月曜日, 9月 29, 2025
ホームイベント【小布施 北斎館】「なんという目だ! ―北斎にはこう見える―」葛飾北斎の洞察力と観察力に迫る企画展、10月11日(土)から開催

【小布施 北斎館】「なんという目だ! ―北斎にはこう見える―」葛飾北斎の洞察力と観察力に迫る企画展、10月11日(土)から開催

生涯何万点もの絵を描いたという北斎は、凄まじい描写力の持ち主であると同時に、鋭い「目」の持ち主でもある。北斎のものを捉える鋭い「目」に驚くこと間違いなし!大人も子供も楽しめる展覧会

生涯何万点もの絵を描いたという北斎は、凄まじい描写力の持ち主だ。同時に鋭い「目」の持ち主でもある。北斎が描く動物や植物は、今にも動き出しそうなほどの躍動感と生命力に満ち溢れている。北斎は空に渦巻く雲や、矢のように勢いよく降り注ぐ雨、雲間を一瞬で駆け抜ける雷などをも、自身の目を通し掴み取ることができる絵師だった。

読本挿絵などに見られる爆発によって弾き起きる凄まじい閃光の表現は、モノクロ作品であるものの、思わず目を覆いたくなるような眩しささえ感じさせる。これら作品に見られる狂いのないデッサン力、描写力には驚かされるが、それも北斎のものをとらえる鋭い「目」の賜物だろう。

この展覧会であなたもきっと口にしてしまうことだろう。「北斎の目はなんという目だ!」

なんという目だ! ―北斎にはこう見える―

What an Eye! The World as Hokusai Saw It

【会期】2025年10月11日(土)- 12月7日(日)

【開催時間】午前9時から午後5時まで(ご入館受付は閉館30分前まで)

【会場】北斎館(長野県上高井郡小布施町大字小布施485)

【入館料】大人1,200円 大学生・高校生500円 小中学生300円

【休館日】会期中無休

展示作品

北斎の⽬には爆発と崩壊がこう⾒える!

ドカン!ぐらぐら、ガラガラ、ズシン!そんな⾳や、体を揺さぶる振動さえ感じられそうな本図は、宝永4年(1707)に起きた富⼠⼭の噴⽕に伴う災害を描いたものだ。⼀夜にして出来上がった「宝永⼭」の出現を、あえて⼭の姿を描かずに、崩壊していく家屋や⼟煙で表現している。⼈間では到底敵わない⾃然界の⼤きな⼒と恐怖を感じさせる作品だ。

『冨嶽百景』より「宝永山出現」(北斎館所蔵)

北斎の目には風と雲がこう見える!

強烈な突⾵に惑わされる⼈々。⾶ばされまいと⼈々は⾝を屈め、強⾵を受けた⽊も⼤きくしなっている。⾵に⾶ばされた懐紙や菅笠が、空⾼く煽られ⼩さくなっていく様⼦が、強い印象を与える⼀枚。
同じシリーズの波の動きの⼀瞬をとらえた「神奈川沖浪裏」と並んで、⾃然界に起こる現象の⼀瞬の姿を映し取った作品として、海外でも⼤きな評価を受けている作品である。

「冨嶽三十六景」より「駿州江尻」(北斎館所蔵)

北斎の目には光と影がこう見える!

暗く雲がかった富士の裾野に、ピカッと走る稲妻を描いた一枚。中腹より上には青空が広がっており、富士がいかに高い山であるかを感じさせる。北斎は版画作品を初め、版本、肉筆画の中にも一瞬にして鋭い光を放つ稲妻の姿をよく描いた。雷鳴が轟く直前に雲間から放出される電気の筋を、北斎は逃すことなく目に焼き付け、絵に落とし込んだのだ。

「冨嶽三十六景」より「山下白雨」(北斎館所蔵)

画面右には、大きくそびえ立つ不二の姿。その麓にはもくもくと怪しげな黒雲が湧き立っている。麓の村に吹く風は強くなりはじめ、家屋の茅葺き屋根を揺らしている。画面左上から伸びる線は、天からの落雷。直線を繋ぎ合わせたような面白い描き方で、一瞬の光の屈折を表現した。

『冨嶽百景』より「夕立の不二」(北斎館所蔵)

北斎の⽬には⽔と波がこう⾒える!

渦潮で有名な鳴門海峡の波の様子を描いた1ページ。大小さまざまなかたちの渦波は、互いにぶつかり合い形を変えながらまた渦巻く。右ページには切り立った岩が描かれており、鋭い岩肌の様子を筆先を跳ねさせたような筆致で表現してるのが印象的だ。無限に繰り返される波と波の衝突、そして形の変化を、北斎は映像を記録するように自身の目でとらえていたのだろう。

北斎漫画 七編 阿波の鳴戸(北斎館所蔵)

『今様櫛キン雛形』(今様櫛キセル雛形)は、櫛職人、キセル職人のために描かれたデザイン集だ。これらは、同作中にある水や波のデザインもモチーフにした櫛のデザインで、風を受けて揺れる波濤や、渦巻く波、打ち寄せる波など、さまざまな水、波の姿を収録している。

これだけ表情豊かな波を描くことができるのは、北斎の水に対する鋭い観察眼があってこそ。

『今様櫛きん雛形』より櫛のための波のデザイン(北斎館所蔵)
『今様櫛きん雛形』より櫛のデザインのための波のイメージ(北斎館所蔵)

イベント

ワークショップ「北斎館×SAKE ART LAB. 特別企画 ほろ酔いで 北斎気分!」

長野県小布施町産の果物ジュースをはじめ、地元の日本酒やワインを楽しみながら、個々にキャンバスと絵の具を使って、北斎の代表作である「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を描く創作ワークショショップです。

開催日

2025年10月26日(日)

時間

14時〜16時

募集人数

12人

参加資格

対象年齢10才以上。当日は身分証をお持ちください。(当日お酒を飲まれる方はお車でのご移動はおやめください。)

参加費

一人3,500円(当日受付時に現金にてお支払いください)

募集期間

10月11日(土)10時より受付開始(定員に達し次第受付終了)

学芸員によるギャラリートーク

開催日

1回目:10月19日(日)/ 2回目:11月9日(日)

会場

北斎館展覧会場内(集合場所:映像ホール前廊下)

時間

14時より1時間程度

参加費

入館券をお持ちの方はどなたでもご参加いただけます。

北斎館 50周年記念グッズ 販売開始

北斎館ではオリジナル限定商品を含め、北斎関連書籍やグッズを数多く取り揃えています。2026年に迎える開館50周年を記念して、記念グッズの販売を開始しました。

北斎館50周年記念ボールペン(JETSTREAM4色&シャープペン)

50周年記念ボールペン(JETSTREAM4色&シャープペン)ピュアモルト・バンブー

北斎が晩年に毎日の日課として描き続けた「日新除魔」の唐獅子の目がメインモチーフとなっている、北斎館50周年記念ロゴマークをあしらった、こだわりの詰まった特製4色ボールペン(シャープペン付き)。三菱鉛筆株式会社のジェットストリームを採用しており、書き心地抜群です!

・黒(ブラック)は0.7mmのボールペン4色(黒、赤、青、緑)と0.5mmのシャープペンがついています。グリップ部分には何十年にもわたりウイスキー樽として使用されていたダークブラウンのオーク材を使用した高級感のある一本です。

・白(クリームベージュ)は0.5mmのボールペン4色(黒、赤、青、緑)と0.5mmのシャープペンがついています。グリップ部には天然竹材を採用し、軽やかで上品な風合いと耐久性が特徴です。

他にも多数、北斎館オリジナル商品や限定商品をご用意しています。ぜひ、北斎館館内ミュージアムショップ、およびネットショップ「SHOP OF HOKUSAI」をご覧ください。

北斎館 50周年記念ロゴ

お問い合わせ先

一般財団法人 北斎館

TEL:026-247-5206

https://hokusai-kan.com/

北斎館50周年記念特設サイト:https://50th.hokusai-kan.com/

Instagramhttps://www.instagram.com/thehokusai_kanmuseum/

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments