2025年10月1日、有限会社よしだは、新会社として再始動します。
山形県で桐箱の製造を行っていた有限会社よしだは、2025 年 6 月に廃業を余儀なくされましたが、伝統工芸や手仕事の課題解決事業を展開する『株式会社ニッポン手仕事図鑑』( 以下、ニッポン手仕事図鑑 )と共に株式会社山形よしだ桐箱店 ( 本社:山形県山形市 代表取締役社長:近藤 勇気 ) を 2025 年 9月20日に設立し、来る10月1日より本格始動いたします。
100 年近く山形の地で受け継いできた技とものづくりの志を絶やすことなく次世代に繋ぐため、ニッポン手仕事図鑑よりサポートを受け新会社としての歩みを始めることになります。

山形の産業を支えた『桐箱』の存在
新会社『株式会社山形よしだ桐箱店』(以下、山形よしだ桐箱店)の前身となる有限会社よしだの歴史は、1930年(昭和5年)まで遡り、創業者・吉田長助が木地師としての技術を活かし、桐箱を手がけたことから始まりました。1955年には、米沢織物や山形鋳物といった地場産業や山形の特産であるさくらんぼの桐箱をいち早く考案し、事業の幅を広げました。
現在も製作を行う吉田長芳が事業継承してからは、「桐米びつ」や桐のブックケース「本の正倉院」といった現代の暮らしに活かす新たな製品開発に挑戦。2015年にはグッドデザイン賞、2019年には「にっぽんの宝物JAPANグランプリ」工芸・雑貨部門でグランプリを受賞するほどの反響でした。2022年には山形市の伝統工芸産業への貢献が認められ、「山形市伝統的工芸品産業技術功労者褒賞」を受賞し、有限会社よしだの桐箱は信頼を得てまいりました。
しかし、数々の優れた製品を手がけながらも、伝統工芸を取り巻く厳しい現実を前に95年の歴史に幕を
下ろすという苦渋の決断をしました。

山形よしだ桐箱店の復活への想い
幕は下ろしましたが、山形県内で唯一となった『山形桐箱』の技術を、そして、このものづくりへの志を次世代に繋ぎたいという志は消えませんでした。そこで全国の伝統工芸の産地で後継者育成事業や商品開発事業など、伝統工芸の価値づくりに関して知見のあるニッポン手仕事図鑑の監修のもと、『山形よしだ桐箱店』として再スタートしました。
社名に「よしだ」という名を受け継ぎ、伝統を大切に守りながらも「よしだ」だけでは、つくることができなかったモノとコトを今の時代に応えられる新しいカタチにして、一人でも多くの方にお届けするために。そんな想いで新しいスタートを切りました。また、山形よしだ桐箱店の挑戦は、同じ境遇で次世代への継承を諦めてしまっている職人さんや産地にとっても、もう一度立ち上がるきっかけにも繋がってほしいと切に願っています。
まずは創業の地である山形県からそして、日本全国へと広げ、桐箱の可能性をさまざまな方々に感じていただけるようにアプローチをしてまいります。前身の有限会社よしだで手がけていた現代のニーズに沿った商品展開も今まで以上に広げていく所存です。
そして、いつかは桐箱の魅力を世界に伝え「Kiribako」として、日本の伝統工芸の素晴らしさをより多くの方にお伝えできるよう、山形よしだ桐箱店の歩みは始まります。

【会社概要】
株式会社山形よしだ桐箱店
〒990-0829 山形県山形市五日町6番地8号
Url https://kiribako-yamagata.jp/
Tel 023-610-9515
Mail contact@kiribako-yamagata.jp
担当:代表取締役社長 近藤 勇気