
セイコーウオッチ株式会社(代表取締役会長 兼 CEO 兼 CCO:服部 真二、本社:東京都中央区)は、腕時計の新たな可能性を育み、腕時計の様々な楽しさを体験できる活動「Seiko Seed(セイコー シード)」の一環として、セイコーの機械式腕時計の特性とムーブメントに込められた技術の可能性を伝える展覧会「からくりの森」を2025年11月5日(水)から11月18日(火)までの期間、港区南青山にあるライトボックススタジオで開催します。
2022年秋、Seiko Seedが誕生し、そのオープニングを飾る展覧会として「からくりの森」はスタートしました。回を重ねるごとに、機械式腕時計のメカニズムの魅力と新たな可能性を求めて深化してきました。そして2025年秋「からくりの森」は原宿から青山へと場所を移します。4回目となる今回は、機械式腕時計の動きと音からインスピレーションを得た数々の作品を展示いたします。
今回はセイコーウオッチのデザイナーとアーティストの小松 宏誠氏、エンジニアリングデザイン集団のSpline Design Hub、そしてデザイナーの三好 賢聖氏が、それぞれの専門分野から機械式腕時計の魅力を検証、発想、表現します。
「からくりの森」第4弾は、さまざまな驚きや発見に満ちています。息づく律動を存分にお楽しみください。
展示作品
月のモビール
Moon

【クリエーターの小松 宏誠氏によるコメント】
ゆっくりと回転する円盤に光が映り、月のように満ち欠けを繰り返す作品です。
1分間に1回転するリズムは、腕時計の針のように時を刻みながら、光と影の表情を移ろわせます。
月の満ち欠けは、昔も今も変わらず、時の流れを映し出しながら人の心を照らし続けています。
プワンツ
PUWANTS

【クリエーターの小松 宏誠氏と三好 賢聖氏によるコメント】
水のなかで気泡の浮力によってゆったりと動くアート作品のシリーズです。2014年の発表時には2種類だったプワンツも徐々に品種が増え、2024年までに12種類が制作されました。今回の展覧会では、時間や腕時計のインスピレーションから生まれた新作、およびリメイク作品が出展されます。
螺旋の律動
Cadence of the Spiral

【クリエーターのSpline Design Hubによるコメント】
螺旋(らせん)の律動は、機械式腕時計を分解した際に出会った動力ぜんまいやひげぜんまいの存在から着想を得た作品です。薄い金属片が巻かれたその形は、単なる機構部品にとどまらず、時を駆動する力とリズムを宿す器のように思えました。そっと持ち上げると、手のわずかな動きを受け取り、今にも鼓動を始めるかのように揺れ動いたのです。複数のアームによって支えられる長くしなやかなステンレス板の螺旋構造。各アームはそれぞれが独立して伸縮することで螺旋に緊張や緩和をもたらします。また、そのたわみは全体に干渉し合うことで、刻一刻と新たな秩序を生み出し続けます。
移ろう螺旋の姿は、目に見えぬ時間の輪郭を静かに描き出しています。
時のムーブメント
Movements of Time

【クリエーターの三好 賢聖氏によるコメント】
世の中には多くの、そして様々な機械式腕時計が存在しています。それらのムーブメントが日々刻む微かな機械音を採取し、組み合わせることで、ひとつの音楽をつくることはできないだろうかと考えました。本作では、セイコーウオッチの6・8・10 振動のテンプが刻むチクタク音、そして回転錘の回転音を素材とした三つの楽章を実演します。あなたの身の回りの時計たちは、今どのような音を奏でているでしょうか。
時の軌跡
Traces of Time

【クリエーターのセイコーウオッチのデザイナーによるコメント】
機械式時計は、人々の生活に規則正しい時の概念をもたらしました。本作では、その精緻な針の動きを拡張し、砂の上に紋様を描くことで、時間を可視化しています。描かれては消え、また刻まれる砂の模様は、常に姿を変えながらも絶えず続き、時の儚さと永続性を映し出します。日本的な静謐さを背景に、機械の律動と自然の循環を重ね合わせた作品です。
時の交わり
Intersection of Time

【クリエーターのセイコーウオッチのデザイナーによるコメント】
機械式腕時計の針は、一人ひとりの「時」を静かに刻み、その人生や時間の流れを象徴しています。ふだん針は小さなケースの中で孤独に時を進め、外の世界と交わることはありません。本作では、針を人に見立てて外へ解き放ち、それぞれの「時」が交差する小さな世界を描き出しました。遠くから見るとただの針に見えますが、目を凝らしてのぞき込めば、そこに針たちの出会いの物語が静かに広がっていることに気づくでしょう。
参加クリエーター
小松 宏誠
Kosei Komatsu
1981年生まれ。2004年に武蔵野美術大学建築学科を卒業。2006年に東京藝術大学大学院を修了後、アーティストグループ「アトリエオモヤ」のメンバーとして活動を開始。2014年に独立。「浮遊」や「鳥」への興味からはじまり、現在では「軽さ」「動き」「光」に着目した作品を展開中。美術館での作品展示をはじめ、商業施設など大空間の空間演出も担当。2022年、蔵野美術大学建築学科特任准教授に着任。

Spline Design Hub
2015年設立。「感性とテクノロジーをなめらかにつなぐ」をテーマに掲げ、インスタレーション制作、プロダクトデザイン、研究機関と連携したR&Dや製品開発など、表現手法や分野の枠を越えたプロジェクトに携わっています。技術と美、ハードとソフト、論理と直感。これらを往復するデザインエンジニアリングの視座を中核に、多様な専門性を持つメンバーが集い、日々まだ見ぬ価値の具現化に挑んでいます。

三好 賢聖
Kensho Miyoshi
1990年生まれ。2013年に東京大学航空宇宙工学科を卒業。同専攻修士課程を修了後、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートにてPh.D.(博士号)を取得し、最優秀博士論文賞を受賞(独アンハルト大学)。動き、身体性、詩にまつわる制作と研究に従事。昭和医科大学兼任講師。ブテイコ国際クリニック認定呼吸法インストラクター。著書に『動きそのもののデザイン』(ビー・エヌ・エヌ)など。ポエティック・キュリオシティ共同主宰。2023年に株式会社シンコキュウを創業。

セイコーウオッチ株式会社
セイコーは、1881年の創業以来「常に時代の一歩先を行く」という創業者の信条を貫き、国産初の腕時計や世界初のクオーツウオッチを発売するなど、革新的な商品を次々と世に送り出してきました。これからも、革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる、感性的価値の高いものづくりを目指してまいります。
展示概要
からくりの森 2025
会期 |
2025年11月5日(水)~11月18日(火) ※11月9日(日)までは10:00~20:00 11月10日(月)より11:00-20:00 ※入場は19:45まで。会期中無休 |
会場 |
LIGHT BOX STUDIO 東京都港区南青山5丁目‑16-7 |
入場料 |
無料 |
特設サイト |

主催:セイコーウオッチ株式会社
参加クリエーター:小松 宏誠、Spline Design Hub、三好 賢聖、セイコーウオッチ株式会社
プロデューサー:桐山 登士樹(TRUNK)
セイコーの機械式腕時計とは
巻き上げられたぜんまいが、ほどけようとする力を動力源としている「機械式腕時計」。電気を一切用いずに動く、時計の原点とも言える駆動機構です。1913年の国産初となった腕時計「ローレル」の完成以降、110年間、日常で使いやすく、安定した精度で、長くご愛用いただくための独自開発を行い、数々の革新的な機械式腕時計を世に送り出しています。
Seiko Seed について
「Seiko Seed」の 「Seed」 は、「Seiko Experience Engineering and Design」 の略であり、「エンジニアリングとデザインで創り出した、腕時計の様々な楽しさを体験する活動」という意味が込められています。
セイコーは、時計の修繕と販売から事業を開始し、掛時計、置時計、腕時計の製造に着手し、140年の歴史を刻んでまいりました。その長い歴史の中で生み出した商品から未来への夢まで、技術とデザインを切り口としたイベントや企画展など、セイコーグループのスローガン「時代とハートを動かすセイコー」を体験する活動を発信してまいります。
一般のお客様からのお問い合わせ先
セイコーウオッチ(株)お客様相談室
0120-061-012(通話料無料)
セイコーウオッチ(株)の公式Webサイトアドレス
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