
ACK2025 teaser flyer(デザイン:塩谷啓悟)

2024年 ACKイベントホール会場風景、 photo by Moriya Yuki


京都府等で構成するArt Collaboration Kyoto 実行委員会は、三菱地所株式会社を今年もリードパートナーに迎え、京都を舞台に「コラボレーション」をコンセプトにした現代美術の国際的アートフェア「Art Collobaration Kyoto (ACK)」を2025年11月14日(金)から16日(日)まで国立京都国際会館にて開催します。
5回目となる2025年のACKでは、19の国・地域(28都市)から総勢72ギャラリーの出展が決定しました。世界屈指の老舗ギャラリーから新進気鋭のギャラリーまで、世界トップクラスのギャラリーが一堂に会し、多様な表現や価値観が交流する場が今年も創出されます。ACKの最大の特徴は、ギャラリーが出展するセクションの構成です。日本国内のギャラリーと海外のギャラリーとが1つのブースをシェアして展示する「ギャラリーコラボレーション」と、京都にゆかりのあるアーティストや作品を紹介する「キョウトミーティング」の2つのセクションを設けています。国際的な視野と地域性が交錯する場として、国内外から高い評価を得ています。
また、ACKが主催する「ACK Curates」では、フェアディレクターの山下有佳子が毎年異なるテーマを提示し、企画展示やトークセッション、子どもを対象としたガイドツアーやワークショップ等、幅広い世代と関心層を対象としたプログラムを展開しています。2025年のテーマには「2050 ー未来へのまなざしー」を掲げ、ACKが多様性を尊重し、共創の可能性を探る場であり続けることを目指します。このテーマに着想を得て企画される展示「パブリックプログラム」のゲストキュレーターには、ドイツ在住ながら日本においても豊富なキュレーション経験を持つマーティン・ゲルマンと、日本を拠点にアジア各地のインスティテューションやアーティストとの協働プロジェクトに取り組んでいる木村こころを迎えます。この2人が設定したキュレトリアルテーマは「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」です。「2050年」というビジョンに呼応し、未来に向けた共生の在り方を探ります。
そして2025年は、アーティスト支援プログラムを拡充します。2023年以来、ACKはオフィシャルシャンパーニュパートナーのポメリーと共に京都を拠点に活動する若手アーティストのさらなる活躍支援を目的とした「Pommery Prize Kyoto」を実施してきました。さらに今年は、2024年にタイで設立されたオルタナティブスペース、Bangkok Kunsthalle と連携し、バンコクでのアーティスト・イン・レジデンスの機会をACK出展アーティストに提供する「Bangkok Collaborate Kyoto Fellowship (BCK Fellowship)」を始動します。
京都でしか体験することができない唯一無二のアートフェアを紅葉の始まりとともにお楽しみください。
出展ギャラリー *=初出展
ACKでは「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」の2つのセクションを設けています。
ギャラリーコラボレーション
国内のギャラリーが海外のギャラリーをゲストに迎え、1つのブースをシェアして出展するセクション。今年はブース数を増やし、国内から29ギャラリーがホストとなり、海外に本拠地のある30ギャラリーをゲストに招き、合計 59ギャラリーが世界水準の現代アートを国内外に発信します。
ホストギャラリー(国内29ギャラリー)/ゲストギャラリー(海外30ギャラリー)
ANOMALY(東京)/Barbati Gallery*(ヴェネツィア)
COHJU(京都)/Turnus*(ワルシャワ)
CON_(東京)/Arario Gallery*(ソウル)
HAGIWARA PROJECTS(東京)/Sophie Tappeiner*(ウィーン)
イムラアートギャラリー(京都)/Tristan Hoare Gallery*(ロンドン)
KAYOKOYUKI(東京)/Chapter NY*(ニューヨーク)
Keijiban*(金沢)/Gauli Zitter(ブリュッセル)
MAKI Gallery(東京)/Sow & Tailor*(ロサンゼルス)
MISAKO & ROSEN (東京)/Galerie Max Mayer*(ベルリン)
水戸忠交易(東京)/Annely Juda Fine Art (ロンドン)
ミヅマアートギャラリー(東京)/Asia Art Center*(台北)
無人島プロダクション(東京)/ROH(ジャカルタ)
nca | nichido contemporary art(東京)/A Thousand Plateaus Art Space(成都)
Nonaka-Hill(京都)/Hannah Hoffman*(ロサンゼルス)
PARCEL*(東京)/THE SHOPHOUSE(香港)
Satoko Oe Contemporary(東京) /Gallery Artbeat*(トビリシ)
SCAI THE BATHHOUSE(東京)/Kiang Malingue*(香港)
思文閣(京都)/Mendes Wood DM(サンパウロ)
シュウゴアーツ(東京)/Keteleer Gallery*(アントワープ)
space Un*(東京) /Retro Africa*(アブジャ)
Taka Ishii Gallery(東京)/Galerie Martin Janda*(ウィーン)
Takuro Someya Contemporary Art(東京)/TKG+(台北)
TARO NASU(東京)/Gladstone Gallery*(ニューヨーク)
東京画廊+BTAP(東京)/GENE GALLERY(上海)
小山登美夫ギャラリー(東京)/Chris Sharp Gallery(ロサンゼルス)
WAITINGROOM(東京)/MANGROVEGALLERY*(深圳)
Yoshiaki Inoue Gallery(大阪)/Silverlens*(マニラ)
18, Murata*(東京)/Crèvecœur(パリ)、Matthew Brown(ロサンゼルス)
4649(東京)/Good Weather*(シカゴ)
キョウトミーティング
京都にゆかりのあるアーティストや作品を紹介するセクション。今回は国内からは7ギャラリー、海外からは6ギャラリーが参加し、合計13ブースで京都ならではの展示をお楽しみいただけます。
A Lighthouse called Kanata(東京)、アートコートギャラリー(大阪)、FINCH ARTS(京都)、
Johyun Gallery(釜山)、KANEGAE(京都)、kurimanzutto(メキシコシティ)、MORI YU GALLERY(京都)、neugerriemschneider(ベルリン)、Perrotin(東京)、Raster*(ワルシャワ)、Sadie Coles HQ(ロンドン)、GALLERY SIDE 2*(東京)、Ulterior Gallery(ニューヨーク)
ACK Curates
ACK Curates はACKが主催するプログラムです。フェアディレクターが毎年異なるテーマを提示し、企画展示「パブリックプログラム」や、キッズプログラム、トーク等のプログラムを展開します。
※ACK Curates の詳細は9月に発表を予定しております。
ACK Curates 2025 テーマ「2050 ー未来へのまなざしー」
あなたが思い描く2050年はどのような世界でしょうか?このテーマには、「平等性と差異の認識」「長期的な時間認識」「コラボレーティブ・インテリジェンス」という3つの想いが込められています。アートの特徴の一つに、50年、100年先まで遺る、あるいは未来へ遺すことを前提につくることが挙げられます。過去からの学びが未来を思い描くことに繋がるのです。そして大きな一つの力ではなく、分野や地域を超えたたくさんの小さな力による協調的知性が、より強固な未来を築くと思うのです。京都という古都の風情と革新性が共存する場所で、ACKが、分野を越えたコラボレーションを促し、未来へのまなざしを育む場所となることを願っています。
ACKフェアディレクター 山下有佳子
パブリックプログラム
フェア会場のブース外に広がる多様なスペースを使った企画展示。今年のゲストキュレーター、マーティン・ゲルマンと木村こころとが、ACK Curates 2025 テーマ「2050 ー未来へのまなざしー」に応答するキュレトリアルテーマを「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」に設定し、セレクトした作品で構成します。
ゲストキュレーター:
マーティン・ゲルマン
Photo by Yuki Maniwa
ケルン在住。2021年より森美術館のアジャンクト・キュレーター。近年は、第9回絵画ビエンナーレ(Biennial of Painting)のキュレーター(ドント・ダーネンス美術館担当)、国際芸術祭「あいち2022」キュレトリアル・アドバイザーなどを歴任。2012年から2019年までゲント現代美術館にて芸術部門を統括。2008年から2012年にはケストナー・ゲゼルシャフト(ハノーバー)のキュレーターを務め、第3回および第4回ベルリン現代美術ビエンナーレに参画。これまでに多数の展覧会カタログやモノグラフを出版し、『032c』、『Frieze』、『Mousse』などアート専門誌に寄稿。2016年、リリ・デュジュリーの個展「Folds in Time」にてベルギーの最優秀展覧会に贈られるAICA賞を受賞。


木村こころ
Photo by Haruma Yoshida
2000年山形県生まれ。オランダ・ユトレヒト大学大学院 Arts and Society 修士課程修了。インドネシア・ジョグジャカルタCemeti: Institute for Art and Societyにてインターンシップを経験。フェミニズム/クィアの視点と脱植民地主義的な言説の交差点に関心を持ち、展覧会やワークショップを通じて、アイデンティティや自他関係の変容可能性を探求している。これまでに、SURVIVE! Garage(ジョグジャカルタ)やHAPS(京都)をはじめ、アジア各地のインスティテューションやアーティストと協働している。
キュレトリアルテーマ:
「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」
本年の「パブリックプログラム」は、ACKの協働精神を出発点に、さまざまな知や視点、そして多様なアイデンティティの間に対話を生み出すことで、暮らし、記憶、そして時代ごとの思考や価値観が幾重にも折り重なり、地層のように形づくられてきた京都において文化的な共生関係を育みます。
経済やアイデンティティに根ざした優越主義、さらに新植民地主義的動向がもたらす新しい形の暴力は、分断を基盤とした社会システムの限界をあらためて浮き彫りにし続けています。これに対して、生態学に由来する「シンビオーシス / 共生」という考え方 ─異なる存在が互いに依存しながら共に生きるあり方─ は、共存と協力に立脚した別の世界像を私たちに示しています。
このような対話が、現代アートの言語や構造とどのように交差しうるかを探ることで、ホワイトキューブという限られた空間の外側へと広がり、京都という都市の文化的・社会的布地へと自らを織り込んでいくような実践を浮かび上がらせます。
本プログラムは、立場の上下を持たない水平な関係を根底に据えながら、ACKが掲げる「2050年」というビジョンに呼応し、共に生きるためのあらたな道を切り拓くことを目指します。
ACK Talks
カンファレンス機能の充実や文化芸術を中心としたコミュニティ形成を目指し、多彩なトークプログラムを実施する予定です。
ACK Kids’ Programs
会場内をガイドツアーで巡る「みる」と、実際に手を動かしてアーティストとともに作品を作る「つくる」などの参加型ワークショップを行う予定です。また、生後3ヶ月〜7歳までの子ども連れのお客様に、バイリンガル対応の託児サービス(運営:洛和会音羽病院)をご用意します。託児サービスの申し込み開始は7月上旬を予定しております。
ACK 2025開催概要
会期
一般公開 2025年11月14日(金)−11月16日(日)
(内覧会11月13日(木)※報道関係者と招待のみ)
会場
国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)ほか
出展ギャラリー数
72(国内36、海外36、うち初出展25)
主催
Art Collaboration Kyoto 実行委員会、京都府、一般社団法人日本現代美術振興協会、一般社団法人日本現代美術商協会、一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン、京都商工会議所、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー
フェアディレクター
山下有佳子
Art Collaboration Kyoto (ACK) は、「コラボレーション」をコンセプトに、京都で開催する現代美術のアートフェアです。国内と海外、行政と民間、美術とその他の領域等、様々な分野とのコラボレーションを実現し、新たな可能性を開く機会となるでしょう。会場となる国立京都国際会館では「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」の2つのセクションを設け、出展ギャラリーが作品の展示・販売を行うほか、ACKが主催するACK Curatesの「パブリックプログラム」、パートナー企業とコラボレーションした「スペシャルプログラム」を開催します。ACK Curatesではその他、キッズプログラム、トーク等、これからのアートの担い手を育成する教育プログラムも充実。併せて京都府内では、ACK会期に合わせて多数のアート展示が開催されます。
パートナー:

助成
令和7年度 内閣府 新しい地方経済・生活環境創生交付金
令和7年度 文化庁 我が国アートのグローバル展開推進事業


※ACKは2022年より保税展示場として許可を得ております。
※2025年6月25日現在の情報を掲載しています。最新の情報はWebや各種SNSをご確認ください。
問い合わせ先
ACK実行委員会 事務局 広報担当:有田、市川 E-mail press@a-c-k.jp