土曜日, 10月 11, 2025
ホームイベント大阪・関西万博会場に​浮かぶ、​光る​鳥居の​正体は。​人と​宇宙の​調和を​表現した​水上の​空間彫刻作品群が​10月12日まで​展示中

大阪・関西万博会場に​浮かぶ、​光る​鳥居の​正体は。​人と​宇宙の​調和を​表現した​水上の​空間彫刻作品群が​10月12日まで​展示中

SOWA DELIGHT Inc.と​SAMPO Inc.の​コラボレーションに​よる​空間彫刻作品群《鳥居と​阿吽が​紡ぐ​地球の​朝ぼらけ》が、​万博内​「つながりの​海」にて展示中です。

本作は、​3体の​空間彫刻からなる​作品群です。​中央には​《鏡界の​鳥居》、​その​左右に​​《阿(ア)》と​​《吽​(ウン)》が​配置され、​それぞれが​「あいだ」、​「始まり」、​「終わり」を​象徴します。​

万博会場の​水上に​浮かぶ​これらの​作品は、​海床​(うみどこ)​ロボットコンソーシアムに​よる​環境配慮型の​都市型自動運転船​「海床ロボット」を​活用して​展示されています。​

コンセプト

― 宇宙の​規模感で​過去を​感じ、​未来を​見つめる​ための​シンボルと​して​ ―

鳥居は​古来、​人々が​見えない​存在に​祈りを​捧げる​ための​“入口”と​して​建てられてきました。​

しかし、​科学や​情報が​すべてを​照らす現代に​おいて、​私たちは​いったい​何を​依代​(よりしろ)と​して​祈れば​よいのでしょうか。​

SOWA DELIGHTと​SAMPOは、​その​問いに​対する​一つの​答えと​して​「宇宙の​呼吸」を​見つめます。

宇宙の​スケールで​過去を​感じ、​未来を​想う​とき、​人間の​存在は​より​謙虚で、​創造的な​方​向へと​導かれていくのではないでしょうか。​

中央に​立つ《鏡界の​鳥居》は、​人類と​自然、​現在と​未来、​あちらと​こちら…​万物の​“あわい”を​映し出す、​鏡と​光で​できた​装置です。​足元に​広がる​水面も​また​鏡と​なり、​空と​地、​そして​次元的な​パースペクティブを​静かに​映し合います。​その​フレームの​向こうには、​果てしない​宇宙と、​まだ​見ぬ未来が​広がります。​

​その​左右に​並ぶ《阿》と​《吽》は、​それぞれ​「始まり」と​「終わり」を​表します。​生まれ、​朽ち、​また​生まれると​いう​循環──、​宇宙の​理を​象徴する​存在なのです。​

この​彫刻群は、​祈りのかたちを​問い直し、​いまを​生きる​人間の​感性を​再び宇宙と​調和させる​ための​現代の​依代と​なる​ことを​願って​制作されました。​


作品群の​ステートメント

《鳥居と​阿吽が​紡ぐ​地球の​朝ぼらけ》produced by SOWA DELIGHT Inc. ∞ SAMPO Inc.

依代薄れゆく​時代に​

眼前に​拡がる​幾重にも​重なる​未来と​背後に​感じるかすかな​気配。​

自らの​道を​辿る​とき

​その​気配を​感じる​ことが​出来たのなら​

それは​誰かからか​

いつの​時代からか​

託された​紡ぎの​道となる。​

阿は​はじまり、​吽は​終わり

惑星は​生まれ、​やがて​崩れ、鉄を​残して​宇宙に​還る。​

超新星爆発の​閃光も​

ブラックホールの​静寂も​

すべては​生成と​消滅の​環を​描き地球の​鼓動と​重なり合う。​

胸に​手を​当て​考える​

叩く​扉は​多々​あれど、​まだ​知らぬ扉を​常に​選ぶ。​

数理や​論理の​目と共に​有機なる​円環と​生命の​スパイラルに​

形の​眼差しを​向ける。​

始まりも​終わりも​始点の​表裏に​見えるが、​

どうも​そこは​境のようで​先には​何が​あるのか

エントロピーの​拡散と​共に、​星の​成長と​共に、​

その​果てない​原動力を​好奇心と​呼ぶとでも​言うのか。​

その道は​間違い​無く​

ぜんぶの​地球の​ミライ

そして​

宇宙へと​繋がっている。​


各作品について

《鏡界の​鳥居》ー万物の​あは​ひを​映し照らす鳥居(制作:SOWA DELIGHT Inc.)

ステートメント

その​鳥居は​

常に​その​時代に​佇み

常に​その​世界を​映し出し

常に​その​世界に​問い​かける。​

今宵も​彼の​地から​

我々を​眺め

幽玄なる​お姿と​共に​

宇宙への​道を​照らし続ける。​

【作品解説】

鳥居は、​古くから​俗界と​神域の​境界と​して​立ち、​人々の​祈りの​入口と​なってきました。​かつての​人々は、​その奥に​広がる​世界に​畏れと​敬いの​気配を​感じ取っていたのではないでしょうか。​しかし​現代では、​その​存在が​何を​まとい、​何を​隔てているのかを、あるいは​鳥居が​“そこに​ある”と​いう​事実さえ、​私たちは​忘れかけています。​

本作品《鏡界》では、​鳥居を​鏡の​質感と​青の​光──生命の​根源である​水、​そして​宇宙から​見た​地球の​色で​際立たせ、​その​存在を​現代の​風景の​なかに​再び浮かび​上がらせます。​宇宙と​生命、​現在と​未来、​此岸と​彼岸。​あらゆる​「あは​ひ(間)」を​静かに​照らしながら、​鳥居は​“境界​(きわ)​”と​して​水上に​佇みます。​その​フレームの​果てに、​あなたは​何を​見るのでしょうか。​

作品上衣装《デブリ・フィッシャー》(制作:ELIOS)

ステートメント

かつて​「海を​獲る​者」だった​漁師たちは​今や​「海を​浄化する​者」へと​役割を​変える。​

未来の​一次産業を​担う​海洋デブリ回収労働者。​

魚が​減り、​代わりに​漂うのは​無数の​人工物。​

宇宙を​目指す者たちが​挑戦を​やめないように、​彼らも​また海に​出続ける。​

いまや​彼らが​回収するのは、​価値なき漂流物─それを​価値ある​ものへと​変える​ために。​

かつて魚を​獲っていた​者たちは​ いまは​デブリ(ゴミ)を​ “漁る”。​

彼らは​ヒーローでも​守護者も​ない。​ ただ海で​働く​未来の​一次産業従事者である。​

《阿》ー宇宙生成の​解放と​惑星/《吽》ー静寂と​終焉の​構造(制作:SAMPO Inc.)

《阿》ステートメント

黄金比や​円弧を​もとに​構築された​《阿》は、​ビッグバンの​爆発的膨張や​銀河の​渦、​天体の​動き、​電子の​動きを​想起させる。​

鉄の​骨格に​沿って​配置された​岩や天体を​模した球体は​水面と​反射に​よって​球体の​「タマ」と​して​現れる。​

それは、​宇宙が​無から​多様な​形態を​生み出す​「始まり」の​象徴である。

《吽》ステートメント

白銀比を​基調とした​幾​何学的フレームで​構成される​《吽》は、​黒鉄や錆を​纏い、​水鏡に​虚像を​重ねる。​

秩序だった​形態と​腐食の​質感の​対比は、​生成と​崩壊、​虚と​実の​狭間を​映し出す。

波の​音とともに​現れる​その​静謐さは、​宇宙の​「終わり」と​エントロピーの​進展を​体現する。​

作品解説

「阿​(あ)」は​サンスクリット語の​最初の​音であり、​「始まり」や​「生成」を​意味します。​対と​なる​「吽​(うん)」は​最後の​音で、​「終わり」や​「収束」を​表します。​

寺院の​仁王像や​神社の​狛犬では、​右側の​阿形​(あぎょう)が​口を​開いて​「ア」と​発音する​姿、​左側の​吽形​(うんぎょう)が​口を​閉じて​「ン」と​発音する​姿で​対を​なし、​この​開閉が、​宇宙の​呼吸・生命の​循環を​象徴しています。​

本作品《阿》は、​混沌から​秩序が​立ち上がる​宇宙の​生成の​瞬間を、​貝殻や​銀河、​DNAにも​見られる​自然の​成長リズム──黄金比の​螺旋構造で​可視化しています。​対と​なる​《吽》は、​秩序が​やがて​崩壊へと​向かう​宇宙の​終焉を​テーマに、​正方​形や​矩形に​内在する​静的な​比率──白銀比を​もとに​設計されています。​

《阿》と​《吽》それぞれの中央に位置する​モビール彫刻は​、星の終焉に深く関係する「鉄」の原子構造を表現しています。自然の​風を​受けて​穏やかに​水面を​たゆたいながら、​生成から​崩壊へ、​そして​再び生成へと​いう宇宙​その​ものの​呼吸、また、うねるような螺旋的な​循環を​象徴しているのです。​


制作背景

なぜデンキの会社がアートをつくるのか

SOWA DELIGHT Inc.は、“まちの電気屋さん”の枠を超え、これまでに遊園地での夜間開園イベントやプロジェクションマッピング、神社でのオーロラ体験など、さまざまな場を照らしてきました。

しかし、あるとき私たちは問いかけました。「私たちは、いったい何を照らしているのだろうか?」

電気によって社会は便利で快適になりました。しかし、何か照らしきれていないものがあるとも感じていました。もっと根源的に──何を、どのように照らすべきか。

そう考えたとき、照らすべきは、未来そのものだと気づいたのです。それは、人間だけの未来ではありません。動植物、そして宇宙そのものへとつながる未来です。

その気づきから、私たちは森を育み、子どものための遊び場や小さな図書館をつくり、馬やロバなどの動物とともに暮らしはじめました。

そしていま、「宇宙のミライにワクワクする」というビジョンのもと、その想いを形にする新たな手段としてアートに取り組んでいます。

アートは、経済合理性ではすくいきれない「雑多で、豊かな世界」をそのまま表現できる場です。アートが存在することで、人の心に問いが生まれる。その問いこそが、価値観の転換──パラダイムシフトを起こす最初の光になる。SOWA DELIGHTは、そんな信念をもとに、作品制作やアーティストとのコラボレーションを行っています。

赤城神社への敬意を作品に

《鏡界の鳥居》は、SOWA DELIGHT Inc.代表・渡邉辰吾が中之条ビエンナーレ2023で発表した作品です。平安時代から八十四代にわたり続く、SOWA DELIGHTの思想的ルーツである赤城神社という存在から強いインスピレーションを受けて制作されました。

鳥居は本来、俗界と神域のあわいであり、いわば神域への玄関です。しかし現代の私たちは、もはや鳥居を鳥居として認識できなくなっているのではないでしょうか。

そこで本作では、鏡を用いた鳥居を制作しました。境界そのものを周囲と融合させ、あえて曖昧にすることで、人々が「鳥居とは何か」を改めて意識できるようにしています。鏡面はまた、現実の風景や自らの姿を映し出す装置でもあります。

夜になると、内部に組み込まれたネオン管が、成層圏と宇宙のあいだに存在する色温度──9500ケルビンの青白い光を放ちます。それは「地球を離れ、宇宙を感じる光」として空間を照らします。

ビエンナーレでの展示を経て、作品は赤城神社に奉納され、現在も拝殿に向かって右奥の森の中に静かに佇んでいます。


実施概要

名称   | 《鳥居と​阿吽が​紡ぐ​地球の​朝ぼらけ》

実施場所 | 大阪・関西万博内「つながりの海」

開催期間 | 2025年10月2日(木)~10月12日(日)

点灯時間 | 17時~22時

制作   | SOWA DELIGHT Inc. / SAMPO Inc.

クレジット

《鏡界の鳥居》

  • Produced by SOWA DELIGHT Inc.

  • Designed by Shingo Watanabe

  • Made by Shingo Watanabe, Weeds, REVERSE MAKER HI-D, Yuki Watanabe, Yasuaki Watanabe, Miki Imai

  • Neon light : SHIMADA NEON

  • Special thanks : Miyosawa Akagi Shrine

《阿吽》

  • Produced by SAMPO Inc.

《阿》

  • Designed by Issui Shioura

  • Made by Issui Shioura, AZB, bero iron works, Jujiro, Yoshiki Ashizawa

《吽》

  • Designed by Riku Murakami

  • Made by Riku Murakami, Kazuya Kawazu, Yuhi Wako, Pink Tanaka

《モビール Fe#26》

  • Designed by Mari Murakami

《Ocean Debris Fisher Deckman and Boatswain》

  • Created by ELIOS, Pink Tanaka, Marika Nishiwaki

会社概要

SOWA DELIGHT Inc.

ソウワ・ディライトは「デンキ」の会社だ。デンキを使って「感動」や「喜び」を提供したい。それこそが、ソウワ・ディライトの活動の根本にある。しかしながら、デンキが生み出し続ける新世界の中で失われ続ける地球。

ーそして辿り着いた宇宙一

宇宙的な視点と時間軸は、地球と私たちとデンキにワクワクするミライを求める。故に私たちはデンキを通じてワクワクするミライを地球上に創り出し宇宙に再び還元する。

HP:http://www.sowadelight.com/#1
Instagram:https://www.instagram.com/sowadelight/

SAMPO Inc.

SAMPO Inc.は人や場所を アクティベートするライフ建築アートコレクティブである。空間、音、生活、多様な媒体であなたの夢を現実に変換する。「暮らす」 BeBopを 意識する。ダイヤルを 慎重に回す。唯一のヘルツを求めて。

HP:https://www.sampo.mobi/ 
Instagram:https://www.instagram.com/we_are_sampo/

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