多様なカルチャーに関心を持つ来場者層が来場していることがわかります。

また、チケット事前購入者のうち10%が「美術館やアートイベント自体が初めて」と回答しており、アートに初めて触れる層の入り口として機能していることが示されました。さらに15%が「今後アート作品を購入したい」と考える意欲層であり、アートファンからコレクターへの転換を促す新しい層の醸成にもつながっています。

プログラムハイライト
ART EXHIBITION「Ahead of the Rediscovery Stream」

アーティスティック・ディレクターに森山未來を迎え、キュレーターを吉田山、渡邊賢太郎、アドバイザーを秋元雄史が務めました。和泉侃、折元立身、Chim↑Pom from Smappa!Group × 小室哲哉、手塚愛子、松岡正剛 × 森山未來、MANTLE、八木良太の7組による、視覚的な作品のみならず、香り、音、パフォーマンスも含め連日五感で体験できるような展示を実施。

本展は、“アートが社会に流れを生み出す力”と、“日本的感性の再解釈”を二つの軸に構成され、身体・記憶・音・時間といった異なる領域を横断しながら、現代における「美」の根源を問いかけました。

八木良太《Stupa》2018-2025年、《Time Resonance》2020年、和泉侃《香りの展示に関する研究》2025年
Chim↑Pom from Smappa!Group × 小室哲哉《SUN》では、和田彩花、MOND、奈歩、高村月、三浦琉那、山田ホアニータ、ちびもえこら7組が連日パフォーマンスを実施。
手塚愛子《親愛なる忘却へ(美子皇后について)- 01》2019年
折元立身、没後初となる《パン人間》パフォーマンスを一般参加者とともに2日間にわたり実施。

ART FAIR「MEET YOUR ARTISTS」/「MEET YOUR ARTISTS -CROSSOVER-」

気鋭アーティスト70名以上による新作を中心とした、約500点の作品を展示・販売。

「アーティストとの対話を通してアートと出会う」をコンセプトに、複数のアーティストの作品が一つのブース内に並ぶ従来型のアートフェアとは異なり、1作家ごとにブースを構成し、その世界観をより深く体感できるアーティスト主体型のアートフェアを軸に、企画エリアとして日本の美意識に焦点を当てた「和を以て日々を結ぶ」を渡邊賢太郎との共同ディレクションで実施、また、協働パートナーとともに12のテーマで構成し、アートと多様なカルチャーの交差を探る「MEET YOUR ARTISTS -CROSSOVER-」を実施しました。

気鋭若手から中堅作家、篠田桃紅まで多様なアーティストが新作を中心に展示・販売を行ったほか、アートエキシビション出展作家である手塚愛子、折元立身、MANTLE、Chim↑Pom from Smappa!Groupも出展しました。

MEET YOUR ARTISTS 企画エリア「和を以て日々を結ぶ」

さらに、ストリートを軸に多角的な活動を展開する6名による「BLOCK PARTY」、多様性をテーマにファッション誌・ELLEと協働した展示「Diverse Narratives ―交差するまなざし―」、藤田二郎(FJD)×家具ブランドKANADEMONOによる“Timeless Sound & Living”など、多様な表現が交錯しました。

ELLE × MEET YOUR ART 「Divers Narratives -交差するまなざし」

展示性と体験性を兼ね備えた新しいアートフェアのかたちとして評価を得るとともに、新規コレクター層の来場・販売も増加しました。

MARKET「SUPER ART & CRAFT MARKET」

MEET YOUR ARTを企画・運営するエイベックス・クリエイター・エージェンシーとビームスクリエイティブ社が共同で企画し、「SUPER ART & CRAFT MARKET」を初開催。作り手のこだわりや独自性が消費を左右するほど重要になってきている中、「現代的な感覚」を持つ作り手によるクラフト、フード、そしてアートが交差するマーケットを展開し、全国から選りすぐりの約90店舗・ブランドが参加。さらにDa-iCE・和田颯と古着ファッションYouTuber・FJによる「HAYATE WADA × FJ」SPECIAL POPUP STOREや、セレクトショップで洋服に携わってきた4組と格闘家の顔を持つ宇野薫が日替わり店主となりプライベートのヴィンテージコレクションを販売する「古着フリークの日替わりフリマ」、現代備前焼作家4名による展示・プロダクトの販売企画「土と炎の記憶 ―備前焼のこれから」、モンチッチをモチーフにした「RE:MONCCHICHI展」などのスペシャル企画も話題を呼び、感性を刺激する唯一無二のマーケット体験を創出しながら、出展者と感度の高い若年層との接点構築の機会となりました。

4名の現代備前焼作家の特別展示「土と炎の記憶 ―備前焼のこれから」を開催

LIVE PERFORMANCE

運河に浮かぶ船上ステージでは、19組のミュージシャンによるパフォーマンスを連日開催。

10月10日(金)には、Nujabes Metaphorical Ensemble DJ SET × 山口歴(GOLD WOOD ARTWORKS)によるスペシャルステージを実施。

続く10月12日(日)には、GAMO(東京スカパラダイスオーケストラ)プロデュースによるステージに、現代アーティスト小林健太と気鋭ミュージシャン北村蕗が登場し、音と映像が交錯するコラボレーションを披露しました。

さらに、片寄涼太と、香りを用いて創作活動を行うアーティスト和泉侃主宰のOlfactive Studio Neによる香りの演出、AIアートコレクティヴ「ARCHIVES」との協働パフォーマンスなど、ここでしか体験できないプログラムが展開。

ミュージシャンとアーティストが互いの表現を拡張し合う創造の場としての関係性が確立しつつあり、来場者はその実験的かつ刺激的なアプローチを通じて、アートと音楽が融け合う瞬間を体感しました。

TALK SESSION

4日間にわたり、アート、社会、カルチャー、ビジネスを横断する全14セッションのトークプログラムを開催。

初日には、Chim↑Pom from Smappa!Groupと小室哲哉を迎え、MEET YOUR ARTの公開収録による特別セッションを実施し、本展示のために2組が協働制作した作品《SUN》について紐解き、大きな注目を集めました。

会期中は、森山未來がMCを務めるMEET YOUR ARTの公開収録をはじめ、近藤春菜、亀田誠治、和田颯(Da-iCE)、MEGUMI、片寄涼太(GENERATIONS)など、アートやクリエイティブへの想いや造詣が深く、新たな価値を創出している著名人とアーティストとの対談、LVMH メティエ ダールなどアートと地域・社会をつなぐリーディングカンパニーまで、多彩な登壇者が登壇。

ジャンルや立場を超えて対話を重ね、アートを起点に社会やカルチャーの現在地を探る場となりました。

10月11日(土)に開催されたセッションには、ゲストMCの近藤春菜、アーティストの津田道子、Keeenueが登壇。

10月12日(日)開催、「Vintage as Art」には、和田颯(Da-iCE)、FJ(古着ファッションYouTuber)、ビームススタッフが登壇。

MEET YOUR ART 「THE BASE」出張版として、片寄涼太がナビゲーションを務めるセッションも開催。現代刀鍛冶・川島一城と、備前焼作家・森大雅。

アートの事象を扱いながらも、アートに思いを寄せる著名人や実践者が参加するトークセッションは、他のアートイベントとは一線を画し、アートを社会や日常の文脈へと接続する、MYAFならではの知的で開かれた対話の場となりました。

連携プログラム・サテライト企画

MYAF2025では、都市・文化・生活を多角的に捉える多彩な連携・サテライト企画を展開。東京ベイエリアを舞台にした「TOKYO BAY DISCOVERY JOURNEY 2025」や、モンチッチ誕生50周年を記念した「RE:MONCHHICHI」、2024年度アーティスト・フェローMVMNTによる都市に暮らす人びとの「ありのままの暮らし」を3Dスキャンで記録・アーカイブする「TOKYO [UN]REAL ESTATE」をはじめ、「START Box」との協働展、J-WAVEとの「東京を“音”で感じるアート体験 ― Plug into TOKYO -proof of sounds-」などを実施。アートを軸に、都市・文化・地域が交差する新たな共創を実現しました。

アートエキシビション「Ahead of the Rediscovery Stream」のサテライト企画として、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]2024年度アーティスト・フェロー・MVMNTによる「TOKYO [UN]REAL ESTATE」を実施。
若手アーティストの創造と発信、そしてキャリアの始まりを支援するSTART Boxとの連携展示・「Re:discovery — from seed to form by START Box × MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」

COLLABORATION

共創パートナーとして32社のスポンサーを迎え、フェスティバル全体を通じて多様なコラボレーションを実施しました。

共に「SUPER ART & CRAFT MARKET」をつくり上げたビームスクリエイティブ、CROSSOVERエリアでアーティストとの協働展示を行ったKANADEMONO、BAUMのほか、アンファーはスカルプDとアーティスト・Face Okaによるコラボレーションを展開し、限定パッケージ販売やインスタレーション展示を通じて“日常にアートを取り入れる体験”を提案しました。

また、ザ・マッカランは「The MACALLAN Canal Bar & ART WALL」を展開し、来場者参加型のアートウォールで多様な表現と創造のプロセスを可視化。art brain company × PARADE design firmによる特別照明演出では、次世代を担うクリエイターを巻き込みながら光と影が織りなす幻想的な空間を創出しました。

こうした多様なパートナーシップにより、MYAFは単なるスポンサーシップの枠を超え、コンテンツの拡張とアーティストのエンパワーメントを実現するとともに、企業にとっても新たな文化的発信の場となりました。

共創パートナーからのコメント

日本のカルチャーシーンを作ってきたエイベックスとビームス。それぞれのグループ企業であるエイベックス・クリエイター・エージェンシーとビームスクリエイティブが両社の強みと目線を掛け合わせることで、新しい価値観でキュレーションされた都市型マーケットイベントIPを創出しました。

また本共創を通じて、ビームスの小売事業では扱っていないジャンルにおける魅力的な出店者さまたちとの、新たな接点を持つことができました。

ビームスクリエイティブ

 

進化するMYAFへの2回目の参画は、当社の社名に込めた「技術とアートの融合」を体現した本質的な共創となりました。次世代を担う弊社社員がMYAFやアーティストの方との密な協働を通して、これまでにない視点や、実践的な知見を獲得できたことは、極めて意義深いことだと感じています。また、照明・音響・映像技術が「表現」の媒体として新たな可能性を広げ、社員の成長にも繋がる機会だったと確信しています。

アートブレーンカンパニー

出展アーティストをはじめ、MYAFの参加者の方々が実際にアートを作り、共創していくアートウォールは、ザ・マッカランが大切にしているクリエティビディを体現する場となりました。

参加者たちのそれぞれのアートが、四日間という時間を積み重ねることで一つの大きなアートを作り上げていく様は、まさにウイスキーづくりに共通する感動を生みだせたのではないでしょうか。

ザ・マッカラン

主催コメント

「MEET YOUR ART FESTIVAL 2026」は、2026年10月に再び天王洲で開催を予定しており、さらなる深化を図るとともに、過去最大規模での開催を予定しています。

MEET YOUR ARTは、今後もフェスティバルを含む複合的な展開を通じて、アートを“美術業界”の枠にとどめることなく、音楽・ファッション・テクノロジー・地域など、多様な分野と掛け合わせることで、新たな表現と市場を生み出す共創の場を育んでいくこと、そして、アートと社会をつなぐロールモデルとして、持続的な価値とインパクトを創出し続けることを目指します。

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