2025年9月27日〜12月21日に〈第1会場〉東京都渋谷公園通りギャラリーで開催後、2026年1月~〈第2会場〉プリモホールゆとろぎ(羽村市)、〈第3会場〉板橋区立成増アートギャラリーと巡回します。

東京都渋谷公園通りギャラリーは、東京都とともに、2025年9月27日(土)より、
アール・ブリュット*2025巡回展「既知との遭遇 自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」を都内3カ所で開催いたします。
〈第1会場〉東京都渋谷公園通りギャラリー(2025年9月27日〜12月21日)を皮切りに、
〈第2会場〉プリモホールゆとろぎ[羽村市生涯学習センター](2026年1月15日〜1月25日)、
〈第3会場〉板橋区立成増アートギャラリー(2026年1月31日〜2月9日)と巡回します。
*アール・ブリュット(Art Brut)は、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによって提唱されたことばです。今日では、広く、専門的な美術の教育を受けていない人などによる、独自の発想や表現方法が注目されるアートを表します。
本展では、身の回りにあるものを即興的に組み合わせて、従来の用途や役割を離れ、新たな意味を獲得しようとする創作や思考方法「ブリコラージュ」をテーマに、日本のアール・ブリュット作家6名の独創性あふれる作品世界をご紹介します。作家たちの「ブリコラージュ」が生み出す、ありふれたものの思いがけない姿形。そこには作家それぞれの人生の手跡が色濃く残されています。かれらの作品と遭遇し、既に知る何かと新たに出会い、唯一無二の必然が織りなす作り手の「生きる方法」にもふれる機会となれば幸いです。ぜひお近くの会場で、まだ見ぬ「既知との遭遇」をお楽しみください。
音声ガイド
驚きの創造物を生み出す作家たちの創作エピソードや作品の魅力などを語る、音声ガイドのナビゲーターは、俳優の瀬戸康史さん。音声ガイドは全会場で無料でお聴きいただけます。
ナビゲーター 瀬戸康史 (俳優)
1988年福岡県出身。近年の出演作は、ドラマ「くるり~誰が私と恋をした?~」、「119エマージェンシーコール」、映画「ドールハウス」など。俳優業の傍ら、デジタルアートの創作にも積極的に取り組む。

展覧会の見どころ
① 唯一無二の「ブリコラージュ」のアートが会場に炸裂!
コピー機を写真機のように使って制作するポートレートや、広告チラシの切り抜きを絵具のようにして描く絵画、使い終わった割り箸の巨大オブジェなど、「ブリコラージュ」の手法で唯一無二の作品を作り出す6名のアール・ブリュット作家を紹介します。
②「既知との遭遇」を誘発する会場デザイン
会場構成を担当したtamari architectsが、「既知との遭遇」をコンセプトに、街の風景になじんで普段意識されない、道端の断片やカーブミラー等の形からインスパイアされた展示什器を提案。「知っていたはずのもの」との「新しい出会い」を誘発します。
③ 音声ガイドや多彩なイベント
テレビや映画・舞台等で活躍する俳優・瀬戸康史さんによる音声ガイドが全会場無料でお聴きいただけるほか、分身ロボット「OriHime」とまわる鑑賞ツアーや、視覚障害のある方のための触図をつかった鑑賞ツアー、やさしい日本語による鑑賞ガイドの配布など、多様な人々が訪れて楽しむ機会を創出します。渋谷会場では、アーティストトークや生演奏ライブなどで、出展作家たちと直接出会える機会も。
作家紹介
井口直人 IGUCHI Naoto
1971年 三重県生まれ。コピー機に自身の顔と身の回りにあるお気に入りの品を配置し、動きをつけることで揺らぎのあるポートレート写真を撮影している。施設スタッフとのやりとりで生まれた独自の表現は22年以上続く日課となった。今では施設への来訪者との即興的な協働による作品へと展開している。近年の主な展示に「ひらいて、むすんで」(岡崎市美術博物館[愛知]2024年)などがある。

嶋 暎子 SHIMA Eiko
1943年 東京都生まれ、板橋区在住。仕事を引退後、独学で習得してきた切り絵や貼り絵、コラージュの創作に専念する。家事や介護を終えた深夜にコツコツと創作を続けてきた。広告チラシから住宅や家具、果物、宝石といった生活の地続きにあるモチーフを切り抜き、一枚一枚貼り合わせた高密度なコラージュ作品を制作している。主な展示に、「日曜の制作学」(鞆の津ミュージアム[広島]2023年)などがある。

舛次 崇 SHUJI Takashi
1974年 兵庫県生まれ、2021年没。パステルを何度も塗り重ね、厚みと動きを感じるマチエールの絵を描く。大胆な構図と配色、舛次独自の眼差しによって、ありふれた日用品に内在するフォルムの美しさを喚起させる。主な展示に、「アール・ブリュットJAPONAIS」(アル・サン・ピエール美術館[フランス・パリ]2010年)、個展「舛次崇 静かなまなざし」(兵庫県立美術館・ギャラリー棟[兵庫]2021年)のほか、国内外での展示及び収蔵作品が多数ある。

武田 拓 TAKEDA Hiraku
1988年 山形県生まれ。割り箸を牛乳パックに詰める作業が発展し、約2か月かけて最大2メートルを超える作品全8点が完成した。日常的に使っては捨てられる割り箸がうねりながら蘇り、木の姿へと回帰する過程を思わせる。重力に反した造形には有機的なエネルギーが宿っている。近年の主な展示に、「ポコラート世界展『偶然と、必然と、』」(アーツ千代田 3331[東京]2021年)などがある。

鶴川弘二 TSURUKAWA Koji
1973年 兵庫県生まれ。紙面に点在する無数の赤い丸は、油性ペンをにじませインクが浸透してできた染みである。点の隙間を浮遊するかのように、デフォルメされた文字や数字、聞こえてきた音や言葉、自身の感情が書き込まれ、創作の静かな時間と日常のひとこまを想像させる。近年の主な展示に、「アール・ブリュット -日本人と自然- BEYOND」(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA[滋賀]2022年)などがある。

納田裕加 NOUDA Yuka
1966年 埼玉県生まれ。アトリエで廃棄される糸や布の切れ端を拾い集め、巻き固めた「のうだま」と自身で名付けたオブジェをつくっている。やわらかな線が重なり合い、繭や人型のフォルムが生まれる。カラフルで生き生きとした色合いも相まって、今にも動き出しそうな生命感にあふれている。近年の主な展示に、「Outsider Art Fair in New York 2025」(メトロポリタン・パビリオン[ニューヨーク]2025年)などがある。

展覧会概要

展覧会名 |
アール・ブリュット2025巡回展 |
会場と会期 |
<第1会場>東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室1、2 [休館日]月曜日(10/13、11/3、11/24は開館)、10/14、11/4、11/25 <第2会場>プリモホールゆとろぎ(羽村市生涯学習センター)展示室 [休館日]月曜日 <第3会場>板橋区立成増アートギャラリー2026年1月31日(土)- 2月9日(月) 11:00~18:00 会期中無休 <出張イベント>八丈町多目的ホールおじゃれ2025年12月6日(土)13:30‐15:30 |
観覧料 |
無料 |
出展作家 |
井口直人/ 嶋 暎子/ 舛次 崇/ 武田 拓/ 鶴川弘二/ 納田裕加 *五十音順 |
音声ガイド |
瀬戸康史(俳優) |
会場構成 |
tamari architects |
主催 |
東京都、(公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー |
協力 |
羽村市、八丈町教育委員会 |
後援 |
板橋区 |
公式サイト |
〈関連イベント〉
※第1会場[東京都渋谷公園通りギャラリー]のみで実施します。
■担当学芸員によるギャラリートーク(手話通訳付き)[申込不要/先着順]
日時:2025年9月27日(土) 14:00~15:00
定員:20名
■「スーパーピッチョーネ」によるスペシャルライブ[事前申込制/先着順]
日時:2025年11月1日(土) 16:00~17:00
ゲスト:スーパーピッチョーネ(ヨナワールド・さふらん生活園)
定員:25名程度
■アーティストトーク(手話通訳付き)[申込不要/先着順]
日時:2025年11月1日(土) 14:00~15:00/11月2日(日)14:00~15:00
定員:各回20名
■視覚障害のある方のための触図をつかった鑑賞ツアー[事前申込制/抽選]
日時:2025年11月16日(日)10:00~11:30
定員:5組(10名)
■分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」とまわる鑑賞ツアー[事前申込制/抽選]
日時:2025年11月30日(日)1回目 14:00~15:00/2回目 16:30~17:30
定員:各回4名(オリヒメ(遠隔)参加1名、会場参加3名)
【お問い合わせ】
東京都渋谷公園通りギャラリー 広報担当((公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)
TEL: 03-5422-3151 E-mail: pr-skdg@mot-art.jp